Die Romantische Straße

 6:45に起床し、身支度を整えて朝食後、チェックアウトして駅に戻る。ここから、ロマンティック街道を北上するヨーロッパバスに乗った。乗客は5人ほどしかいない。8:00に出発。いよいよ、世界に名高いロマンティック街道(Die Romantische Straße)の旅である(ただし、終点から旅をしている)。
 フュッセンを出ると、のどかな農村風景が続く。中世の頃からそれほど変わっていないのではないかと思わせるような風景である。8:30頃にヴィース教会(Wieskirche)にて小休止。

外見
はごくありふれているが内部はロココ様式の最高傑作とされ、世界遺産にも指定されている。日曜午前のミサが開かれていたが、見学させてくれた。なるほど、とてつもない装飾で聖書の世界が描かれていた。たまたまオルガンの演奏が入ったときなど、見事な宗教的効果を発揮し、この私ですらくらっときた。思いがけず、いいものを観ることが出来た。
 その後も、途中の街で1時間に1回程度小休止を取ってくれるし、街に近づくと英語と日本語でその町の説明を流してくれる。とても親切なバスだ。
ランツベルク
(Landsberg)をはじめ、どの街もとても美しい。ロマンティック街道といわれる所以である。
 12:00頃にロマンティック街道最大の都市アウクスブルク(Augsburg)に到着した。ここから日本人が多く乗り込み、乗客の大半が日本人となる。ちょっと気味の悪い光景ではあるが、日本人に人気の高いところなので仕方ない。12:30にネルトリンゲン(Nördlingen)にてバスを乗り換えた後、旅は続く(予定では次のディンケルスビュールにて乗り換えのはずだったのだが…)。この辺りは工場地帯もあり、あまり見ていて面白くない風景が続く。ガイドさんがロマンティック街道の所以(50年前にアウクスブルクの当時の市長が提唱したのだそうな)や歴史などを英語で説明してくれる。その中には、第二次大戦における街の破壊にも触れられていて、『我々の愚行への当然の報いでした。再建した人々には心から敬意を表します』と言っていた。とんだところで歴史教育である。
 13:00にディンケルスビュール(Dinkelsbühl)に到着。ここは、幾度の戦禍を免れ
中世の街並み
がそのまま保存されている街だ。ここで昼食休憩となり、バスの中で予約をした人はそのまま昼食となるが、予約をしなかった私はそのまま街へ繰り出した。
ドイチェスハウス
(Deutsches Haus)などの切り妻屋根のドイツ風の建物が美しいし、
城壁の外
の風景も中世の昔を十分に偲ばせてくれる。大きな通りをざっと歩いてみたのだが、何処を撮っても絵になる
である。ただし、自動車が邪魔だ。進入禁止にして欲しいところだが、住民の暮らしもあるのだから贅沢は言えないところか。
 14:00に再び出発。14:50には今日の目的地であるローテンブルク(Rothenburg)に到着した。まずは
Hotel Rothenburger Hof
にチェックイン。なんと、バス停の真横であった。また、このホテルには別館があり、別館の358号室に案内される。照明は暗いがまあまあか。荷物を置いて、ローテンブルクの街を散策する。


 ローテンブルクはロマンティック街道最大の人気を誇る街で、中世の街並が良く残っているところである。ただし、第二次大戦で40%以上が破壊され、大半は戦後に再現されたものである。

レーダー門
(Rödertor)をくぐると、そこには中世の都市の風景が広がっている。通りを歩いていくと、
マルクト広場
(Markt)に出る。ここは、中世都市国家の中心となったところで、市役所などが面している。また、
市議宴会館
(Ratstrinkstube)なんてのもあるが、ここには伝説がある。スウェーデン軍に取り囲まれた街が降伏した際に、スウェーデン軍の将軍が『特製の杯(3.5l)に一杯のワインを一息で飲み干せる者がいたら街を焼き払うのを許してやろう』と言い出し、時のヌッシュ市長が受けて立って見事に一気飲みを成し遂げ街は破壊を免れたのだそうな。
 そのおかげか、街の何処を観てもとても絵になる。シャッターを押しまくってしまう街だ。中でも、
プレーンライン
(Plönlein)は、ドイツでも最も美しい一角といわれている。
 さすが人気観光地だけあって、お店も特徴あるものがいくつもある。例えば、
ケーテ・ウォルファルト
(Käthe Wohlfahrt)はクリスマス・グッズを中心に扱っていて、一歩入ればそこはヨーロッパのクリスマスである。ディズニーランドのアトラクションにいるような気がした。
 ところで、ローテンブルクの正式な名前はローテンブルク・オプ・デア・タウバー(Rothenburg ob der Tauber)"タウバー川上方のローテンブルク"という。他にローテンブルクという街があるためだが、この街が
崖の上
に築かれているということも示している。また、この街も城壁に囲まれているが、
その上
を歩くことも出来る。かわいらしいだけではない、中世の街のいま一つの面である。
 この街は典型的な観光地だけに観光客も多い。中でも、日本人の団体をよく見かける。そのせいか、お店でも日本語の案内やメニューを出しているところが多い。英語の次に日本語をよく見かける。一方、フランス語やイタリア語をほとんど目にしないのはなぜだろうか?
 18:30にホテルに戻り夕食。他のホテルと値段が同じで夕食を付けることが出来たので、予め予約しておいたのだ。メニューはごく普通のロールキャベツ。ところで、夕食を摂っているときに日本人の団体がバスで到着したのだが、まあロビイで騒がしいこと。その上、こちらが食事しているのをじろじろ眺めたりと、失礼この上ない。ガイドさんの説明を聞いてみたのだが、箸の上げ下ろしまで指示されそうな勢いだった。まあ好き好きだしね。
 この旅も終わりに近づいてきた。明日は、昼間はローテンブルクを観光し、夕方にヨーロッパバスで、最後の訪問地となるハイデルベルクに向かう。
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