Tallinn

 07:20に起床。08:00に朝食を摂って

ホテル
を出る。今日も快晴。
 タリンの旧市街は、城などがある丘のトーンペア(Toompea)と商人や職人の町に分かれている。ホテルから北東に5分ほど歩くとトーンペアの入り口にさしかかるので、まずは坂を登る。観光客はまだ出てきていないだろうと思いきや、ノルウェーか何処かからの団体観光客のグループがたくさんいる。ヘルシンキから船でわずか2時間ということだから、日帰りツアーでも組まれているのだろう。
 まず目につくのは
『のっぽのヘルマン』
(Pikk Hermann)と呼ばれている塔。もちろん、エストニア国旗を掲げている。さらに登ると
トーンペア城
(Toompea loss)の表玄関に出る。現在でも議会や政府機関として使われているので中に入ることは出来ない。その正面にはロシア正教の
アレクサンドル・ネフスキー寺院
(Aleksander Nevski katedraal)がある。美しい建物ではあるが、独立したエストニア議会の前にロシア正教の教会があるというのも皮肉な話ではある。
 トーンペア城の前の通りを北上すると
大聖堂
(Toomkirik)に出る。この周辺には昔ながらの建物が多数残っているが、修繕されず壊れかかっているものや落書きされたものが多いのが残念である。
 アレクサンドル・ネフスキー寺院の横からは、下町に続く長い坂道の
ピック・ヤルク通り
(Pikk jalg)が延びている。ピック・ヤルクとは『長い足』の意味だそうで、カフェの
雨樋
もそれをモチーフにしている。この坂道を降り、左手のヌンネ通り(Nunne)を辿って、トーンペア北側の階段を登って展望台へ。ここからは、塔の多いタリンの
風景
がよく見渡せる。登りの疲れを忘れさせてくれる景色だ。
 ヌンネ通りを戻り、町の中心にある
ラエコヤ広場
へ。広場に面して
旧市庁舎
(Raekoda)が建っている。ただ、ここの名物の塔は修繕中だった。町の中心に広場があり、そこに市庁舎が置かれるという、典型的な中世ドイツの街並みだ。ここからピック通り(Pikk)を中心に、まずは街の北側を観て周ることにする。
 旧市街の街並みは、まさにドイツ的な街並みだ。もともと、タリンはドイツの影響下で作られたらしいので、当然といえば当然の話だ。今日は祝日なので、全ての建物がエストニア国旗を掲げている。10年前の今日、エストニアはソヴィエト連邦からの独立を宣言したのだそうな。
 街の北側にある
聖オレフ教会
(Oleviste kirik)は特徴的な尖塔を持っている。何でも、巨人に作らせたのだそうな。あちこちの
裏通り
を歩く。朝にいた団体観光客もいつの間にか消え、なかなかいい雰囲気。
 ラエコヤ広場に戻ると、子供たちが合唱を披露していた。記念日のイベントだろう。ただ、リーガで聴いたような心を打つものではなかった。街の南側へ行き、トーンペアの階段を登って城壁へ。ここには
ネイツィトルン
(Neitsitorn)という塔が残っていて、この中にカフェがあるので、ついでに昼食を摂る。この近くにある
聖ニコラス教会
(Niguliste kirik)も塔が修理中だった。
 再び北側へ行き、北端にある
『ふとっちょマルガレータ』
(Paks Margareeta)という塔へ。もともと砲塔として建てられたもので、外観から一目瞭然といったネーミングである。ここから、昨日着いた港へ行って海を観ようと思ったのだが、かなり回り道をしなければならないようなので諦めて旧市街へ戻る。この近くに
『三人姉妹』
(Kolm Ode)という15世紀の住宅がある。リーガにも同じようなものがあったような…
 観光ポイントは概ね周ったので無目的に散歩。タリンは幽霊で有名らしく、幽霊という意味の
"Vaimu"という通り
や、
修道僧の幽霊が出るという屋敷
悪魔の結婚式が行われたという家
などがある。
 タリンは、ヴィリニュスやリーガよりもさらにあかぬけていて、ほとんどドイツの観光地といった趣だ。アメリカはじめ各国から観光客が来ていて、アジア系の人たちも見られる。日本人にも初めて会った。英語も問題なく通じるし、カードを使える店も多く便利なのだが、店の看板やBGMとして大音量で流されているポップスが雰囲気をぶち壊しにしている。便利さを残しつつ、エストニア独特の旅情を残してほしいものだが… お土産店も多いのだが、いかんせん扱っているものが琥珀かセーターなので、買いたいと思えるものがない。
 16:00頃、ラエコヤ広場に民族衣装を来た子供たちが集まってきたので何かあるのかと思い待っていたのだが、いきなり雨が降り出した。当然何のイベントもない。最後の最後で雨に降られるとは…と思ったが、リーガやヴィリニュスで降られるよりはいいだろう、と自らに言い聞かせる。雨が止む気配もないので、早めに夕食を摂って休もうと思い、ガイドブックで目をつけておいたカフェに行ってみるがこれまた代替わり。仕方がないので昨日と同じ店に行ってHoney Grazed Chickenにする。鶏肉のクリームシチューにライスを添えたものでなかなかだった。
 風景はとてもいいのだが、塔の修繕や観光地化などのこともあり、正直に言ってタリンは一度来れば…という感を否めない。直前のリーガがあまりにも鮮烈な印象を残しているせいもあるのだろうけど…
 BBCによれば、どうやら東京に台風が接近しているらしい。無事に帰れるのだろうか?

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