Tashkent / Epilogue

 昨夜は02:00に寝て、今朝は08:00に起床。今日がこの旅の(実質的な)最終日で、22:20発のOZ574でインチョンに行き、インチョン空港で6時間待った後に、8/12(土)15:25発のOZ106で成田に戻り、この旅は終わる。昼前ぐらいにチェックアウトして、タシケントの街をぶらぶらし、19:20に空港へのトランスファーを待つ予定である。
 着替えてとりあえず朝食を摂る。その後は、日記の整理をしたり、荷造りや身支度で時間を過ごす。税関申告書も、金額欄以外の個所をすべて記入しておく。それにしても、この部屋の空調は寒い。中央制御なのか、止めることもできない…


 10:45にチェックアウトし、荷物を預けて観光を開始。

ホテル・ウズベキスタン
の外観に萌えない共産趣味者はいないだろう。さて、タシケントにはソヴィエト時代に建設された地下鉄があり、ソヴィエト地下鉄好きとしては是非とも乗ってみたいと思っていた。ホテルの近くに駅があるので行ってみる。地下道の入り口でまずは手荷物検査。ああ、もうこの地下道からしてソヴィエトだ。まだタシケント地下鉄の改札はジェトンのみで、ICカード式乗車券は導入されていないようだ。プラスチック製のジェトン5枚を計6,000スムで買った。改札の前でまた手荷物検査。エスカレーターを降りると、美しく装飾された駅。タシケント地下鉄の装飾にはイスラーム風でもある。装飾に見とれているうちに車輌がやってきた。これまであちこちで乗った、あの車輛がここでも走っている! …などと見とれているうちに乗るのを忘れてしまった。容赦ない速度で閉まるドアも健在だ。8分ほど待って次の車輛に乗る。乗り換えの通路もモスクワなどでよく見たあれだ。久し振りのソヴィエト地下鉄が全くたまらない。地下鉄構内で写真撮影が禁止されていることが残念でならない。
 チョルスー駅で降りる。ここには、タシケントで最大のチョルスー・バザールがある、降りた瞬間から何ともいえない匂いと物音、これぞバザールである。売っているものや売り手・買い手を眺めながらうろうろする。と、菓子屋があった。ここで現地物の何だかわからないが氷砂糖のような菓子を職場への土産として購入。3つ合計で16,000スムを支払った。昼近くなのでついでに昼食を摂ることにし、近くにあった店でシャシリク1本にパンをつけて2,500スム…安い、そして美味い。ちゃんと酢をかけた玉葱も添えてくれた。(

 陽射しこそきついが、今日の気温は昨日までほどには高くない。木陰で風に吹かれると涼しさを感じるほどだ。


 次は、タシケントのサッカー・チームであるパフタコールの本拠地である

パフタコール・スタジアム
へ。これも地下鉄で行ける。パフタコールのオフィシャルショップが近くにあればシャツでも買いたかったのだが、残念ながら何もなし。
 続いて、タシケントの老舗百貨店のツムとナヴォイ劇場へ、また地下鉄で向かう。駅間が長いうえに、なぜかプラットフォームへ着くと目的の方角の列車が行ってしまい、意外に移動に時間がかかっている。ソヴィエト地下鉄を堪能できるので問題ないが。駅から出ると、大通りが交差しているところだった。ただ、それぞれの通りの名前がわからない。タシケントの街は通りの名前がほとんど出ていないので歩きづらい。近くにいる人に訊ねて方向を教えてもらった。
 ツムに入ってみるが、本当に地元の人のための店で、特に欲しくなるようなものはないし、スポーツ用品店にもパフタコールのグッズはない。…というより、マンチェスターユナイテッドやFCバルセロナなど、海外の著名クラブのグッズばかりだ。街でもパフタコールのグッズを身に着けている人(子供を含めて)を見かけないし、人気ないのだろうか。
 ツムの向かい側に、ナヴォイ劇場がある。大きく、豪華な劇場だ。この劇場の建設には、終戦後にシベリアで抑留された日本人もかかわっている。そのことを記す記念の壁があった。しばし黙祷。劇場の前は公園になっている。木陰のベンチでしばし微睡む。心なしひんやりとした風が心地好い。(


 15時になったので、タシケントのカフェに行ってみたいと思い、Google Mapで評判の高いカフェを目指してまたも地下鉄で移動。これもたどり着くまでに45分もかかった。内装はもう完全に欧米系カフェのものだ。コーヒーとケーキを注文、クリームの甘味が疲れを癒してくれる。ただ、何かの工事をしているようで、とにかくドリルの音がうるさい。計26,000スムはちと高すぎるのでは。
 17時をまわり、そろそろ観光を締めくくらねばならぬ。最後のタシケント地下鉄でホテル最寄りの駅へ戻り、ホテルの正面にあるアムール・ティムール広場へ。ここには、独立後につくられた

ティムールの銅像
がある。独立後のウズベキスタンは、彼を英雄として国づくりを進めているのだろう。公園の反対側には歩行者天国になっている通りがあり、若い人たちが楽しんでいる。ここにもショッピングセンターがあったので入ってみたが、パフタコールのグッズはなかった。
 18時を過ぎたので、
ティムールの銅像
を眺めながら今回の旅を振り返る。いつかまた、ウズベキスタンを訪れてみたいものだ。
 18:30にホテルへ戻る。トイレの個室を使って汗の処理や着替えをしておく。これでフライトでの快適さが全然違う。預けていた荷物を受け取り、もう不要となったものを預け荷物のほうに移し、税関申告書の金額欄を記入しておいた。
 19:10に迎えのドライバーが来てくれたので空港へ向かう。『今日はあまり暑くなかったね。』というと、『暑さの厳しい季節の終わりで、これから徐々に秋が来ます。』とのこと。金曜の夜で、車も少々混んでいたが、19:40にタシケント空港に到着。駐車場で別れる。さて、到着時にろくでもない目に遭ったので、どうせ出発でもろくなことはなかろうと、ある程度覚悟はしている。


 まず、空港の建物に近づくところでパスポートチェック。それを通過し、ターミナルビルの2階にある出発側に行き、ビルに入るところで荷物のセキュリティチェック。それを通過するとチェックインカウンターだが、もはや列もへったくれもない状況。適当に身体を入れて、何となくカウンター毎の列になっているところまで辿り着いたが、相変わらず遅々として進まない。30分以上待って、ようやくあと2組で私の番、というところで突然このカウンターが閉められてしまった! 指示されたカウンターに行くと『ここはビジネスクラス専用です。』といわれたので、さすがに頭に来て怒鳴りつけた。”Calm down please"とかいわれるが、馬鹿にされて黙っているいわれはない。隣のカウンターで、先の2組に続いてようやくチェックイン。自分のチェックインは3分もかからなかった。インチョンまでのボーディングパスと、成田までのボーディングパスを受け取ることができた。
 続いて税関申告。昨日ウルゲンチの空港で取った用紙に記入済みなのでそのままカウンターへ。ここでも私の前の女性がひっかかって係員が連れて行ってしまったで、隣のカウンターに行く。これもすんなりと通過。
 次は出国審査。ホテルのレジストレーションの証明書もすべて揃えてあるし問題はないはず。これもスムーズに完了し、ビザに出国スタンプが押された。ホテルのレジストレーションの証明書は回収しないのか… 出国したところにまた係官がいて、パスポートとボーディングパスのチェックをする。こいつは何のためにいるのだろう? 最後は手荷物のセキュリティチェック。これでようやく搭乗ゲートに出られた。1時間15分ほどかかったが、その2/3はチェックインの待ち時間だった…
 さて、Duty Freeだが、免税店が1つあるだけ。品揃えも化粧品やら洋酒やら煙草やらで面白くもなんともない。機内持ち込み用の水と、リフレッシュのためのコーラを購入しただけだ。結局、ウズベキスタン土産といえるのは、余ったスム紙幣とタシケント地下鉄のジェトンだけだ。
 21:50に搭乗開始。やはりウズベク人の行商と思しき人たちが多い。機内預けの荷物も大きいのだな。またも離陸までの待ち時間が長く、定刻の22:20より40分遅れて23:00にようやく離陸。さらばウズベキスタン。1時間後に食事が出たのでとりあえず食べておいた。あとは寝るか音楽を聴くのみ。


 8/12(土)08:30(時計が4時間進む)にインチョン空港に到着。ここでもタキシングが長くかかり、機外へ出られたのは9時近くだった。成田行きOZ106の出発時刻は15:20予定で、約6時間の待ち時間があるのだが、ソウルの街へ出ることはせずにこのまま空港で待つことにする。そのまま乗り継ぎのセキュリティチェックを受けてDuty Freeへ。まずは無料のシャワーを浴びる。これは本当に有り難いサービスだ。近くでコーヒーを買って、旅日記をつけている。
 11:30になったのでフードコートでプルコギピビンパの昼食。あまり美味しくはない。やることもないのでDuty Freeをうろつく。4年前よりもかなり広くなったが、どれもこれも同じような店ばかりだ。1つくらい、異なった品揃えで『攻める』店があってもいいと思うが…
 ふと出発案内を見ると、搭乗予定のOZ106の出発が1時間遅れて16:25になるとの表示が! 到着も1時間遅れの18:50の予定となっていて、帰宅がさらに遅くなる… やり切れない気持ちで、足を伸ばして休めるスペースで旅日記の校正をしておく。ターキッシュエアラインズに続き、アシアナも鬼門だろうか。ANAがメインなので、スターアライアンスを優先したいのだけど… 結局、16:00に搭乗開始、子どもの団体が乗るようだ。機内で騒いでくれるなよ… 19:15に成田着。


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