08:00に起床。昨日でキエフの主な見所はほぼ全て廻ったので、今日はぶらぶらと過ごす。まずは、昨日いい写真を撮れなかった聖ミハイル修道院を再度目指す。旧ソ連圏の常で、大きな通りを渡るには地下街を通らねばならない。ここも例外ではなく、電灯は一部しかついていないし、怪しげな露天商がたくさん。これを観ると旧社会主義圏に来た実感が湧いてくる。ネザレージュノスティ広場を横切り、坂を登っていく。ここも建築中の建物が多く埃っぽい。と、小銭を落とすような音が耳に入り、後ろを歩いていたおっさんがしきりに話しかける。もしかするとキエフ名物(?)『財布落とし詐欺』かもしれない、と思い、相手にせずに足を速める。ほどなく諦めてくれたからいいようなものの…
登りきったところが聖ミハイル修道院。中に入ってみると、今度は太陽の位置も悪くなく、そこそこ満足できる
を撮ることが出来た。一見不揃いな塔の配置が全体として調和を与えるデリケートな建築だ。写真に満足したので出ようとすると、警備員に『出口は向こうだ』と指示される。どうやら、気づかずに従業員通用口を使っていたらしい。
ウラジーミル通りを進み、アンドレイ教会へ。ここも、昨日とは光の当たり方が違っており、色合いが昨日と微妙に違うような気がする。(・) さて、この周囲はお土産の露天商がたくさん集まっている。旅行中、常に頭を悩ますのが周囲への土産である。自分のは好みでぱっと買えば終わりだが、周囲に対しては、邪魔にならず、しかもありきたりでない、その土地ならではのものを…となるとかなり難しいのだ。ソヴィエトやレーニンを揶揄したTシャツも捨て難いのだけど、今回はご当地のサッカークラブ『ディナモ・キエフ』のTシャツとした。私はよく分からないが、けっこう有名なチームらしい。6枚で計150hr也。Tシャツを持って街歩きをするのも面倒なので、いったんホテルに戻ってTシャツと上着を置いていく。ついでに、$50を266hrに両替。(街中に両替所があるが、レートはどこも大差なし。)
最後に残った見所であるウラジーミル聖堂に行くため、フレシチャーティク駅から地下鉄でウニヴェルスイテット駅へ。この駅がさらに深くなっているようで、約3分のエスカレーターに2回乗ってようやく地上へ。中央に並木道を配したタラス・シェフチェンコ大通りを辿っていくと聖堂が現れる。ここもが特徴的で、中央のドームは金、そして周囲のドームは青地に金の星で装飾された、何ともロマンチックな外観だ。しかし、ここも木々で覆われて良いアングルがつかめず、中央の並木通りからようやく隙間を見つけてした。ここも、内部は金を下地とした装飾で飾られており、ドームからが見下ろしている。しかし、他の教会と違いここの装飾は、蔦などをモチーフとしており現代的。への光の入り方も計算されつくしているとみえる。
聖堂を後にしてシェフチェンコ通りを歩き、さらにウラジーミル通りへ。建物が大きいせいか、あまり進んでいる気がしないのにやたら疲れる。の前にあるというレストランで昼食を摂ろうと考えていたのだが、見事に閉鎖されていた。フレシチャーティク通りに出れば何とかなるだろうと思い歩き続ける。途中、万人の友・中華料理店を見つけたが、珍しく(?)豪華な造りで気後れしてしまいパス。フレシチャーティク通りに出ても、ビールを出すような店ばかりで手軽に食事を出来る店が見つからない。13:00を過ぎてしまい、諦めて適当なカフェに入ってとりあえずケーキを食べる。
いくつかショッピングセンターに入ってみる。なぜか、地下に近代的なセンターが出来ている。ネザレージュノスティ広場だけでなく、前の広場の地下から通り沿いに大きなショッピングセンターがある。品揃え・雰囲気ともに米国のそれにそっくり。フードコートもあって、ここで食べればよかった…と少々後悔。一方、昔ながらのは意外に狭く、食材がメインということもあってか活気がないのが残念だった。
近くのプローシチャ・リヴァ・トルストホ駅から地下鉄でポディール地区の中心となるコントラクヴァ・プローシチャ駅へ。古くからの下町の雰囲気を是非見てみたかったのだ。しかし、いざ着いてみると、露天商やたむろする人々で何ともいえず饐えた雰囲気となっており、カメラを出すのも憚られるほど。早々に退散し、17:00も過ぎたので、キエフ在住の方が作っておられると思われるこのサイトに載っているに行って早めの夕食を摂ろうと思い、再び地下鉄に乗ってウニヴェルスイテット駅へ。真っ赤に塗られたの前にある公園の中にある店である。入ると、ウクライナ語で挨拶されて一瞬面食らった。これまで、ほとんどロシア語ばかりを耳にしており、便利フレーズ『パジャールスタ』で用が足りていたのだ。うっかりロシア語で返してしまうと、その後はロシア語となった。メニューには英語も掲載されており、まずは美味いというヴァリニキ、それに『ウクライナ・エキゾチック』なるものと『ナポレオン・タルト』を注文。まず運ばれてきたのは『ウクライナ・エキゾチック』。これは、鶏肉をココナッツで包んで揚げたものに、苺・マンゴーなどを絡めたヨーグルトソースをかけまわしたもので、フルーツの風味が美味。メインだと思っていたのだが、どうやら冷前菜だったようだ。ただ、食べているうちに気がついたのだが、フルーツって残留放射能が最も高くなるんだよなぁ。続いてヴァリニキが運ばれる。皮の厚い餃子のようなものだ。中身は、茹でたジャガイモ、あるいはマッシュルームの2種類。何かのベーコンとキャベツのようなものがかけてあり、塩味ベースでなかなか美味しい。これは温前菜なので、前菜2つという奇妙な注文となってしまったが、ヴァリニキもけっこう重く、これを前菜というのは無理があると思う。計61hr也。ウニヴェルスイテット駅へ戻り、フレシチャーティク駅まで地下鉄で行って、最後に夕暮れのフレシチャーティク通りとネザレージュノスティ広場の名残を惜しむ。人出も増えてきている。
ホテルへ戻りシャワーを浴びると、疲れか朝晩の気温差にやられたのか、やや風邪気味。喉も痛い。風邪薬を飲んで早寝する。
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