今日は、西湖の西側にあるポイントを中心に観て廻ろうと考えた。ホテルを出て、まずは西湖の南西にある『花港観魚(Hua Gang Huan Yu)』へ。ここも公園となっており、たくさんの赤い鯉が泳ぐ『紅魚池』が有名とのこと。しかし、実際に
に行ってみると、赤い鯉なんかいやしない。むしろ、途中にあったのほうが印象に残った。ここの池には赤い鯉もいたし。なお、公園のあちこちで散水機が作動していたのが、勢い余って通路にまで水をぶっかけていた。
てくてく歩くと、西湖の西側を南北に続くに出る。詩人・蘇東坡が築いたためにこの名があるそうな。ここの景色は『蘇堤春暁(Su Di Chun Xiao)』とも呼ばれ、春の朝の霞の中、柳の枝に鶯が鳴く情景が素晴らしいとのこと。約3kmの堤を北に向かって歩く。終わり近くになって堤の西側に現れるのがである。ここはたくさんの蓮が自生しており、蓮の花が咲いている頃はさぞ美しいことであろう。
曲院風荷の北を通る北山路(Bei Shan Lu)を東へ少し行くとがある。岳飛(Yue Fei)という北宋時代の将軍を祭った廟だそうな。彼の墓標もあるのだが、それよりも墓標の前にある4体のに驚かされる。岳飛の妻をはじめ、彼を裏切って死に追いやった者達だそうな。死後何百年もこうして恥さらしにするとは、執念深いことではある。
この近くにある『岳廟』バス停からY2路バスに乗り、2つ目の『洪春橋(Hong Chun Qiao)』バス停にて降りる。ここの近くに『双峰挿雲(Shuang Feng Cha Yun)』があるためだ。雲に隠れる2つの峰が美しい、とされているのだが、行ってみても繁みばかりで何も見えやしない。(西湖に浮かべた船からこの方角を見る、という話もある。)仕方がないので
を撮ってバス停に戻った。
再びK7路バスに乗り、終点の『霊隠(Lin Yin)』へ。ここは、328年に開かれた古刹『霊隠寺(Lin Yin Si)』と、岩肌や洞窟にたくさんの仏像が刻まれた『飛来峰(Fei Lai Feng)』がある。入り口近くで25元の入場券(磁気カードになっている)を買って入場。右側には寺の黄色い壁が、左側には仏像の刻まれた岩肌が続く。(・) 右側に霊隠寺の入り口が見えたので、追加の入場料20元を払って中へ。大きな建物の中に、これまた大きな仏像が納められている。仏像は金を貴重にしつつもなかなか派手だ。これまた大きな線香を持った人たちが一心に祈っている。建物の反対側に出ると、少し階段を登ったところに新しい建物が見えてきた。この中にも先ほどとは違った大きな仏像が納められている。この反対側にも、少し上にまた新たな建物が… 山の一面がそのまま寺になっているかのようで、なかなかタフな造りである。5つか6つくらいでようやく終点に着いたようだ。(・・・)
出口に着いたところでちょうど12:00, 都合の好いことに、ここには老舗レストランがある。ここは、名物料理の一つをつくりだしたところなので、もちろん注文はそれにした。これは、川エビの剥き身を茶葉と一緒に炒めたもので、茶葉によって臭みが抜けエビの甘みと食感がいっそう強調されている。美味。コーラをつけて86元。
龍井蝦仁を食べたところで、ついでに龍井茶の産地として名高い龍井(Long Jing)へ行こうと考えた。まず、Y2路バスで『洪春橋』バス停へ戻り、ここから反対方向のバス停で龍井へ行く27路バスを待つ。ところが、このバス停にいた婆あのせいでとんでもないことに。『何処へ行く?』と訊かれたので龍井と答えると、(ここからは筆談)『私の家は茶館をやっている。茶を飲んで茶葉を日本への土産に買わないか?』と言い出した。こんなところで売り込む婆あから茶葉を買う気なんかないので『龍井では観光をしたい。今日は茶葉を買う気はない。』と答えると、『龍井では観光なんかする必要はない。茶葉を買わないなら龍井へ行くべきではない。龍井へ行って茶葉を買うか、西湖で観光をするか、だ。』と繰り返す。しかも、自分の持っている紙がなくなったのか『メモ帳を出せ』だと。なんであんたの売り込みのために私のメモ帳を使わねばならんのだ? 紙がなくなれば諦めるだろうと思い、メモ帳を持っていないふりをすると、もう1枚紙を出してきた。持ってるのならこっちに要求するなっつーの。こんな婆あとやりあいながらバスを待つのは苦痛以外の何物でもないので、『では西湖に行く。』と言い残し、霊隠寺からのバスで降りたバス停に戻りY1路バスに乗った。料金は3元なのだが小銭の持ち合わせがないので5元札を出すと、釣りは出ないとのこと。踏んだり蹴ったりである。龍井にはあんな婆あみたいなのがたくさんいるのだろうか。最近中国茶に関心を持っている私としては是非行ってみたいところだったのだが、行く気が失せた。明日以降はどうしようかなぁ。
このバスは西湖の西側の通りを南に行くので、『浄寺(Jing Si)』バス停まで行き、『浄慈禅寺(Jing Ci Chan Si)』と『雷峰塔(Lei Feng Ta)』へ行くことにした。
は、その鐘の音をもってとして知られている。残念ながら、滞在中に鐘が鳴ることはなかった。 その向かいにそびえているのがである。1927年に倒壊してしまったが、2002年に当時の姿のままで再建されたのだそうな。上海明珠塔みたいにならなくて何よりである。塔には登ることもできるので、40元を払って入場券(磁気カード)を買った。塔の中の各階にはいろいろな流派の武道の達人が待ち構えており、彼らを倒さないことには上の階へ行けない…なんてことは全くないどころか、エレベーターで4階まで一気に行けてしまう。さらに階段を使って最上階の5階へ。眼下にを見晴らすことができ、風が心地好い。先ほどの嫌な気分も消えていく。
15:00を廻って茶を飲みたくなったので、20分ほど歩いて柳浪聞鶯へ。ここにはいくつかの茶館があるが、今日は西湖の畔にある<
へ入った。水辺の席を上手く取ることができ、を注文した。茶の香りとが何ともいえずに安らぐ。湯のお代わり自由で25元。
立ち去り難かったが、16:00になったので店を後にし、西湖大道を経て延安路(Yan An Lo)を南へ。突き当りには新しく整備された呉山公園がある。この東に、昨日行き損ねた『清河坊(Qing He Fang)』がある。昔ながらの街並みを再現し、土産物屋やレストランが軒を連ねている。悪くないのだけど、テーマパークにいるような気もした。(・) にはいい感じのところもあったけど。シルク物・茶葉・書画などを扱う店が多いが、どうも今ひとつしっくり来ない。似顔絵書きや胸像造りも何人かいるが、わざわざ金を払ってマズいツラの複製を作って家の中に置くような被虐趣味は持ち合わせていない。茶葉・茶器・小さな書の軸などを買いたいのだけど、どこでいいものを安く買えるのだろうか?
延安路を北へ2kmほど行くと仁和路へ出る。ここにも老舗レストランがある。17:00を廻ったところで少し早いが夕食を摂ることにした。ここでも杭州名物と、に(たまたま目に付いた)を注文した。西湖醋魚は、白身の川魚を煮込み、甘酢あんをたっぷりとかけまわしたもので、とろけるように柔らかい白身に甘すぎず酸っぱすぎないソースが絶妙。量が多いように見えるが、溶けるように食べることができる。ただ、小骨が多いので気をつけること。猫耳朶は、麺生地から猫の耳朶のような小さな塊を作り出したもの。塩をベースとしたスープも好い。ただ、これを『麺にして麺にあらぬ料理』といってはいけない。3点計で52元。
食事を終えると外はすっかり闇。西湖へ出ると、蝙蝠が飛び交っていた。
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