Prologue

 2009年夏の旅は、キューバを訪れることにした。今なお社会主義体制を保持しアメリカと対立する一方で、昨今は充実した医療制度など暮らしぶりにも注目が集まっているという。また、革命時から長くキューバの指導者であったフィデル・カストロも高齢となっており、どうしてもフィデル存命のうちにキューバを訪れておきたかった。
 今回の手配は、トラベルボデギータさんに依頼した。メイルにもきちんと返答してくださるし、手配も迅速で、キューバに強いという期待に十分に応えてくれた。ハバナに現地事務所もあるとのことで、緊急時の対応にも期待している。
 ただ、今回は、フライトの手配で何度か変更を余儀なくされた。当初は、同日中にハバナ入り出来るカンクン経由のルートを検討していたのだが、新型インフルエンザの影響で断念し、往路の1泊を甘受してトロント経由に変更。往路・復路ともにトロントで1泊ずつ必要となるが、両方ともに空港に直結しているSheraton Gatewayを予約した。
 そして、利用するエア・カナダが問題ありで、成田の出発時間をいったん変更してまた戻したり、挙句の果てには出発2週間前に復路のハバナ→トロント便のフライトキャンセルを食らわせてきた。このせいで、ハバナ滞在を4泊に短縮せざるを得なかった。最長1週間の旅程で、往路・復路でそれぞれ1泊ずつ必要なので、この短縮は非常に痛い。ハバナから1泊2日となるトリニダー行きも検討していたのだが、この時点で諦めた。Star Allianceに加盟しているので、NHでマイレージを貯められることはメリットではあるが…


 17:00発のAC002で出発。エア・カナダのチェックインは、機内預けの手荷物があっても、自動チェックイン機を使って自分で発券しなければならない。今日は満席らしく、出発2時間半前の手続きでも座席の空きがほとんどない。最後尾でようやく通路側の空きを見つけた。乗継を行うわけではないので、通路側に座れるのであれば最後尾でも許容できる。出発ゲート前には、学生のグループが何組かいて妙にハイテンション。夏休みの短期語学留学だろうか?
 機内案内時に、名前など乗客一人一人にそれぞれ異なる質問をしていて、私は預けた荷物の数を訊かれた。本人確認のためだろうが、セキュリティ対策が厳しい。座席は狭いし、読書灯は尽かないし、機内食は不味いし(魚を選択するととんでもない臭みがあった)少ないし、寒いし、11時間以上のフライトは苦痛である。ただ、エコノミーでもほぼ全ての席にUSBとAC電源があるのは素晴らしい(3列の右側の席のみ、AC電源がない)。時差ボケ対策を考慮すると、あまり眠るわけにもいかない。昨年のようなサプライズもなく、ひたすらiPodで過ごす。


 定刻より30分遅れの16:15(時計が13時間戻る)に、ようやくトロントに到着。ところが、到着デッキの空きがないとかで、外れの敷地に誘導され、ターミナルまでのバスを20分ほど待つ。ようやくバスに乗って、15分ほどでターミナルビルに。入国審査の待ち行列もまた長いうえに、審査でもいろいろと訊かれる。予想以上の厳重さだ。入国審査を通過してBaggage Claimに行くと、さすがに私の荷物がもう出ていた。17:50にようやく出口へ。同日乗継だったらえらいことになっていただろうなぁ。そういえば、カナダ初入国である。
 到着したのはターミナル1だが、Sheraton Gatewayはターミナル3にある。無料シャトルで移動すると、到着ホームの真横がホテルの玄関だった。レセプションにバウチャーを渡して561号室へチェックイン。部屋も広く、ベッドもキングサイズで、なかなかによい。乗継のための宿泊は空港直結にかぎる。


 19時にホテルを出て空港内をぶらつく。Camcoderと呼ばれる簡易型ビデオカメラを買いたいと思っていたのだが、残念ながら売っていないようだ。レストランに入るほど空腹でもないので、ハンバーガー・フライドポテト・ダイエットペプシのセット(CAD$7.99)を購入し部屋で食べる。その場で焼いたハンバーガーで、ちょっと焦げくさいがまぁまぁ。全てがアメリカンサイズで、半分以上残ってしまった。


 明日は、08:30発のAC970でいよいよハバナである。いったい何と出会えるのか、楽しみだ。


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