曇り時々晴れ、気温約10度。体調はほとんど元に戻ったが、無理はしないこととする。
昨日試しているうちに、どうやら接続できない原因はホテルのPBXの古さにあると分かった。モデムからのプッシュ信号の送出があまりに早くて、PBXが読み取れないらしい(直にかけると、受話器からガチャガチャというあやしい音が聞こえる)。所々にカンマを入れて解決。しかし、14.4k以下しか出ない上に不安定なので、ftpは諦める。
まずは、インツーリストに行って今後の確認。最大の懸案だったペテルブルク→モスクワのリコンファームも無事に終わり、火曜日のトランスファーの時刻を決める。この日は何も出来ないことになる。
続いて、両替を行おうとすると「パスポートがなければだめだ」という。パスポートは登録のためにフロントに預けてあるので返してもらおうと思いレセプションに行くと「パスポートカウンターにあるからそっちで確認しろ」とのことなのでカウンターに行くと、あっさりと登録してくれた。あまりの簡単さに「これでいいのか?」と尋ねると「こんなにスタンプがあってまだ足りないのか?」と切り返された。
宿泊している
(紛らわしい)は、プロシャーチ・アレクサンドル・ネフスキー駅(пл.Александра Невского)がビルの真下にあるので便利である。ここから、まずガスチーヌィ・ドポール駅(Гостиный двор)へ出る。料金は2P。わずか2駅だが駅間が長い。(ガスチーヌィ・ドポールとは、革命前からあるペテルブルク最大のデパート)
ここから、ペテルブルクのメインストリートであるネフスキー大通り(Невский пр.)に出て、1.5kmほど歩いて、まず(Сенатская пл.)へ出る。ここは、以前にはデカブリスト広場といわれていたが、この以前の名称に戻ったらしい。この広場に面してそびえているのが。海軍が陸地に立派な建物を持ってどうする。またこの広場には、エカテリーナ女帝が作らせたが立っている。自分がピョートル大帝の後継者であることを示すために作ったのだとか。
ここから
沿いに歩いて、宮殿橋を左手に見つつ右に折れると、かの(Государственный Эрмитаж)がある。入館料60Pを払って中に入った。
革命前は「冬の宮殿」として使われていただけあって、中はとてつもなく広く、入り組んでいる。地図がないと絶対に迷う。しかも、内装もとても豪華で、ともすれば美術品がかすんでしまっている。西欧絵画を中心に見たのだが、それでも、モネ・ルノアール・ピカソ・マチス・ゴヤ…よくもこれだけ集めたものである。
ゴヤの「脱衣のマヤ」「着衣のマヤ」が、偶然にマドリードのプラド美術館から移されて展示されていた。かつてスペインを旅行した折りに見たことがあるので、意外な再会に少しうれしかった。
その他、シベリアの少数民族からアジア系、ギリシア彫刻にいたるまで、貴重な資料が詰まっている。ざっと見るだけで軽く半日はかかる。
エルミタージュを出ると、そこは
(Дворцовая площадь)である。宮殿と旧参謀本部に取り囲まれ、ロマノフ王朝の栄華のすさまじさを見せつけている。ほんとに美しい。また、エルミタージュと向かい合っている門は、ナポレオンとの戦争の勝利を記念して建てられた。
宮殿広場から
に戻った。西欧への窓として作られただけあって、ペテルブルクには美しい建物が多く、ネフスキー大通り沿いにも美しい建物が多い。が、道路の補修工事を大々的に行っているらしく、雰囲気が台無しである。
ペテルブルクは運河の街でもある。今日だけでも、・の2つの運河を渡った。これらの運河には水上バスも走っており、風情を楽しめるようになっている。
また、グリヴァーエドフ運河沿いに歩くと、聖ワシリー聖堂のような形をしたがある。こちらはもっと派手だが。
さて、ネフスキー通り沿いを歩いていくうちに、偶然
(филармония им.Д.Д.Шостаковича)を見つけた。ここがペテルブルク・フィルの本拠で、かつてはチャイコフスキーがここで自ら「悲愴」の初演の指揮をしたというところでもある。
切符売場に行ってロシア語を読んでみたら、今夜がまさにペテルブルク・フィルの演奏で、しかも「悲愴」を演奏するという! 窓口のおばちゃんに聞いてみたらまだ空いてるということだったので、30P(約$2!)でチケットを買った。
も素晴らしいが、演奏も期待を裏切らず、見事だった。高音は耳に障らずに澄み渡り、低音は優しく、どの楽器もでしゃばらない、流れるような旋律だった。さすがに、まだ落ちてはいないと思った。
今日の演目(といってもあまり知らないので、ロシア語を直訳)
- リャドフ:オーケストラのための何とかかんとか(^^;)(1906)
全体的にとても優しい旋律。最後の楽章がCMとかで使われてる有名なものだった。
- シュニチケ:バイオリンとオーケストラのためのコンチェルト(1985)
イワン・モニゲッティとかいう有名なチェリストがソロを担当。ただ、全て重苦しい中で終始し、私は好きになれない。チェリストのテクは認めるけど…
- チャイコフスキー:「悲愴」
CDで聞いてたよりも、前半はより優しく、ラストはより悲しく表現されていたと思う。美しかった。
思いがけない収穫に大満足し、1日を終えることが出来た。
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