Epilogue

 曇り、気温約10度。帰国の途につく。


 11:45にチェックアウトし、インツーリストのカウンターに行くと、「12:30にホテルの前に車が来るから、その時間にそこで待て。B117があなたの車だ」という。ここのインツーリストは本当に無愛想だ。
 12:20にホテルの玄関を出ると、確かにB117がいた。バウチャーを見せ、行き先を間違えないよう「モスクワに行くんだからプルコヴォI空港(Пулково I)へ行け」と話して乗り込む。
 行きと同様、またも曲がりくねった道を走っていく。ボロい工場とアパート群の中を抜けていった。これが社会主義の実像だったのかもしれない。


 12:50に

プルコヴォI
へ到着した。搭乗予定のZ8-2422は、確かにここから出発するらしい。それにしても狭い空港だ。チェックインカウンターが5つしかないし、便も2時間に1本しかない。ここがロシア第二の都市の国内線空港なのか? 全体的に古い設備の中で、フライト案内表示だけが真新しい電光表示になっているのが妙に浮いていた。また、外国人用カウンターがあるので行ってみると、ここのおばさんも英語を話さない。
 13:35にチェックイン開始。結局、外国人もロシア人も1つのカウンターでチェックインしてしまった。2番ゲートということだったのだが、ゲートは1つしかないのだが… フライトが少ないから間違えようもないが。14:05に手荷物検査を受け、待合室へ。ここから
滑走路
が見えるが、やはり寂しい空港だ。
 14:25にボーディング。ここまで、便名にZ8というのが入っているのが何となく気になっていたのだが、これはプルコヴォ航空という会社のフライトであった。ロシアの、しかもローカル航空会社…かなりの不安がよぎる。使用機材は
ツポレフTu-134
。内装もけっこうボロい。
 しかし、フライト自体はそこそこ快適だった。座席指定がなく、勝手に好きなところに座っていいというのには笑ってしまったが。乗り込んだのが後の方なので通路側になってしまい、荷物が落ちてきやしないか、とけっこうびくびくした。


 16:10にシェレメチェヴォIに到着した。雨が降っている。到着口にはいるとインツーリストの目印を持ったおばさんが立っていて、あっさりと合流できた。ぼろっちい

バッゲージ・クレーム
から荷物を受け取ると、インツーリストのカウンターに連れていかれ、ここで待つように言われた。おばさんは姿を消し、1人で取り残されてしまった。
 すると、2人連れの男が現われ、「インツーリストだ。バウチャーを見た。シェレメチェヴォIIに行くのか? なら、乗れ」という。さっきのおばさんが来ないのでやや気になったが、まあインツーリストって言ってるし…と思いついて行くと、出口でさっきのおばさんとばったり出会う。おばさん曰く「こいつらは違う。この人があなたの運転手だ。この人について行ってくれ」とのこと。そして、さっきの2人と口論を始めてしまった。ちょっと怖い思いをした。油断のならない国だ。


 16:50にシェレメチェヴォIIに到着。到着側と打って変わって、

出発側
は明るい雰囲気だ。まず税関に行ったが、入国時と同様あっさりと通過できる。アエロフロートのカウンターもすぐに開いてチェックインも完了。次いで、パスポート・コントロールに向かう。ここでビザを取られた。17:15にはduty freeをうろつく。"It's another world."がキャッチコピーらしい。いろんな意味でそうだろう。
 18:40にボーディング開始。チェックイン時に指定された21番ゲートから、さりげなく19番ゲートに変更されていた。もういいや。19:05に出発予定なのだが、やや遅れて19:40に出発。ダスビダーニャ、ロージナ!
 なお、成田に着陸後、空調から水が漏れてきたことを付記しておかねばなるまい。
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