Chisinau / Epilogue

 01:00過ぎまでチェックイン手続きを行っていたこともあり、遅めの08:00起床。今日が実質的に2014年夏の旅の最終日である。21:50キシナウ発のフライトで東京に戻る予定となっているので、18:00頃までは観光できる。しかし、キシナウでは特に見どころと呼べるものもなさそうなので、それまでは散策とカフェ巡りをしようと思う。朝食を摂り、身支度と荷造りを整えて、10:00にチェックアウト。クレジットカードで、MDL1,510を支払った。朝食込み3泊計の宿泊料でも、ロンドンでの宿泊料の1泊分に届かないという… 荷物をクロークルームに預けて外出。坂道を登り街の中心部へ向かった。朝はさほど暑くないのだが…


 途中、ショッピングセンターらしきものを見かけたので何となく入ってみた。女性用の衣類が多いのは万国共通。センターを出て、横道に入ったら、そのまま大きな市場に入った。ここがキシナウの中央市場らしい。食料品や日用品の売り子がたくさん、買い手もたくさん。食材や惣菜の匂いが独特だが、悪い感じは全くしない。物がたくさんある市場はいいものだ。わけの分からないものもたくさんある。家電のリモコンを売っている人もいるが、いったい何に使うのだろうか? しかし、ここでもキシナウのサッカーチームのシャツは見当たらなかった。人気ないのかな…?(


 市場を出て、シュテファン大通りに戻り少し行くと、また
青空市場
。ここでは織物やTシャツなどの土産を売っている。ここでもマトリョーシカが売られているが、ロシア系の方々におかれては少々お考えになったほうがよろしいのでは? 旧ソヴィエトのバッヂ2個をMDL20で買った。シュテファン大通りを歩いていく。ところどころに瀟洒な建物がある。(

 11:30を過ぎたので、10分ほど歩き、TriAdvisorで評価の高かったルーマニア料理のレストランで、
スクランブルエッグのママリガ添え
を注文。スクランブルエッグには塩漬け肉が混ぜ込んであり、塩味が美味しい。ママリガは、トウモロコシの粉をふかしたもので、ルーマニア料理の副菜としてよく出てくる。6年ぶりの味だ。MDL159を支払った。ところで、スズメが店の中に入ってきており、ちょっとうるさいがなかなか可愛かった。
 1240に店を出る、が、かなり暑いので"Cade de la Creme"に退避。オーガニックのキャロットケーキとカフェラテを注文した。キャロットケーキはさほど強い甘みでもなく美味しかった。ぼーっと休む。


 13:45にカフェをでて、国立考古学歴史博物館へ。撮影料込みでMDL65を支払った。まず2階から見学する順路となっている。先史から現代まで、この地域の歴史を発掘された品などで紹介しているが、正直に言って目を引くような壮麗な展示物はない。
 1階では特別展示が行われており、貨幣の歴史が紹介されていた。こちらはローマ帝国時代からのものを紹介しており、種類も豊富で、実に面白い。ソヴィエトの貨幣はいくつか欲しくなった。こちらだけで訪れた価値があった。続いて、勲章や武器の展示。当然というべきか、AK-47もあった。第2次大戦当時のキシナウでの戦闘を模したジオラマも展示されていた。
 博物館を出る前にトイレに行こうと思い地下へ行くと、その横ではソヴィエト時代の展示が行われている。何たる露骨な扱いか! これが最も面白かった。


 15:20に博物館を出る。灼熱の暑さだ。隣のカフェに入り、またもカフェラテで休息。
 16:00にカフェを出て中央公園に行き、木陰のベンチで旅を振り返る。今年もいい旅だなぁ…
 旅の締めは、

"Tucano Coffee"
でアイスカプチーノとミックスベリータルト。さて、ミックスベリータルトには、パウダーシュガーで
"Peace"
の文字が描かれていた。キシナウでは、夜にCNNを観ているのだが、紛争とエボラ出血熱のニュースばかりだった。この5文字がとても重く感じられた。スタッフの雰囲気もとてもいい店で、忘れ得ぬカフェである。


 17:30に店を出て、ホテルまでシュテファン大通りを戻る。暑さは消えつつあるが、雲が増えてきたばかりが、雨がぱらついてきた。これから飛行機に乗るというのに、雷雨というのは絶対に止めて欲しい。いやまじで。
 18:00にホテルに戻った。さて、ここから帰路の準備を始める。まずトイレに行き、洗面台でカバンに入れておいたタオルを濡らして個室に入り、服を脱いで全身を拭いておく。これで汗がかなり消えてくれる。そして、シャツや下着もカバンに入れておいたものに替えてしまう。最後に、歯を磨いておく。これでかなりましになる。その後にクロークから荷物を取り、着ていたシャツなどをそちらに納めて準備完了。
 18:45にタクシーを呼んでもらった。ホテルのロビーには大荷物を抱えた中国人と思われる夫婦がおり、同じくタクシーを呼んでもらっていた。私のタクシーのほうが先に来てくれたので、乗る際に『祝ni旅途愉快!』と声をかけるとにこやかに笑ってくれた。恐らく同じフライトに乗るのだろうけど。
 18:55にホテルを発ち、15分ほどで空港に到着。5分ほどで搭乗するTK272便のチェックインが始まった。問題なく東京行きTK52便にもチェックインでき、2枚のボーディングパスが発行された。手荷物検査、出国審査もスムーズに通過し、出国ゲート側へ、予想通りこじんまりとしている。さて、これで19:40なのだが、搭乗開始予定の21:10まで1.5時間もあるので、今日の写真データのバックアップを取り、ここまでの日記を書いておいた。


 21:15に搭乗案内開始。この空港にはそもそもブリッジがないので、またもバスで機体まで運ばれていく。先ほどの中国人の夫婦が隣に座った。00:00の北京行きに乗るのだそうな。私よりもトランジットの時間が短い… 『祝ni旅途愉快!』の日本語での言い方を教えた。席に着くと、周囲はトルコ人の女子学生の団体。とにかくかしましい。まぁ、1時間35分を堪えればいいだけだ、と思っていたのだが、離陸予定の21:50になっても動き出す気配がない。アナウンスも周囲の声にかき消されて何も分からない。CAさんに訊ねてみると、イスタンブールの空港が混雑しているため離陸許可が出ず、出発予定時刻も到着予定時刻も未定という! 01:00発のTK52便に乗り換える必要があることを話すが、『大丈夫です』としかいわない。夜のためか、周囲の女子学生はさらにハイテンション。こういうのを鬱陶しいとしか思わなくなったということは、私も年を取ったということなのだろう。
 22:20になっても何の変化もない。再度CAさんに状況を聞くが何のアップデートもない。イスタンブールの空港でのトランジットでのサポートを厳重にお願いする。非常に苛々しているときに、"calm down"などとまずいわれると、余計に苛々する。
 定刻より45分遅れの22:35にようやく出発。到着予定時刻は00:00となっている。これだけみれば乗り換え出来そうにも思えるが、どうせタキシングなどで機外へ出るまでに20分くらいかかるから、安心は出来ない。機内食のサンドイッチが配られるが、食欲もないのでパス。そういえば、航空券を買う時に"low fat meal"を選択していたことを思い出した。そのために特別なものを用意してくれていたらしい。


 00:00にイスタンブール・アタテュルク国際空港に到着。滑走路などが濡れており、激しい雨が降ったのかもしれない。ブリッジに着けることも出来なかったのか、またもバスで空港ビルまで運ばれる。空港ビルに入り大急ぎで階段を上がり、トランジットのサポートをしてくれるような人を探すが、別に私の名前を出してくれている人もいなかったので、諦めて"transit internationl flight"の矢印に従いひたすら走る。途中、右に曲がる指示がありそちらに行ってみたが真っ暗で、その場のスタッフに訊くとさらに真っ直ぐ行け、という。ここでも"calm down"だ。ここの人間はヒトをイラつかせる天才か?
 10分ほどでようやくトランジットの手荷物検査カウンターを見つけたが、当然に行列が出来ている。しかも、出発時間がさらに差し迫っている人がほいほい割り込んでくるので、もはやたたかいである。ようやく通過したが、危うくiPhoneを忘れるところだった… ここからTK52便の出発ゲートをめざし再び走る。5分ほどでようやくゲートに到着。時刻は00:30, なんとか間に合った。念のため水0.5Lを買い、ゲートに入る。ここでもバスだ… 機体に到着し、席に着くと、隣の外国人男性から『彼女が別の座席なんだか交代してくれないか?』と。別に悪気はないのだろうが、この苛々しているときにそんなことを頼まれて(しかもその『彼女』の席は通路側ではない)OKするわけがない。
 さて、エコノミーの一番前しかも通路側という、ロケーションは最高なのだが、USBポートもないのでiPhoneの充電も出来ないし(持参していた携帯用バッテリーで充電した)、座席前のポケットが小さいうえに何だかやたら詰め込まれているので文庫本やペットボトルを収納することも出来ない。せっかく出発前に汗を落としてきたのに、走り回ったので汗だくだ。気持ち悪い。


 定刻より15分遅れの01:15に離陸。やれやれ… 12年ぶりのトルコ航空は、またも鬼門だった。もう二度と乗るまい。さて、ここでも機内食はlow fatで、味もそっけもないぱさぱさの魚料理。まぁ、これは自分の選択の結果なので、甘んじて受け入れるのみ。
 定刻より20分遅れの8/3(Sun)18:50に成田着。ところが、預け荷物が出てこなかった。カウンターに行くと、既に連絡があって、翌日朝のフライトで成田に到着するので、その後に自宅まで送るという。まったく、どこまでもトルコ航空はダメだ。ちゃんと荷物が届くのかどうか、すら安心できないですな、この分では。(追記; 8/4(Mon)21時に届きました。)


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