Epilogue

 6時過ぎに目が覚めたが、7時過ぎまでごろごろする。今日はもう帰国するためのフライトに乗る日だ。あっという間の一週間だった。ただ、BBCが日本に来襲している台風のことを繰り返し報じている。ちゃんと成田に着けるだろうか… 午前中は時間があるが、もう観光はせずに遅めにチェックアウトし、エアポートバスに乗るために本駅に行くつもりだが、最後の名残に本駅のカフェに行こうかとも考えている。税関アプリで税関申告も完了、到着時にQRコードを見せればよいらしい。初めて海外に行った時から税関申告の様式は同じものだったが、ついに変化が訪れたか。
 09:50にチェックアウト。Google マップによれば、プラハ本駅までは徒歩でもほぼ同じ時間で行けるようだが、肌寒いし荷物も重いしプラハの地下鉄にも乗りたいし…でI.P.Pavlova駅へ。地下鉄に乗り2駅でプラハ本駅に着いた。今回の旅ではトラムばかりで地下鉄に乗ることがほとんどなかった。まずは11時発のAirport Expressバスのチケットを買い、3階のアール・ヌーヴォーのカフェに行った。バスもこの前から出るのでちょうどいい。しかし、席に座ってもなかなか注文を取りに来ないし、コーヒーが出るのも遅い。ここを使うには時間に余裕がないと大変なことになりそう。勘定を取りに来るのも遅いし。
 1045過ぎにバス停の前でバスを待つ。…といっても、もう目の前にいて休憩中と表示されているだけだが。10:55に乗車を開始、11時に出発した。11:25に空港に到着。出発時刻は15:55なので、4時間30分も早く空港に着いたことになる。チェックイン開始時刻は12:55とのことなので、チキンラップとポテトスープで昼食を摂った。それ以外には特にやることもないが、少なくとも暖かいしトイレも無料なので十分だ。
 12:55にチェックインが始まった。COVID-19ワクチンの接種証明の提示を求められたので接種証明アプリの画面を見せた。バックパックを預け、無事にドバイ行きEK140と成田行きEK319のボーディングパスが発行された。すぐに出国手続きすると、そのままDuty Freeへ。まだ手荷物のセキュリティ検査を受けていないが… とりあえずゲートに向かうと、途中に行列が出来ている。ここがセキュリティ検査なのかと思ったが入国審査だった。そのままゲートまで行ってみると、ゲートの手前にセキュリティ検査設備があった。ということは、水をここで買っても機内には持ち込めないということだ。
 Duty Freeをぶらつく。ここで味わう旅の終わりの安堵感と寂寥感も久しぶりだ。チェコのオリンピックチーム公式グッズを売っていたので少し気を惹かれたが値段をみて諦めた。14:10にゲートが開いたのでセキュリティ検査を受けた。これでDuty Freeともお別れだ。待合室にトイレと自販機があるので一安心。水を買っておいた。財布の中をチェコ・コルナから日本円に戻した。こういう一つひとつが旅の終わりの過程である。


 15:55発のエミレーツ航空EK140でプラハを出発。離陸の瞬間を見届けてプラハに別れを告げるつもりだったがまたも眠ってしまい、1時間半後に目が覚めた。隣の席に誰も座っていないのでとても楽だった。ただ、機内食の提供が一番最後で、しかも不味かったので半分以上残してしまった。またも「トップガン」を観た。
 23:30(時計が2時間進む)にドバイに到着。すぐにセキュリティ検査を受けてDuty Freeへ。搭乗する成田行きEK319も同じCゲートと表示されたので、あとはここで待っていればいいだけだ。さすがに空腹を覚えたので、フードコートでファラフェルのラップサンドを食べた。この後の機内食を考えて半分程度にしておくつもりだったが意外に美味しく、全部食べてしまった。空港の夜景を見ながらの食事というのもよかった。コーヒー込みで53ディルハムを支払った。これで2,000円を超えてしまうのだから、ドバイの物価が高いのか、日本円が弱いのか、その両方なのか... ここの支払いもそうだったが、この旅の間の支払いはほとんどクレジットカードのタッチ決済だった。トイレのチップまでこれで支払えるところもあるくらいで、現金で支払うことはほとんどなかった。国にもよるのだろうが、両替で右往左往することももうないのかもしれない。
 まだまだ旅を続けたい気もするし、帰りたい気もする。フライトも、以前よりは少ないのだろうが、世界中のあちこちに飛んでいるし… 三日月が綺麗だ。イスラーム圏といえば三日月だ。Duty Freeで初めてiPhone 14に触れた。やはり大きいなぁ… 今のiPhone 12 miniを大事に使おう(既にいくつも傷がついているが)。ラクダのミルクのチョコレートかデーツかバクラヴァでも買おうかとも思ったが、結局水しか買わなかった。乗り継ぎ待ちも3時間くらいだと、焦ることも退屈することもなくちょうどいいように思う。
 02:55にドバイを出発した。このフライトでも隣が空席だったので楽だった。約5時間ほど眠った。このフライトの機内食(チキングリル)もあまり美味しくははなかったので1/3ほど残してしまったので、先ほどのラップサンドを全部食べておいてよかった。
 17:00(時計が5時間進む)に成田着。機外に出て検疫、入国審査へと向かうが、この長い道筋に店も看板もないのがとても寂しい。初めて日本に来た人が見た光景がこれだと、一気に気分が萎えてしまうのではないか。いよいよ検疫へ。My SOSアプリの青い画面を見せると、青い紙を渡された。青い紙を持つ人の行列に並び、My SOSアプリのQRコードを読み取ってもらって完了。スムーズに検疫を終えることが出来た。
 そのまま入国審査へ、これも顔認証であっさりと完了。一応、入国のスタンプを捺してもらった。最後に預けた手荷物の受け取りだが、その前に税関認証アプリで税関手続きを開始。これも、アプリのQRコードとパスポートを読み取らせるだけだ。再び手荷物カウンターに戻り、自分のバックパックが出てくるのを待つ。10分ほどで無事に出てきてくれた。バックパックを背負い、再び先ほどの税関の電子申請のほうに向かい、カメラを見ながら歩くだけで完了した。この税関の電子申請はまだほとんど利用されていないようで、ほとんどの人が従来の行列に並んでいたが、便利なので多くの人に使っていただきたいと思う。


 3年ぶりの旅は本当に楽しかった。やはり旅はいい。予算や体調など、旅をするための条件は今後も 厳しくなっていくだろうが、その時に出来る旅を続けていきたい。そして、またプラハに行きたい。


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