朝、目が覚めると既に頭が痛い。早くも高山病に罹ったようだ。食欲も、車窓の風景を観る気力も全くわかない。車掌から、酸素吸入用のチューブをもらい(1つ多くもらったので土産にする)、枕元にある酸素供給孔から鼻腔に突っ込むと、徐々に頭が楽になってくる。しかし、外すと頭痛が戻ってくるので、外すに外せない。高山病を克服するにはとにかく順応するしかない、と分かってはいるのだが… それでも外を見てみると、地の果てのような草原が広がっている。近くの山は草木も生えておらず土の色だし、遠くには雪山も見える。こんなところでよく人が暮らしているものだ。すごい景色ではある。(
酸素を供給されながらひたすら眠ってしまう。これでは
ナクチュ(那曲)駅に到着したところで目が覚めるが、頭痛は治まらない。ちなみに、標高は約4,500mである。出発前は、この駅に降りてみたい、などと考えていたのだが、とても実行できる状態ではない。(
18:30に、ようやくラサ駅に到着。(
約40分ほどで、ラサでの宿である西蔵賓館へ。一応、ラサで最高級のホテルであるが、フロントのスタッフの態度は好くない。さて、車内で高山病対策の点滴について教えてもらったので、部屋に入ってすぐに手配をお願いする。
20分ほどで医者と看護婦(なぜか子供も)がやってきて、血圧などを測った後に点滴をしてくれた。一人当たり1,800元(日本円での支払いも可能だが、現金払いのみ)と安くはないが、健康には換えられない。なお、海外旅行傷害保険で戻る、とのことである。壁にかかっている装飾や照明スタンドを上手く使って点滴スタンドにしてしまった。手馴れているなぁ。
約1時間ほどの点滴を終えると、頭痛も消え、劇的に改善した! こんなに効くものだろうか? 今日は何も食べていないので、外に出て、ホテル向かいの果物屋で西瓜・バナナ・葡萄などを買い、140元を支払った。どれも、とても甘くて美味しいが、特に西瓜が美味しい。ホテルの売店では1.5Lの水を10元で購入。売り子のおばちゃんがにこやかでほっとする。