明日に備えて、早く起きてプラハ本駅への道順とホームなどの構造を確かめる。乗り換えも含めて約30分で本駅に到着できた。時刻表の見方も含め、おおよその感覚を掴むことは出来た。ホテルに戻って朝食を摂るのも面倒なので、そのまま駅のカフェでカプチーノを飲み朝食とする。
昨日で観光名所と呼べるところはだいたい行ってしまったので、今日は無目的にさ迷うことにする。まずは旧市街広場へ行き、中欧最古の大学である
その後は、ひたすらお土産になりそうなものの物色。意外に社会主義の残骸のようなものがない。ロシア語も全然耳にしないし、ルーブルなんか見たこともないし、ソヴィエトマークも全然ない。その代わりに、英語やドイツ語が氾濫し、各国通貨の両替商が乱立し、人々はおしゃれして自由を謳歌している(ように見える)。そういえば、値段もコルナで表記され、取引もコルナで出来る。コルナが『使える』通貨になっているのだ。本当に、つい10年前まで共産党政権だったのだろうか、疑わしくなってくる。あるいは、社会主義など、プラハの神秘の前には何ほどもなかったということだろうか?
ただし、地下鉄については、ぼろい電車に素早く動く長いエスカレーターなどが、どっかで味わった懐かしい感覚である。ただし、駅自体に装飾はされていないし(掃除はされていてきれいだが)、車輌には落書きが多いが。
チェコ語はスラブ語に属しているらしく、響きはロシア語に似ているのだが、使っている文字はラテン文字である。ただし、文字にいろいろなマークが付与されていて、これで発音が変わるらしい。一度、間違えてロシア語で挨拶してしまい、嫌な顔をされたのが印象的だった。
そんなこんなで18時になり、ガイドブックで観て美味しそうだと思っていたU Zlate Studnyに入り、クネドリーキ(チェコ風蒸パン)と兎肉のロースト・チェコ風を注文する。兎肉は骨付きローストで、鶏肉のような味わいである。かけまわしてあるソースには微妙な酸味が利いていて美味しい。クネドリーキにも微妙な酸味があるが、これをソースにつけて食べると不思議に酸味が消えてソースの味を楽しめる。消化にもよさそうで、いささかももたれない。チェコ料理というのも悪くなさそうだ。値段も420Kcと手頃で、いいレストランだった。
夜の街角の名残を惜しむ。昼は重厚で伝統的、もしくは華やかな街が、夜になると一変して妖しい神秘的な顔を見せる。いくつもの顔を持つ、神秘という言葉が良く似合う街だ。この街の魅力は、とても私などでは言葉に出来ない。
ホテルに帰ってから荷造りを進め、明日の準備をする。絶対に寝過ごせないので、早く寝ます。