Casablanca

 07:00起床。腹痛はほぼ消えたものの、まだ時々痛むことがある。厄介なことになってしまった。パンとコーヒーで朝食を摂り、08:10にチェックアウト。予定通り、08:30にドライバーがやって来て、車に乗ると5分ほどでマラケシュ駅に到着。隣で、新駅が建設中らしい。
 09:00発の列車に乗ることになっているのだが、これはどうやらフェス行きらしい。カサブランカで途中下車ということになる。いろいろな方面へ行く人が一気に乗るらしく、

プラットホーム
も大混雑。乗降口が狭いうえに、通路も大荷物を持った人がすれ違えるほど広くないので、移動にも一苦労。やっとのことで自分のコンパートメントに座る。私含め5人が乗り込んだ。10分遅れの09:10に出発。さらばマラケシュ。
 出発するやいなや、アホなおっさんが携帯電話で話し始めた。まぁ声が大きいこと、狭いコンパートメントに濁声が響き渡る。しかも、かけ終えるとすぐに別のところにダイヤルして話す…の繰り返しで、なんと約3時間の行程のほとんどを会話に費やしていた。私含め周りの人間の非難の視線にも一向に気づかない。携帯電話の功罪は一概に評価できませんね。無理に車窓の風景に心を向ける。(


 定刻より15分遅れの12:25にカサブランカ・カサヴォワジャー駅に到着。例によって私の名前を掲示してくれていたドライバーと合流し、約10分で、初日にも泊まった"Kenzi Basma Hotel"へ到着。ついにここまで戻ってきた。
 しばし休んで、13:15に再び外出。歩いて5分ほどで、カサブランカの中心ともいえる国連広場に出る。広場といっても、単に道が集まっているだけのことだ。まったく、近代的な都会そのもので、車のクラクションと排気ガスが凄まじい。運転マナーも悪く、横断するのも命がけだ。広場に面してハイアットホテルが建っていて、ここに映画『カサブランカ』のRick's Cafeを再現した有名なバーがあり、ここで昼食を…と思ったのだが、ガードマンに止められた。理由を話しても通してくれない。がっかり。
 『地球の歩き方』に出ていたフレンチレストランに行こうと思い、約1kmほど歩いてみる。風は涼しいのだが、陽射しは暑い。風の絶えた通りへ入ると急に蒸し暑さを感じる。店の前に行ってみると、なんとここも休み。何だかもうどうでもよくなってきて、広場近くのマクドナルドに行ってしまった。
 さて、カサブランカのほとんどは近代的な都会なのだが、広場に面した一角にメディナが残っている。

時計塔
の下に門があるので、行ってみた。確かに
スーク
なのだが、どことなく整然としている。フェスやマラケシュのスークほどの混沌とした面白さがない。ほどほどで門に戻った。


 さて、探しておきたいのが菓子屋だ。義理ある筋に持って行く菓子の詰め合わせは、空港で買ってもいいのだが、現地でわけの分からない表記のものを買っておくとウケを狙えるし荷物もかさばらない。しかし、フェスでもマラケシュでも、箱詰めの菓子を売っている店を見かけなかった。カサブランカならあるだろう…と思っていたのだが、やはり見当たらない。輸入物のチョコやクッキーの小さな袋詰めくらいしか売っていないのだ。モロッコでは、菓子を買うという習慣はないのだろうか。これも諦め、クラクションと排ガスにくらくらしながら、水を買ってホテルに戻った。ロビーで、カサブランカ最大の名所であるハッサン2世モスクのパンフがあったので見てみると、見学は"except on friday"… さらにがっかりする。部屋に戻って一休み。やはり腹痛は、悪くもならないが完治もしない状態


 今日は夕食がついていないので、自分で決めなければならないのだが、腹具合を考慮して、やはりホテルのレストランでハリラだけにする。ハリラはモロッコのスープで、いわばHot and Sour Soupに肉やら豆やらが入ってコクがあるもの、といえばいいだろうか。消化にはよさそうではある。このホテルのレストランはなかなか高級で、赤を基調としたシックな内装にambient風の音楽が似合う。感傷に浸りつつハリラを頂く。美味い。カフェ・オ・レをつけて、チップ込みで100DH也。ついでに、持参していたポカリスウェットの粉末を水に混ぜて飲む。栄養補給になればいいのだが。


 明日は旅行の最終日、15:00のピックアップで空港へ向かう。そして、ある意味で今年の旅行の最大の問題である、パリでの1時間の乗り継ぎが控えている。これはもう、神に祈るしかない。15:00までは自由時間なのだが、ハッサン2世モスクの見学も出来ないし、ぎりぎりまで部屋にいようか…


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