07:00に起床、身支度を整えて08:00に部屋を出る。このホテルの朝食は、二軒隣にある同名のレストランで摂ることになっている。今日は、まずヤルタの中心街をぶらぶらと歩くことにした。今日も快晴。
5分ほどでレーニン海岸通りへ。まだ人通りは少なめ。レーニン海岸通りというだけあり、海に向かって
が立っている。レーニン得意のポーズだが、ここの気候では暑苦しく思える。海岸通りには、クリーム色の壁のロシア風建物と棕櫚が並んでいて、これが背後の山並みや青い海と不思議に調和する。(・・・) 当然、街に溢れているのはロシア語だ。こんなリゾートは他にはあまりないだろう。私の好みにはぴったりだ。ビーチには早くも水着姿の人々が出ている。途中には、『犬を連れた奥さん』のがあった。
500mほどで、ヤルタ一の最高級ホテル"Hotel Oreanda"の前に出た。レーニン海岸通りはここまでということになる。そこから右に出ると、となる。川沿いのこの道では、アーティストや露店がたくさん出るらしいが、まだ時刻が早いためか、ほとんどいない。500mほどで、ちょっとした広場に出た。『スパルタク』という映画館の前で、マルシルートカと呼ばれる乗合いマイクロバスの発着場だ。『チェーホフの家博物館』に向かうマルシルートカもここから出るらしいが、今日は休館日。川の反対側の道を引き返す。こちらは、店などがない代わりに車が行き交う道だ。妙なスシ・バーがある。さらに奥には、独特のバルコニーを持ったが並ぶ。
"Hotel Oreanda"の前に戻り、さらに右手へ。ここからはプリモルフスキー公園となるが、海側はビーチとなっている。急に人出が増えてきた。さらに行くと、なる店がある。なかなかいかしたで、行ってみたいと思わぬでもない。どんなDJが出るのやら。
"Hotel Oreanda"のほうに戻るが、が人で埋め尽くされている。ヤルタのビーチは石浜で、素足で歩くにはちと痛いと思うのだが、シートを敷いただけで寝そべっている。ここに限らず、レーニン海岸通りなどに大胆な水着のおねぇさんもけっこういるのだが、これだけいるとすぐに慣れてしまいますな。もちろん、おねぇさん以外の方々もたくさんいらっしゃいますし。
レーニン海岸通りを半ばまで戻った。時刻は10:30, ヤルタの名所の一つ『ツバメの巣』に向かうことにした。船で行くのが一番手っ取り早いので、KACCAに行ってみると10:20の船が出たばかりらしい。次の船が11:00なので、まぁいいかと思い、20UAHで一枚買うと『今まさに10:20が出るところだからすぐに乗れ』とのことで、慌てて乗ったところで出航。
海から見ると、山・街並み・海が一望できて、地上から見たのとはまた違う美しい景色だ。海を渡る風が心地好い。海が本当に青く、こんな海を最後に見たのはいつだったろうか。町の中心部を離れても、保養所やサナトリウムが点在している。ヤルタの人気が窺い知れる。(
・・)
20分ほどでに到着。ここは、ヤルタを紹介する際に必ずといっていいほど写真が使われる名所で、海を臨む崖の上に小さなが建っている。もっとも、この城自体は1912年にドイツの富豪が愛人のために建てたというもので、歴史的な価値は特にない。また、かなり『がっかりする』とも聞いている。階段を昇り、まずKACCAで帰りの船のチケットを買っておく。11:30の出航とのことで、30分もあればここの見物には十分だろう。さらに昇ると、なぜか改札。近くに行くために3UAH要るらしい。なんでやねん、と思いつつ払う。さて、城のそばに来てみたが、…ちょっと大きな平屋に物干し小屋をつけたくらいのサイズですな。なるほど、これ目当てで来たらがっかりだ。それでも、有名な観光ポイントであり、たくさんの観光客がいる。三方(というよりほとんど全周)から海を見渡せ、とても見晴らしがよい。海が青くきらめいている。俗世と縁を切った隠遁生活には理想的。このロケーションには魅力を感じぬでもない。城そのものよりも海が素晴らしい。日常の煩わしい諸々が溶けて消えていくような感じだ。(・・・)
階段を降り、船着場に戻ると11:20. しかしヤルタに戻る船がもう着いているので乗る。15分ほどで出航。海からの風が心地好く、思わず眠くなる。20分ほどでヤルタに戻った。
昼食を摂れるところを探すと、LPと『地球の歩き方』の両方に出てる『スップ・ハウス』というのが近くにあるので、そこに入る。カフェテリア方式で、並んでいる料理の中から好きなものを取ればいいので分かりやすい。ただ、つい取りすぎてしまい、ウハー(魚のスープ)・サワークリームとアンズのブリンチキ・シャシリク・プロフ(中央アジアのピラフ)と取ってしまった。計63.7UAH也、決して安くはない。さて、ウハーだが、コクがあるのはいいがどうも魚の匂いが強い。プロフは、ほどよい味付けと油で悪くはない。シャシリクは肉が固くて食えたもんじゃない。ブリンチキはまぁまぁ。値段から考えると割に合わないが、周辺の店に比べて明るくて清潔で、ロケーションも便利なのがメリットか。また使うかもしれない。店の前の両替所で、USD$50を247.50UAHに交換。
レーニン像まで戻り、ここからモスクコフスカヤ通りを歩いてみると、中央市場に出た。ここのバス停からは、リヴァーディア宮殿など郊外の名所に向かうマルシルートカが出ている。さて、ここには露店がたくさん出ているのだが、どれも水着か下らない土産を扱うのみで、センスのよい土産がない。買いたいものもなく、またも
に戻る。
海岸通りの半ばから少々陸側にリフトが走っている。これに乗れば、山の上からヤルタの街を見渡せそうなので、往復20UAHを払って乗ってみた。ゴンドラは2人乗りのかなりちゃちなもので、これで一般道や茂みを越えていくにはかなり不安な代物。出来るだけ動かずにじっとしていた。昇っていくにつれ、右手の山の麓にかなり大きな
が広がっているのが見えてきた。ヤルタの本来の市街はあちらのほうなのかもしれない。
10分ほどで頂上についたので、いったんリフトから降りる。といっても、小さなカフェがあるだけだ。を見ると、…茂みに邪魔されてほとんど何も見えない。諦めてすぐに下りのリフトに乗った。10分ほどで元のところへ。面白いものではなかった。
レーニン海岸通りへ戻り、運良く木陰のベンチを見つけたので座る。暖かい陽射しと風がこんなにも心地好いものだとは知らなかった。(あるいは、忘れていた。) 歩き回った疲れもあり、なかなか立てない。どころか、うたた寝をしてしまう。暖かい眠りだ。目を開けて、道行く人を見ると、誰も彼も笑顔。ヤルタの海と陽射しと風は、それだけで人を幸せにするらしい。
16:00になったので立ち上がり、朝に歩いた
へ。絵描きだの露店だのがたくさん出ているが、どうにもいいものがない。今日一日、ずいぶんいろいろな店を見たのだが、センスのいい、買いたくなるような土産物がない。ヤルタには、名産品や特産料理というものはないのかもしれない。これは、リゾートして発展していくにはマイナスかもしれない。もっとも、街中にあるような安い惣菜屋のような店がいくつもあり、かえって金をかけずに日を送ることができる。
さて、この辺りには、何やら看板を出して座っている人がたくさんいる。LPによれば、この辺りの住民が自宅をホテル代わりにしているらしい。周囲をぶらついてみると、洒落た家もあれば、おんぼろの家もある。オフシーズンのヤルタの住民は何をしているのだろう?(・・)
18:00にいったんホテルに戻り、18:45に夕食を摂るために再度外出。もちろん行き先は"Pelmennaya"だ。店に着いてみると、既に7人ほどが行列を作っている。15分ほどでやっと私の番が廻ってきた。昨日とは違うペリメニとブリンチキ、それにマンゴージュースで計14UAH也。ペリメニは、中身が挽肉で小籠包のように肉汁が溢れ、ブリンチキは蜂蜜がけで、どちらも『当たり』だ。ただ、マンゴージュースは、蜂蜜のせいで甘みがさっぱり分からなかった。もう、明日も明後日もここで夕食としよう。
陽は既に暮れているが、
の人出は衰えていない。ナイトクラブやカジノなども多いので、これからは夜の楽しみの時間なのだろう。私は、一人旅においては暗くなる前にホテルに戻ることとしているので、その信条に従うまで。
やっと『りぞうと』の旅らしくなってきた。いいものだ。TVを点けると、Euronewsで沖縄での飛行機爆発のニュースを報じていた。この旅行中で初めての日本発のニュースだ。
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