München

 6時に起床し、身支度を整える。6:45にはチェックアウトを済ませ、プラハ本駅へ向かう。予定通り、7:15にはプラハ本駅に到着し、2番線にEC166"Albert Einstein"号が入ってきていることを確かめる。

機関車
はやや不安になりそうな代物だが、客車は近代的で、椅子の幅も日本のものよりやや広めになっており、2等でも十分快適だ。305号車の25番席に座る。7:52に出発。さらばプラハ!
 運行も快適で、スピードもかなり速い。あっという間にプラハを離れ、のどかなヨーロッパの農村風景が続く。なだらかな丘陵の合間に村がある。
 さすがに客は多い。2等のせいか、客層もいまいちだ。向かい合わせに座っていた太ったチェコ人は四六時中何か食べていた。何処にあれだけの食料をしまっておけるのかと感心する。ドイツ人の6人組はパーティのような大騒ぎを展開し、他のお客さんに何度か怒られていた。
 9:20にプルゼニュ(Plzen)に到着。ピルスナービールの発祥の地で、ビール好きにはたまらない街らしいが、私にはあまり関係ない。
 10:40頃に、国境の町Fruth im Wardに到着。陸路で国境を越えるなんて初めての経験なので、密かに楽しみにしていた。ここで警察が乗り込んできて、パスポートをチェックする。が、チェコ出国のスタンプもドイツ入国のスタンプもなく、拍子抜け。出国の際にトラブらなければいいのだが… ともあれ、ドイツに入国したことになる。鉄条網はおろか、国境を示す標識もなかった。それにしても、チェコとドイツなんてつい10年前までは敵同士だったはずで、こんなふうに1本の列車で結ばれるとは、時代も変わったものである。
 風景はあまり変わらないが、さすがに建物は瀟洒な感じになってきた。ドイツ国内のいくつかの街を経由して、13:46に
ミュンヘン中央駅
(München Hauptbahnhof)に到着した。天気は曇り。
 とりあえず、ホテルに向かってシラー通り(Schillerstraße)を歩いていくが、キャバレーやらヌードシアターやらが何軒もあり、あまりいい土地柄ではないらしく、ちょっと不安になってくる。が、宿泊予定の
Brunnenhof
は、とりあえずまともな外観で安心する。
部屋(123号室)
もまあまあだ。荷物を置いて、時間もあるので再度外出する。


 まず中央駅に戻り、明後日のフュッセン行きの電車の時間を確認する。便名も分かったので予約しようとしたのだが、ローカル線のため予約不要とのことだった。ついでにピザで昼食を摂る。
 駅の横のバイヤー通り(bayerstr.)を行き

カールス門
(karlstor)をくぐれば、そこから旧市街である。歩行者天国となっているノイハウザー通り(Noeuhauserstr.)は、ストリートパフォーマンスも出て大変に賑やかだ。一方で、途中に
フラウエン教会
(Frauenkirche)などの建築もある。ただ、酔っ払いや柄の悪いグループも多く、都会であることを感じさせる。15分ほど行くと、
マリエン広場
(Marienplatz)に出る。ここがミュンヘンの中心地である。広場に面して、
新市庁舎
(Neues Rathaus)が建っている。ネオ・ゴシック様式の建築も素晴らしいが、何といっても仕掛け時計が有名だ。1日に3回しか動かないので、また後で来ることにする。
 広場からディーナー通り(Dienerstr.)を行くと、オペラの殿堂・
バイエルン州立歌劇場
(Bayerische Staatsoper Nationaltheater)がある。ここでオペラを観られないものかと思っていたのだが…なんと工事中であった! とてつもなく悔しい。その横にはヴィッテルスバッハ王家の宮殿だった
レジデンツ
(Residenz)がある。この中を見学するには時間が足りなさそうなので、また明日。
 オデオン広場からUバーン(地下鉄)に乗り、Universität駅で下車して、
ルードヴィッヒ・マクシミリアン大学
(Ludwig-Maximilian Universität)に行ってみる。以前から名前を聞いたことがあったので、何となく行ってみたかったのだ。残念ながらショップを見つけることは出来なかったが、校舎の中をうろうろしたりして、ヨーロッパの伝統大学の威厳を感じることが出来た。こういうところで哲学とか学んだらハマるだろうなぁ。
 ここからSバーン(近郊電車)に乗り、RosenheimerPlatz駅で下車して
ガスタイク文化センター
(Gastieg)へ行く。ここはミュンヘン・フィルの本拠地なので、ひょっとしてコンサートでもないかと思ったのだが、これまた残念ながらないようだ。


 マリエン広場に戻るとちょうど17時で、仕掛け時計の動く時間だった。上下2段に分かれていて、上は馬上槍試合を、下は職人の踊りを再現している。馬上槍試合では、バイエルンの青と白の旗をつけた騎士が勝つことになっているのだが、相手方の騎士の人形が馬上で傾くあたり芸が細かい。さすがに、プラハの仕掛け時計よりはずっと面白い。そういえば、プラハでは旧市庁舎だったっけ…
 当て外れが続いて疲れてきたので、バイエルン名物の白ソーセージでも食べて休もうと思いレストランに入ると、白ソーセージは売り切れだという。仕方ないのでノンアルコール・ビールとウィーン風カツレツを注文する。ふとお店のポスターを見ると、世界最大のビール祭り『オクトーバー・フェスト』は9/18からと書いてあるではないか。てっきり、明日からだと思っていたのだが、9/18にはフュッセンに移動しなければならないので観ることは出来ない。これでは、ホテルの割増料金を損したようなものだ。打ちひしがれつつ20DMを支払って店を出て、ホテルに戻る。雨まで降ってきた。
 今日は後半の当てが外れたのでいささかがっかりだが、無事にミュンヘンに到着できただけでも良しとすべきだろうか。


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