07:00起床。それなりによく眠れ、疲れも除れているが、なんといっても荷物のことが心に重くのしかかっている。シャワーを浴びて、08:15にレセプションに出向き、昨日のおねぇさんに、まず空港へ電話して状況を確認してくれるよう依頼。『13:00に、空港から電話が入り、荷物の状況を知らせてくれます。』とのこと。昨日より状況が後退している… 次に、現地旅行代理店に連絡して本日のピックアップを10:00から15:00に変更してくれるよう依頼すると、いろいろと話した末に『15:00に変更しました。もし荷物の状況により、さらに変更する必要があれば再度電話します。』とのこと。実に親切なおねぇさんだ。(アンナ・ターシェンコさんという。) さらに、チェックアウトは12:00なのだが、エクストラチャージなしで14:00まで部屋を使っても好いとのこと。このホテルに泊まっておいて本当に好かった。あとは、荷物がちゃんと届くことを祈るしかない。とりあえずは朝食を摂って腹ごしらえ。
本来、シンフェローポリはクリミア半島の各地に行くための中継点に過ぎず、これという見どころもないのだが、ここに足止めされたのも何かの縁、せっかくなので
を観にいくことにする。ホテル近くにとなっている通りがあった。なかなかに瀟洒な建物が並び、道路も舗装状態こそ良くないがゴミが散らばっているわけでもなく、明るい雰囲気のなかなか好いところだ。陽射しも明るいが灼けるというほどでもなく、風はややひんやりとして、歩くにはとても心地好い。ただ、犬があちこちで寝ている。野良犬らしいので、近づかないようにしておく。両替所もあちこちにあり、USD$50を247.50グリブナ(以下UAH)に交換しておく。水などを売るスタンドも多いし、クヴァスを売るスタンドまである。もっとも、今の気分ではクヴァスに挑戦できないが… 500mlの水を2.5UAHで買っておく。
歩行者天国からホテル前のを駅に向かって歩く。こちらは、緑こそ多いがはさらにぼろい。街のメインという感じはしない。2kmほど歩くと駅についた。さすがに旅行者が多く、でかいバックパックを背負ったのがうろうろしている。あのように、全ての荷物を手元から離さないほうがリスクは少ないのだが。"АВИАКАССА"があったので、帰りのシンフェローポリ→モスクワのフライトのリコンファームを頼んだのだが、アエロフロートは扱っていないとかで断られた。アエロフロートのフライトは全てリコンファーム不要のはずなのだけど、フライトキャンセル後の再予約であり、キャンセル前の航空券にべたっとステッカーを貼ってスタンプが捺してあるだけという代物なので、何となく不安である。アエロフロートのオフィスの電話番号をくれたので自分で電話してもいいのだが、リコンファームしたとしても意味はないかもしれない。ちょうどお昼時になったので、駅近くの売店でピロシキもどき?とコーラを計7.5UAHで買い昼食とする。
へ戻るとちょうど12:00, レセプションは別のおねぇさんに交代していたが、引継ぎがされているらしく『まだ電話は入っていません。13:00の予定ですから。』という。部屋に戻って一休み。エアコンがないので暑いが、窓を開ければ心地好い風が入る。
13:00になったのでレセプションへ出向くと、まだ電話が入っていないらしく、空港に電話をかけてくれる。15分ほどしたところで、おねぇさんから『荷物が見つかりました。いま空港で保管されています。自分で取りに来てくださいとのことです。』とのこと。空港からホテルまで届けてくれる、などということはないらしい。おねぇさんと相談の結果、すぐに空港までの往復のタクシーを手配することとした。空港まで約15kmで片道20~30分、空港での手続きがあったとしても、15:00のピックアップに十分に間に合うだろう。料金は55UAHとのこと。このおねぇさんもとても親切だ。
13:20にタクシーが来た。車に乗る前にチェックアウトをしておく。ドライバーはなんと左腕にナチス党紋章の刺青をしている。心配になったが、空港までの大通りを時速120kmでぶっ飛ばしてくれる。車にエアコンは入っていないが、窓からの風で何とか暑さをしのげる。13:35に空港に着いた。まず、出発カウンターでLOST&FOUNDを探すが、見つからない。2階にもそれらしいオフィスがないが、アエロフロートのオフィスがあったので、ついでにリコンファームを依頼する。問題なし、との返事でとりあえず安心。LOST&FOUNDは1階にあるとのことで、1階の警備員に訊いてみると、隅っこの目立たないオフィスを案内してくれた。中にはロシア語しか話さないおばさんが一人座っている。『ばがーしゅ』("Багаж")というとすぐにわかってくれて、いったんビルを出て到着カウンターに案内された。どうやら、この空港は到着カウンターと出発カウンターが別のビルに分かれているようだ。見覚えのあるバゲージクレームの奥にある一室に案内される。そこには、懐かしき我が荷物が鎮座しているではないか! 歓喜の極みである。さて、係官に昨日の税関申請書を渡し、荷物を全部開けてチェックを受ける。さきほどのおばさんに礼を言うと『ぎふと…らぼーた…』とか何とか返事をした。きちんと仕事をしたからいい結果が出た、ということだろうか? 空港に戻ることで、帰国便の再確認というもう一つの懸案事項まで解決できた。(まだ油断は出来ないが、私に出来ることは全てやった、というほどのことだ。)
到着カウンターを出ると14:00, 時間的にも問題なし。待っていてくれた先ほどの車に再び乗り込むと、またもぶっ飛ばして、15分ほどでホテルに戻った。祝儀をつけて60UAHを払った。レセプションのおねぇさんに再度丁重にお礼を言う。あとは15:00のピックアップを待つだけ。ついでに、2階にある給水器で水を補給しておく。
時間通り、15:00にドライバーがやってきた。いろいろお世話になって名残惜しいが、車に乗り込む。それにしても、シンフェローポリに泊まらずにいきなりヤルタに向かっていたら、どうなっていたことか。結果オーライではあるが、計画時にロストバゲージの可能性を計算に入れていなかったのは失敗である。ホテルの親切のおかげで、出発前は単なる中継点としか思っていなかったシンフェローポリの街が好きになった。
さて、これから約85kmのドライブである。車にはエアコンが入っていて、また一つ心配が消えた。今は物事が本当に上手く廻っている。
ヤルタまでの道筋は、小さな街や村を結ぶ国道のようなものらしい。曲がりくねりながら、山を登ったり降りたりを繰り返す。トロリーバス含め交通量も多く、かなり無理な追越を繰り返す。車線などという概念は存在しないらしい。ほとんどレース場である。一方、途中にはエンコした車が停まっていたり、ヒッチハイクを求める人が立っていたり。沿道の景色は緑がいっぱい。(
・・・)
16:00にヤルタに入った。家やビルも、車も人も、桁違いに多い。さすがリゾート。20分後に、本日の宿泊先である"Hotel Bristol"前に到着。レセプションのおねぇさん2人は妙にハイテンションで、私の名前を発音して面白がっている。219号室に入って、やっとここまで来たなぁ、という感慨に浸る。しばし休んで、18:00前に再度外出。
ホテルの左手に
があるというので、まずはそちらへ。すぐに黒海が見えてきた。とても穏やかな海だ。人通りがとても多い。しかも、ほとんどの人が水着である。長袖(日焼け防止のため)を羽織り、帽子を被って、バックパックを背負ってる一人旅なんぞ何処にもいない。ここはリゾート、それが当然か。
ホテルのほうへ戻り、さらにヤルタの中心部のほうへ行く。こちらもかなりの人手だ。誰も彼も明るい表情、柔らかく差し込む陽射し、穏やかな海と風、まさに極楽。こういう世界もあるのだなぁ。海岸に沿って、ヤルタのメインストリートとなるが続く。左手は海、右側は瀟洒な建物に数々のお店。やはり暑いのか、がだれている。
半分くらいで引き返し、夕食を摂るところを探すことにした。LPによれば、ホテルの近くにあるが安くて美味しそうだ。坂を上った左手に発見。30人程度しか座れない小さな店だが、ほぼ満員。まずはレジで注文。メニューは(当然)ロシア語のみでさっぱり分からないので、にした。計12UAH也。5分ほどでどちらも出来上がった。ペリメニにはちゃんと挽肉が入っていてコクがあり美味い。ブリンチキは甘いソースがけだった。自然な甘さが好い。量もそこそこ。毎日この店でもいいくらいだ。19:00にホテルに戻る。"NO VACANCY ROOMS"の看板が出ていた。
明日から3日間、このヤルタで過ごす。特に予定などは、きっちりとは考えていない。(こなすようなイベントもない。) ぶらぶら、のんびり過ごそう。
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