München

 8:00に起床し、テレビをつけると『ポケモン』を(もちろんドイツ語で)放送していた。いつも通りにホテルで朝食後、レジデンツの見学に向かう。宝物庫と博物館のチケット12DMを支払って、まずは宝物庫に入った。予想通り(?)王冠・杖・杯といったものが並んでいた。確かに壮麗ではあるが、昨年モスクワで観たロマノフ王朝のものに比べれば見劣りがするのは否めないところか。その後、博物館に入った。以前の王宮をそのまま残してあり、内装はこれまた例によって金の縁取りなどで飾られていて、見る分にはいいが中に住んだとしたら落ち着けそうにない。中でも、ヴィッテルスバッハ家の家系の肖像画が121枚も並んだ

祖先画ギャラリー
(Ahnengalarie)は圧巻である。また、銀食器ばかり3,500枚もあるという銀の間(Silberkammer)もきらびやかである。しかし、こんなんで食事したら食べ物の味が分からないのではないか、というのは庶民のひがみだろう。もう1つのみどころであるアンティクヴァリウム(Antiquarium)は、どういうわけか入ることが出来なかった。博物館の内部は入り組んでいて、何度か迷いつつも何とか外に出られた。


 その後、早めに昼食にする。昨日食べ損ねた白ソーセージ(Weiss wurst)をどうしても食べたかったのだ。Zum Spöckmeierという店に行き、

白ソーセージ2本とマッシュポテトの盛り合わせ
を注文した。なるほど、臭みのない淡白な味わいでとても美味しい。皮は食べないものらしく、中身だけ取るのにやや苦労するが、実際には皮ごと食べても美味しい。期待に違わぬ味で、これで20DMならば大満足である。
 市庁舎の仕掛け時計を見た後、SバーンでIsartor駅へ向かい
ドイツ博物館
(Deutsches Museum)へ行く。ここは、地下掘削から人工衛星までありとあらゆるドイツの科学技術を展示しているという博物館だ。10DM支払って中に入る。何でも、全長17kmに及ぶとかで、とても全部は見切れないので、興味のある分野に絞ることにした。まずは航空工学の部門に行くと、いきなりMe262が展示されていた。しかも、その上にはMe163という、マニアックな展示が目を引く。その他、ドイツの数々の名機が展示されていた。しかも、エンジンや胴体の一部の装甲をはがし中を見られるようにする念の入れ様である。照明が暗く写真を撮れないのが残念極まりないが、長年の憧れであったMe262に思わぬ形で会うことができとても嬉しかった。それにしても、
V2ロケット
まで展示してあるのは如何なものかと言わざるを得ないが。その他、架橋技術の展示では『ワルキューレの騎行』をBGMに(!)明石海峡大橋の工事について説明したビデオを流したり、Uボートの最初の形式の実物を保存していたりと、君たちちっとも懲りてませんネという雰囲気を感じざるを得ない、とても楽しい博物館だ。天文学のコーナーでは、惑星や宇宙の説明もそこそこに重力の原理や電波望遠鏡の原理などについて説明してしまうあたりも微笑ましい。3DM支払ってプラネタリウムも楽しんだ。


 ドイツ博物館を出て、ヨーロッパ有数の博物館であるピナコテークに行くために、Isartor駅からKarlsplatz駅に行き、そこから市電の27番線でPinakothek駅へ向かう。それにしてもミュンヘンの市内交通は、SバーンにUバーン、市電まであってややこしい。それはともかく、ピナコテークは古典芸術を扱うアルト・ピナコテーク(Alte Pinakothek)と近代芸術を展示しているノイエ・ピナコテーク(Neue Pinakothek)に分かれているのだが、時間と興味の関係でノイエ・ピナコテークだけにする。といいつつ、ノイエ・ピナコテークのカフェで一休み。アップルパイとカプチーノが美味しかった。絵の展示は…正直言ってよく分からない。ゴッホの『ひまわり』くらいしか知っている絵はなかった。内部の構造も複雑で、何度か迷子になりかけた。ここよりもドイツ博物館の方がよほど楽しかった自分について少々考える。
 マリエン広場に戻り、本日最後の仕掛け時計を楽しんだ後、ビール好きの殿堂といわれる

ホーフブロイハウス
(Hofbräuhaus)に行ってみる。出来るならここで簡単な夕食を…と思っていたのだが、店内は既にお祭り騒ぎでとても1人で入れる雰囲気ではない。仕方なく、その辺りにあるサッカーショップなどを冷やかした後、レジデンツの向かいにあるZum Franziskanerにてサンドイッチを買って夕食とし、ホテルに帰った。
 明日はフュッセンへの移動なので、例によって荷造りをして早めに寝る。
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