05:20に起床。まだ夜も明けていない。身支度を整えてチェックアウトし、エージェントを待つ。06:30にエージェントがやってきて空港へ。途中に夜が明け、印象的な
を見ることが出来た。
イスファハーンの空港は改装工事の最中らしく、とても使いづらい。チェックインカウンターも1つしかなく、いくつものフライトのチェックインを捌いているのでなかなか怖いものがある。国際的に有名な観光都市の空港とはとても思えない。改装により使いやすい空港になることを切に願う。ついでにいえば、空港の駐車場のど真ん中にまでマスジェドを造るというのはいかがなものか。
エージェントと別れ、セキュリティチェックを受けて待合に入る。テヘランの国内線空港をぼろいと書いた記憶があるが、ここで下には下があるということを思い知らされた。ボーディングカウンターも1つしかなく、その上にある時計は06:15を指したまま止まっている。正面にある電光掲示板はわけのわからないアラビア文字ばかりを繰り返して表示している。たった一つ表示される英語が"In the name of the God"であることから類推しても、恐らくアラビア文字でも似たようなことを書いているのだろう。
当然、いくつものフライトを使う客が一個所に集まってしまっているわけで、ボーディングの案内の度に混乱する。アナウンスの英語もひどい訛りで、全く聞き取れないので、とりあえず人が並んだら私も並んでみて、近くの人に行き先を訊いてみることにした。1回目の案内が出発予定時刻の30分前だったので並んでみると隣の客から『○○島(よく聞き取れなかった)行きだよ』と教えられる。ちなみに、イラン航空のボーディングチケットはフライト毎に色分けされているので、自分と同じ色のチケットを持っている人についていけばまず間違いない。2回目はアフヴァーズ行きで、テヘラン行きはまたも遅れているようだ。隣の人に訊いても理由の説明はないという。今回の旅ではよく飛行機が遅れる。
08:20にようやくボーディング。と、ここで思わぬ光景に出くわした。イスファハーン空港の滑走路はイラン空軍と共用しているのか、突如MIG-21が着陸したのだ。以前モスクワで展示されている機体を見たことはあるが、まさか着陸の瞬間を見られるとは…! しかも、砂漠迷彩であり、堪らないものがある。これでイライラが吹っ飛ぶのだから単純なものだ。しかし、まだMIG-21が現役なのだなぁ。乗り込むと、機内アナウンスは"In the name of the God, we welcome you..."などと呑気なことをいっている。神の名においてさっさと離陸しやがれ。
眠っているうちに離陸し、定刻より約40分遅れの09:40にテヘラン到着。それにしても、離陸直前もそうだったけど、着陸直後からいきなり携帯を使う人が多い。(イランでは携帯電話がかなり普及している。)いずれイラン航空機が携帯電話のせいで墜ちそうな気がしないでもない。待ってくれていたエージェントと合流し、テヘラン市内へ。
市街までの道は大渋滞。他の街と同様、割込み・追越し・駐停車・無謀横断は当たり前で、信号もあるにはあるのだがほとんど誰も守っていない交通無秩序。これでよく事故が起きないなぁ、と思ったら、やっぱり多いのだそうな。
ついでに、イスファハーンの絨緞屋について訊いてみる。やはり、『僕は店とは関係ないから…』という連中もしっかりコネがあるようだ。やっていることは誰も同じ、ということか。私の買った絨緞の値段については『平均的なところだと思いますよ』とのこと。
"Enghelab Hotel"(って『革命ホテル』^^;)にチェックイン。やはり出国に時間がかかるとのことで、出発3時間前の02:00にピックアップとなった。昼間に休んでおくしかない。
荷物を置いていったん外出。なるほど、テヘランの
はいかにも無機的・近代的だ。モスクワ市街から歴史的建造物を取っ払ったような感じか。唯一彩りを添えているのが、ビルの壁に描かれているホメイニー師をはじめとする革命関連の人物肖像画など。って、お前ら偶像崇拝は禁止じゃありませんでしたか? 撮影したいのはやまやまだが、警察官の数も多いのでなかなかチャンスが掴めない。でも、一番やばそうだったを撮ることに成功しました。
車のクラクションが喧しく、排ガスとビル建設の土埃もひどい。面白くも何ともない街なので撮影する気も起きない。しかも、やたらと広い街で歩く距離だけは長いという、何ともつまらない街だ。昼食を摂って休むことにし、ヴァリーイェ・アスル広場近くの"Agha Bozorg"へ。実質的に最後の食事となるので、やはりアーブ・グーシュト(ディー・ズィーと呼ばれることも多い)にする。良い味が出ていた。帰国後もたまに食べたいものである。サフランアイスとチャーイをつけて19,000Rls也。
排ガスにまみれつつホテルに戻り、日記を整理し、テキストを別媒体にも保存して荷物の整理。けっこう増えてしまっている。明日は早朝から最後の難関・出国手続きが待っている。気合いを入れていかねば。
19:30になり、アザーンが流れる。恐らく、イランで耳にする最後のアザーンであろう。近代的な都会の街角にアザーンが流れるという情景は、何ともいえない不思議な感覚だ。G.A.エフィンジャーのブーダイーンシリーズのような、近未来のイスラーム圏を舞台としたSFなんぞを読みたいものだ。
ところで、イスタンブールでの待ち時間が10時間もあるので、市内へ出ることも可能らしい。私も当初はそうしようかと考えていたのだが、けっこう疲れているので、空港でぼーっとしていようかとも考えている。
Next Page
Return to Index