Suzdal / Vladimir

 08:30に起床。昨晩も快適に眠れた。今日からは旅の後半戦、徐々に帰国へと向かう旅程である。ウラジーミルへの移動と、ウラジーミルの"Hotel Erlangen House"でのパスポートの登録が本日のポイントである。
 まずはホテルのレセプションに向かう。と、そこにはまた違うおばさんが。『ぶい・がばりーちぇ・ぱ=あんぐりーすきー?』『にぇーと』…また後で来ることにして、まずは朝食。本日は快晴、陽射しが明るく、風はひんやりで、絶好の散歩日和。この天気が昨日であってくれれば…
 朝食を摂り終え、10:00過ぎに再びレセプションに出向く。そこに座っているのは先ほどと同じおばさん。こうなりゃ仕方がない、こんなこともあろうかと日本で作ってきたロシア語のスクリプトを組み合わせて会話を試みる。『や・はちゅー・あすたーびち・ばがーじ』(荷物を預かって欲しい)『だー』…第一関門突破。ここからが問題だ。『や・はちゅー・ぱいーち・ふ・うらじーみる、たくすぃー・ぱぢゃーるすた、あじーん・ちぇーすち』(私はウラジーミルに行きたい、タクシーお願いします、1時に)とやると、にこやかに『だー』…素晴らしい。ただ、『あぢーん・ちぇーすち』が通じなかったらしく、"11:00"と書いてきたので、それを消して"1pm"と書き直すが通じない。"13:00"と書き直したら分かってくれた。ついでに値段を訊くと"400P"とのことでこれも問題なし。


 懸案の第一段階を解決できたのでしばし

散歩
。今日も穏やかな朝だ。
スパソ-エフフィミエフ修道院
に向かい、カメンカ川にかかる橋を渡ると、昨日と同じじいさんが、昨日と同じ服装で、昨日と同じ場所で釣りをしている。暢気でいいですなぁ。坂を登って高台へ。
ポクロフスキー修道院
が良く見える。この
光景
ともいよいよお別れだ。ついでにスパソ-エフフィミエフ修道院に入ろうとするが、今日は入り口で『チケット買え』と。昨日は団体の一員と勘違いされただけだったようだ。中には入らず、ポクロフスキー修道院に戻って周囲をぶらぶら。
 11:45になったので、修道院内のレストラン"Trapeznaya"にて昼食を摂る。LPに『晩夏から初秋にかけてキノコが美味しい』とあったので、Stewed Beef w/ Mushrooms, Icecream w/ Jam, Teaを注文。Stewed Beef w/ Mushroomsは壷入りで出された。キノコの出汁が濃厚に出ていてコクがあり美味。まさに森の恵みだ。アイスクリームも濃厚だがしつこくない。紅茶もちゃんと茶葉から出していて全て満足。計280P也。
 食事を終えると12:50, いよいよスズダリを離れねばならない。最後に
修道院内
を一巡りした後にレセプションへ行くと『ちょっと待て』と。5分も待つと若い男性がやってきた。この人が運転手らしい。おばさんにお礼を申し上げて一緒にタクシーに乗る。名残惜しいが、さらばスズダリ。


 ウラジーミルまでの道をひたすら飛ばす。途中、20km/hくらいでのろのろ走るトラックに何回か出くわすが、この手のトラックも道を譲るということもしない。追越が当然の運転マナーらしい。30分ほどで "Hotel Erlangen House"に到着。400Pを支払う。
 ホテルの玄関を叩くと、先日とは別のおねぇさん。先日のおねぇさんはいない。あんなに念押ししたのに… しかもこの人はロシア語しか話さない。しかし、バウチャーとパスポートを見せるとあっさり分かってくれた。先日の隣の部屋(といっても、全部で4室しかないようだ)に案内される。ベッドは広くなったけど、荷物を開けるところがないんですけど… しかも、机もないんですけど…
 15分ほど後に1階に降りてパスポートを要求すると、登録を終えて返してくれた。これで本日の懸案は解決。こんなに上手く運ぶのであればもっと長くスズダリに居たかったような気もするが、上手く運ばないときのリスクを考えれば仕方のないことだ。少し居眠り。


 15:30頃に起きてTVをつけようとするが、何も反応しない。部屋の照明も点かない。今度は停電ですか? またも下へ降りて『えれくとりちぇすとば・にぇ・らぼーたえと』(電気が点かない)と伝えるが、おねぇさんは肩をすくめるのみ。全館停電らしい。仕方がないので部屋で本を読んで過ごす。ところで、一瞬建物に外に出た後に『もしこのまま夜になってスタッフが帰ってしまった場合、呼び鈴も反応しないので部屋に戻れないかも…』と考え、部屋の鍵を使って建物の鍵を試してみたところ開いた。(後にこの経験が役に立つ。)
 16:30に復旧したので、明日のために駅の様子を見るべく外出。20分ほどで

へ到着。旧ソヴィエト圏では見慣れた味気ない建物だ。時刻表を見るがプラットフォームの指定はない。列車の行き先などはなかなかすさまじく、北京やウランバートルからの列車もある。実は侮れない駅であった。プラットフォームは4番線までのようなので、明朝になればすぐに分かるだろう。
 ついでに、駅の前にある
バスターミナル
へ行ってみる。当初はここからバスに乗るつもりだったのだ。この中は列車の駅の構内よりもさらに手強い雰囲気。スズダリ行きの時刻表はすぐに見つかり、1時間に1本の割合で9番線から出ていることが分かったが、この雰囲気に気圧されてしまった。タクシーで正解だった。


 天気も良いので、夕食までの腹ごなしに散歩。再び

ウスペンスキー大聖堂
へ。金色の玉ねぎが夕陽を浴びて青空の中に輝いている。その横は展望台になっており、平原が見渡せる。空も大地も伸び伸びと広がっている。東も西も、ここから何千キロも大地が続いているのだ。大陸の大きさを少しだけでも実感できたような気がした。(

 ついでに
黄金の門
へ。ここも夕陽に輝いていて美しい。LPによれば、この門はキエフの門を参考に建てられたそうな。かつて、この門の下を何度軍勢が行き来したことだろう。
 18:00を廻ったので、先日も行った"Stary Gorod"にて夕食。昼に食べた料理の味が忘れ難く、日本ではなかなか出会えないであろうと思い、またもVeal Stew w/ Mushroom, White Bread, Icecream w/ Peach, Teaを注文。ここのシチューは壷ではなく金属の皿に盛り付けられてきたが、味付けは、”Trapeznaya"ほどではないにせよ悪くない。このキノコの味はなかなか日本では出会えないだろうなぁ。アイスクリームも標準を上回るレベルだ。計183P也。


 19:00過ぎにホテルへ戻る。明日は、07:25発の列車でモスクワへ戻る。絶対に寝過ごすわけにはいかないので、目覚まし時計を3つセットする。


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