Vilnius

 2年ぶりの夏の一人旅、今回はかねて行きたいと思っていたバルト三国を周ることにした。夏休みの日程の決定が間際だったので、多少割高になっても確実に手配しておくべきと考え、以前依頼したロシア旅行社を使ったのだが、結局全ての手配が完了してVoucherを受け取ったのは出発の5日前、しかもそのVoucherにもミスがあって2日前に修正させるという慌ただしさ。
 今回は、バルト三国にその日のうちに到着できるという利点に着目し、FinnAirを使った。このように、使う航空会社を固定できないので、マイレージが貯まらないのが困りものである。10:55発のAY074便でまずはヘルシンキへ向かう。幸運にも、壁と向かいあった通路側の席という(エコノミーでは)最高の条件の席を確保でき、よく眠ることが出来た。機内食もなかなか良かった。
 定刻(15:20)よりも約50分も早く、14:30にヘルシンキに到着。ヴィリニュスへの便(AY6874)の出発時刻は20:45なので、6時間近くも待たされる羽目になる。(もっとも、タリン→ヴィリニュスの南下ルートを取ると、帰りのヘルシンキで11時間も待たされる羽目になるのだが。)といってヘルシンキの街に行くわけにもいかず、空港で時間潰しするしかない。早く到着してこれほど嬉しくないというのも珍しいのではなかろうか。
 ヘルシンキ国際空港は、設備も新しく、小さいが上手くまとまっている分かり易い空港だ。なぜか日本人の団体が多いが、恐らくヨーロッパの他の地域への中継点となっているのだろう。時間が有り余っているので、今後のTo Doの再確認をし、改めて頭に叩き込む。ついでに、帰国便のリコンファームをし、スケジュール表と発券された航空券で違っているタリン→ヘルシンキ便の出発時刻の再確認をしておいた。
 両替所もあるので、ついでにリトアニアの通貨(リタ・Lt)を作っておこうと思い窓口にかけあうと『フィンランドマルクを経由する二重交換となり、手数料が余計にかかるからお勧めしませんよ』とのこと。いったんは止めたのだが、やはり夜に到着する異国での現地通貨の心強さと、ここで夕食を摂るためのフィンランドマルクの必要性を鑑み、$40相当の120Ltと$10相当の74Fimを作った。
 ひたすら時間の経つのを待つ。日本人の姿も徐々に減っていく。高緯度に位置する国だけあって、19時になってもまだ陽が高い。太陽を追いかけるような旅程なので、いささか奇妙な感覚である。20:15にようやくBoardingの案内があり行ってみると、いつの間にやら便名がTE139と表示されている。共同運航便とは聞いていたのでもしや…と思ったら、やはりリトアニア航空の便であった。しかも、そこにあるのは双発の

プロペラ機
。もしかして、これってイリューシンとかいわねぇよな…という思いが頭を過ぎる。乗り込んでみると、座席は3列しかないものの、とりあえずシートベルトはある。Safetyを見てみると、機種名はSAAB2000とのことで、スウェーデン製なら…と一安心。フライトは、プロペラ機独特の音と振動以外は快適で、短いフライトにも関わらず軽食も出たので満足。ついでにマイレージプログラムの申込をしておいた。
 21:00(時計がさらに1時間戻る)にヴィリニュス空港に到着。小さな古びた空港で活気もない。入口を入るとすぐにPassport Controlがあるが、カウンターが2個所しかなく、さっさと並んで早めに通過する。すぐにBaggage Claimがあり、荷物を待っていると、何と2個目で出てきてすぐに受け取り、出口へ。すると、手配しておいたtransferの人が私の名札を持って立っていたので、すぐに車へ。車の中でVoucherを見せ、明後日のヴィリニュス→リーガのバスのチケットを受け取った。(リーガ→タリンのバスのチケットはリーガのホテルのカウンターで受け取れとのこと。大丈夫か…?)大したトラブルもなくまずは一安心。もっとも、現地側には私が女性として伝わっていたらしいのが一抹の不安ではあるのだが。
 空港から市街への道筋も活気がなく、オレンジの街灯の間隔も広くて街全体が薄暗い。スーパーマーケットやATMもあるのだが、何となく怖さを感じる。この怖さは、以前にアテネやモスクワ、サンクトペテルブルクで感じた怖さと同種のものだ。市街へ入っても雰囲気は変わらず、21:30というのに人通りもあまりない。どうやら、ヴィリニュスでは油断せずに過ごしたほうがいいようだ。予約しておいたホテル"Rudninku Vartai"へ無事にチェックインし、205号室へ。清潔なシングルの部屋だが、部屋のメインの電灯が点かないのはご愛敬。

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