シーラーズを発つ日なので、まずは荷造り。その後、まだ観ていない旧市街に行こうと思いホテルを出ると、昨日のタクシードライバーがまたもたむろしている。『今日の予定は? パサルガダエに行かないか?』などと声をかけてくるが、あまりタチの良さそうな感じでもないし、そもそも出発日に遠出をする気はないので断る。
ザンドを左に折れ、
13:00にチェックアウトし、荷物をホテルに預けて、再び旧市街へ。ちょうどお昼の祈りの時間のようで、アザーンの響きが美しい。バーザーレ・ヴァキールの外側をなぞり、シーラーズ最古のマスジェドというマスジェデ・ジャーメ(『金曜の寺院』の意)へ。保存状態が悪く、タイルの色も落ちてしまっているのが残念。さらに進むと、土色の低層住宅が迷路のような
20:45にピックアップ。空港への道中、エージェントのおばさんがシーラーズの印象についていろいろ訊ねてくるので答えていく。かなりいい過ごし方を出来ているようだ。夜も遅いのだが、公園やインターチェンジの空き地の芝生(!)など、あちこちで家族連れやグループがシートを敷いて談笑している。夜のピクニックが大好きなのだそうな。ただ、黒いチャードルをまとっていきなり車道を横断するのだけは止めて頂きたい。近づくまで全く見えない。
空港に着き、テヘラン行きIR224のチェックインカウンターを探すが、まだ開いていないとのこと。何でも、この便はブーシェフル発テヘラン行きの途中立ち寄りで、しばしば遅れるとのこと。シーラーズからイスファハーンへ行くにはこの便しかないのだが、いかにも観光客が使いそうなフライトだし、もっと便数を増やしても良いのでは。
道中でイラン音楽について話していたので、空港内のCDショップでお勧めアルバムを教えてくれた。30,000Rls也。帰国後に聞くのが楽しみ。ついでに、アザーンを録音したいので時間を訊くと、日の出前・13:00・19:30頃の3回とのこと。『5回じゃないんですか?』と訊いたところ『それはスンニー派。シーア派は2回を1回にまとめているの』という答えだった。
21:30にカウンターが開いたのでチェックインし、エージェントのおばさんと別れてボディチェックを受け、待ち合わせへ。ここでも、シーラーズ大学の教授というおっさんに話し掛けられる。話し方が講義をしているような面白いおっさんだった。
22:15にボーディング。機内に入ってみると、経由便だけに既に7割方埋まっている。床に新聞紙が散乱しているわ香辛料の匂いがするわで、もはや飛行機とはとても思えない。座席指定がなく好きなところに座れということだったので適当に座ると、ここでも注目を集める。疲れる。ところで、スチュワーデスが2人乗っていたのだが、どちらもかなりの美人。チャードルで顔と手(腕は見えない)以外が隠れてしまっているのが残念ではあるが、一方ではこのチャードルが女性の美しさに対する思いを掻き立てるような要素もあるなぁ…などと考えられるようになっているあたり、私もイスラームの奥深さに触れつつあるのかもしれない。
定刻より20分遅れの22:30に離陸。イスファハーンも経由地なので、寝過ごすとテヘランに行ってしまうので、眠くはあったが何とか起きていようと努力をする。と、1時間10分のフライトにもかかわらず軽食が出た。ただし、着陸までゴミ回収をせず、テーブルを元に戻すためにゴミを床に捨てざるを得なかった。おそるべし、イラン航空。これでマイレージさえあれば…
23:45にイスファハーン空港に着陸。(エスファハーンEsfahanと表記されることも多い。ここでは、航空券の表記と空港の略字に従い、イスファハーンIsfahanと表記する。)ここでエージェントと合流し、いつもの通り荷物を受け取ってホテルへ。00:00過ぎに"Ali Qapu Hotel"へ到着し、パスポートを預けてチェックイン。日曜のピックアップを打ち合わせて103号室へ。この部屋も広くてよい。
TVをつけるとCNNはSep. 11th memorial特集だけを流していた。昨年の今頃は、私もTVから流れる映像に釘付けになっていたことを思い出す。あれから1年後に、まさかイランで国内線に乗っているとは当時は思いも寄らなかったことだ。他のチャンネルに回すと別の番組を放送している。少なくともここイランでは『世界的大事件』という扱いではないようだ。