03:30起床。荷造りを終えて、04:15にチェックアウトし、ピックアップを待つ。04:25に、ヤルタに向かった時と同じドライバーがやってきた。この時間というのに、外をうろついている人がちらほら。遊びとなると眠りを忘れるらしい。さらばヤルタ、また来る日まで。
山側の街を抜け、山道へ。海は靄に覆われている。ろくに街灯もなく、ヘッドライトとガソリンスタンドの灯りだけという道が続く。空を見上げると満天の星空。これほどたくさんの星を見たのは本当に久しぶりだ。東の空には、なんとオリオン座が昇りかかっている。少しずつ、昇る時刻が早くなるにつれ、季節が進んでいくのだ。旅の終わりは夏の終わりでもある。
眠ろうと思っていたのだが、舗装が悪くてがたがたするうえに、街灯もない中を時速100kmで曲がりくねっていくので、心配で眠気も訪れない。前方に車がいれば必ず追い越しをかけるし、逆に前方からこちらの車線にはみ出してくる車もある。夜のドライブというにはあまりにスリリングだ。
1時間ほどでシンフェローポリの街に入った。しかし、中心部には向かわず、別の道を通っていく。徐々に空が白みだし、山の稜線が見え始めた。05:40に、
空港のドアは既に開いているが、チェックインはまだ始まっていない。掲示を見ると、チェックインの開始は06:40らしい。
さて、ここからが最後の難関・成田行きSU575へのトランジットである。真新しいターミナルビルに入ると、すぐにイミグレーション。"TRANSIT"のサインが上階に向けて出ているので階段を昇っていくが誰もいない。と、係官がやってきて『下だからこっちに来い。』と。ビルに入るドアの真横にカウンターがあった。私含め3名が手続きをしている。1人はNY経由でSFに戻る(!)ところだそうで、ヤルタで2週間の休暇を過ごしたのだそうな。やはり、それくらいは滞在したいところである。バスに乗せられたので、このままターミナル2へ行けるのかな…と思ったが、やはり往路でも押し込まれた部屋に入れられた。現在11:40, 何時までここに拘留されるのやら。
…と思ったら、12:00にパスポートとSU575のBoarding Passを渡された。そのまま下に降りるようにいわれ、バスに案内される。あらら…??? もうターミナル2に案内してくれるんですか…? ここでの8時間待ちを覚悟していろいろ準備してきたのに…? とにかく、成田行きのBoarding Passさえもらえば、今回の旅も成功裏に終わることはほぼ約束されたようなものだ。
バスでまたも空港の外延を運ばれる。噂に聞いた新しいターミナルの建設工事がかなり進んでいるが、ターミナル間を分かりやすく自由に行き来できるようにしない限り、3つのターミナルの間で乗客が大混乱するだけだろう。12:20にターミナル2に入り、そのまま解散。この空港でこれほど物事が上手く廻ったのは初めてだ。まったく、ロシアは期待を外すことにかけては超一流だ。(もっとも、これはあくまでベストケースなので、これを期待した乗り換えプランを立てるべきではないだろう。)
さて、やることといえば、ボーディングタイムの18:40までDuty Freeをひたすらうろつくのみである。店こそたくさんあるのだが、何処も売っている品物が全く同じなので、すぐに見飽きてしまう。ただ、2階にある店だけは、少々違った品揃えとなっている。ここでようやく気に入ったものを見つけたので自分用の土産とした。ついでに、近くのカフェでチーズバーガーとアップルケーキ、クヴァスの昼食。$27也。クヴァスはヤルタの街角で飲むほうがずっと美味い。旅日記の校正もしておく。往路で入れられた部屋も見つけた。"Transfer Lounge"とは、ずいぶんと大きく出たものだ。
19:00に搭乗。今日も滑走路が混み合っているのか、なかなか離陸許可が出ない。20:00にようやく離陸、08/24の10:00に成田着。ちゃんと荷物も出てきた。
ヤルタの陽射しと海と風は本当に暖かく、身を置くだけで幸福感に満たされるようなところだった。観光ポイントは少なく、リゾートとしては不足している部分も多々あるのは事実だが、どこにでもあるようなリゾートではなく、ロシアらしさを活かしたリゾートを目指していってほしい。いずれまた、もっと日数を取って滞在したい。
やはり旧ソ連・東欧圏の旅は、一味違う楽しさがある。いつまで出来るかわからないが、やれる限りはこの一人旅を続けていきたい。