Havana

 07:45に起床し、08:20に朝食。これまでのところ、朝食が一日の食事の中で最も美味しいというのが問題ではある。09:00に外出。
 今日はハバナ観光の最終日、これまでろくに観光していないベダート地区と西部のPlaya地区を中心に観ていくつもりである。まず中央公園に向かう。今日も『Buena Vista Social Clubを楽しみに行こう』と声をかけてくるアホがいる。この手口が増えているのだろうか? 09:20に

T1バス
に乗り、
マレコン通り
を西へ。今日も快晴、暑い。


 09:50に、ホテル・ハバナ・リブレ前に到着。観光客がたくさん乗ってくる。改めてこのエリアを歩いてみると、タクシーもたくさんいるし、土産物店も揃っており、むしろこちらのほうが宿泊の拠点としては便利が好いかもしれない。(


 ここから、海岸沿いにあるアメリカ利益代表部を目指して歩いたつもりだったのだが、…Lonely Planetの地図を読み違えて逆方向に20分ほども歩いてしまった。もっとも、閑静な住宅街を歩くことができ、これはこれで面白かった。(

 出発地点に戻り、15分ほどで目的地へ。経済制裁を課す一方で利益代表部を設置するとはねぇ。周囲に高いフェンスが張り巡らされ、あちこちにキューバ人の警備が配置されているのは当然として、建物に向かい合って
黒地に白い星の旗
が林立しているのが異様ではある。アメリカの爆撃により73名のキューバ人が殺されたことに抗議しているのだそうな。警備員に了承をもらって旗を撮影した。
 帰途も再び迷い、11:00に出発地点に戻った。ついでに、”Coppelia"でアイスクリーム(3.8CUC)を食べた。その後、15分ほど待って再びT1バスに乗り、12:20に革命広場に着いた。


 革命広場からは、西部のマリーナ・ヘミングウェイ(Marina Hemingway)へ向かうT2バスが出るのでひたすら待つ。…なかなか来ない。45分ほど待ってようやくやって来た。1CUCを支払って乗る。乗客は私含めて3人しかいない。暑い中をひたすら待っていただけに、車内の冷房が心地好い。市街を抜け、しばし行くと海岸沿いの通りへ。Miramar地区あたりからホテルが増え、Playa地区には豪華なリゾートホテルもある。ちなみに日本大使館もこの地区にあるらしいが、政治の中心から離れていていいのだろうか…?
 13:50に、マリーナ・ヘミングウェイに到着。20分ほどでバスが出発するというので、いったん降りてしばし散策。なんと、ヨットの停泊するマリーナがあり、プールのあるリゾートがあり、とても社会主義国とは思えない風景である。青い海を背景に、風にそよぐ椰子がまさに南国。リゾートっていいなぁ。(


 14:10に出発し、道を戻る。と、急に空が曇り、雨が降り出した。降りている間でなくて好かった… 道を行くうちに止んだが、雲が残っていて、また降り出してくるかもしれない。14:50に革命広場に戻った。旧市街に戻るためにT1バスを待つが、これがまたなかなか来ない。25分ほど待ってようやく来た。


 さて、うろうろしているうちに昼食を摂り損ねているが、今さらしっかり摂っては夕食に差し支えるので、カフェでケーキでも…と思い、昨日も訪れた”Cafe de Las Infusiones"へ行き、チョコケーキとカプチーノを注文。
 店内には

初老の男性のバンド
が入っていたのだが、彼らの演奏が本当に素晴らしかった。各楽器のハーモニーがぴたりと合っているし、何より歌声が素晴らしい。ノリのよいテムポの曲なのに、どこか落ち着いてのんびりとした演奏で、癒されるような心持だ。店内の客もリズムを取りながら聴いている…だけでなく、踊る客もいる。これほどに客を惹きつけている演奏は初めてだ。
 もう一曲演奏してくれるが、聴いているだけで心から楽しさが湧き上がってくる。『人生とは楽しいものだよ』というメッセージが伝わってくるような気がした。この演奏を聴けたことで、今回の旅が成就した。CDを売っていたので、チップを含めて11CUCを支払い購入。ついでに水500mlを購入し、店には計4CUCを支払った。素晴らしいひとときだった。(帰国後に購入したCDから調べてみると、"Septeto Tipico de Sones"という有名なバンドだったことが判明。CDに収録されている曲も本当に好かった。)
 オビスポ通りを東へ行く。端にあるのは、ダイキリ発祥の店といわれる
"La Froridita"
である。ヘミングウェイも愛した店ということで、観光客にも大人気の店だ。酒を飲めればなぁ…


 17時になったが、雲行きがいよいよ怪しくなってきた。雷も鳴っているので、ビエハ広場で雨宿り。ついに降り出してきたが、意外に雨足が弱く、しっとりした雨である。南国なのでてっきりスコールのような強い雨が降ってくると思っていたが… むしろ東京のほうが熱帯に近いんじゃね? 18時にようやく止んだ。
 ハバナでの最後の夕食を考える。さすがにシーフードは飽きたので、カテドラル広場の”El Patio"でケバブとする。(肉の串焼きならば外れようがないだろう、という計算もある。) 肉の串焼き2本に野菜と小エビの付け合せだった。脂の乗った部位とフィレとに分かれていて、それぞれに美味しい。これは当たりだった。ただ、オープンでの食事なので、とにかく蝿が多く、落ち着いて食事できないのが残念である。何処からか、国籍不明の何処にでもあるような音楽が流れてくる。こんな音楽が溢れるとき、ハバナの好さも喪われるのだろう。コーヒーをつけて20.35CUCを支払った。食事中に再び雨が降り出し、雷も鳴っている。急いでホテルに戻った。
 部屋に戻ると、紐状にされたバスタオルでハートが形作られている。部屋の担当メイドさんから旅の無事を祈るメッセージが残されていた。初日に一緒に踊って以来一回も会っていないのに、嬉しいことである。今日は、カフェでの演奏やメイドさんからのメッセージなど、キューバらしい好さに出逢えた、いい一日だった。


 明日は、10:30に空港へのトランスファーがやって来る。そして、13:30のAC971でトロントへ。キューバの好さを実感できたところだけに、他の街を訪れる時間が欲しいが… 帰ることになっている以上は、ちゃんとスケジュール通りに進みたい。


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