06:45起床。身支度を整えて、07:30に朝食を摂る。年寄りの団体が入っていたのか、なかなかに騒がしい。その後、シギショアラの名残を惜しむために散歩。空気がひんやり、というより少々肌寒いくらいだ。静けさの中に、時を告げる鐘が響き渡る。ゆったりとして、立ち去り難いところだ。
しかし、現実は容赦ない。ブラショフへ移動せねばならない。08:15にチェックアウトし、タクシーを依頼する。3分ほどでやって来たので、乗り込む。駅までなんと5分ほどで着いてしまった。料金もわずか5LEI. 往路での苦労はなんだったのか…
シギショアラの
09:50にようやく列車が入ってきた。指定された2号車の35番席に入る。今回はコンパートメントではない。09:55に発車。さらばシギショアラ。これから約2時間の行程である。窓も開かないので、車窓の風景を撮影することも出来ない。ノートPCを出して、ここまでの旅行記をつけておく。
11:50にブラショフ駅に到着。結局、約1時間の遅れとなってしまった。ここには半日しかいないので、この遅れは痛い。さて、ブラショフ駅はホテルのある旧市街から離れたところにあるので、旧市街までバスかタクシーを使わねばならない。声をかけてくるタクシーの運ちゃんの面構えがどうも気に食わないので、バスのチケット売り場があっさりと見つかったこともあり、『地球の歩き方』にしたがってバスで行くこととした。1回乗車券を1.5LEIで買い、4番のバスに乗る。駅の周囲は見慣れた面白みのない社会主義的な街並みだ。駅を離れるにつれ、徐々に昔の建物が現われてくる。15分ほども行くと、左手に大きな公園が見えてきた。隣に立っていたおねぇさんに地図を見せながら現在地を確認すると、なんとこの人が流暢な英語を話すではないか。次のバス停が大きな停留所で、そこから歩けばいいとのこと。なるほど、公園を廻り、エロイロール大通り(Bd. Eroilor)の端にある停留所に停まった。ここからならばとても分かりやすい。これはツイていた。
路面はきれいに舗装されていてとても歩きやすい。天気は今日も快晴、風はシギショアラよりもひんやりとしている。歩かなければ汗をかくこともなさそうだし、長袖を羽織っていたほうがよさそうだ。10分ほど歩くと、メインストリートである
13:00に観光開始。さて、ブラショフ観光の最大の目玉は、近郊にある、ドラキュラ伝説のモデルとなったブラン城である。ただ、ブラン城へ行くには、片道1.5~2時間程度をみなければならず、半日の滞在時間では他のことが出来なくなってしまうので、当初からブラン城を諦めて、旧市街を散策することとしていた。(もっとも、ブラン城自体、ヴラド・ツェペシュとの関連が薄いうえ、がっかりさせられるという噂もあった。)
レプブリチ通りを中心部へ向かって歩く。ここは歩行者天国になっていて、両側にはリニューアルされた古い建物が並んでいる。これらの建物が、カフェやファッションショップや携帯電話店として使われていて、とても活気がある。カフェの大半は、通りの中央にオープンシートを出しているので、写真を撮ろうにもなかなかアングルが決まらない。とにかくまず軽めに昼食を摂ろうと、半ばにあるカフェに入った。と、食べ物はクレープ類しかないらしい。なぜか、昨年来クレープに縁がある。ところで、店員のおねぇさんが、英語で書いたメモを渡してきた。見ると、『あなたの国の言葉で"I Love You"を何というのか教えてください。』とある。もちろん、ちゃんと書いて教えてあげた。そしてこの後、このおねぇさんが私にその言葉を囁いてくれる…などというイベントが発生するはずもなく、お勘定を払ってにこやかに店を後にしたのであった。コーラをつけて15LEI也。(
通りの端には、中心に教会を置いた
再び
パティセリーの前に、『黒の教会』と呼ばれる教会がある。攻撃に遭ったため外壁が黒く焦げてしまったのだそうな。しかし、焦げている側が影に入ってしまっていて何だかよくわからない。陽が傾き始め、眩しくなってきたので、サングラスをかける。(似合わないのは承知のうえで、一応持っているのです。)
ブラショフの旧市街は、すっかり修復されて、観光地としての賑わいを謳歌し始めているといったところだろう。コスプレしている
18:00に、先ほどのイタリアンレストランへ行き、ぺペロンチーノを注文。ところが、パスタにコシがないし、そもそもオリーブオイルの味も唐辛子の味もバジルの味もほとんどしない。素うどんを食べているようだ。これの何処が美味いというのだ? それでも、ニンニクが大量に使われていることは事実なので、疲労回復という目的だけは果たせそうだ。カプチーノをつけて15.50LEI也。
明日は、09:04発の列車でシナイアへ向かう、約1時間の旅程である。明日こそ、ダイヤ通りに列車が動いてくれることを願う。さて、駅まで、バスで行くかタクシーで行くか… 明朝に考えよう。