Tbilisi

 08:00起床。どうやら消化器系の調子が悪い。肉料理が続いたのと、旅の疲れだろうか。特に痛みなどはないが、何となく体の動きがよくない。
 今日は、20:35発の夜行列車でエレヴァンへ移動する予定である。19:30にガイドのMarikoさんが迎えに来てくれることになっているので、それまでは街をぶらぶらしてみるが、調子もよくないので休み休みになるだろう。10:00にチェックアウト。


 天気は快晴、風も涼やかで絶好の散策日和。まずは近所の

スィオニ教会
に行ってみると、祭礼の最中であった。そして、女性の合唱が素晴らしかった。伽藍内に独特のハーモニーが響き渡る。グルジアの男声合唱は有名だが、女声合唱もなかなか。
 対岸の高台に立つメテヒ教会(
)を訪れる。昔は、シルクロードを行くキャラバンが安全を求めて避難する要塞でもあったそうな。ここでも祭礼を行っていた。グルジア正教は木曜午前に祭礼を行うのだろうか? ここでは司祭の説教が行われているが、とにかく暑い! 内部の装飾は見事だったのだが、早々に外に出た。川風が汗を消してくれる。高台なので、
旧市街
をよく見渡せる。


 昼食には、昨日も訪れた"Shemoikhede Genatsvale"で、グルジア名物の一つkhachapuriを試すことにした。要するに、薄切りのチーズをパイにしたものだ。思ったほどくどくはない。ただ、半分しか食べられなかった。お茶も含めて計GEL10.05を支払った。
 やはりどうも調子が出ないので、近所の公園で一休み。木陰のベンチが多いので本当に助かる。


 何となく、

の周囲のバザールが見たくなったので、地下鉄で行ってみた。なかなかにカオスに賑わっていて、バルト三国やルーマニアの市場を思い出した。ただ、ディナモ・トビリシの本拠地がすぐ近くなのに、グッズを扱っている店が見つからなかった。人気がないのだろうか…


 地下鉄でルスタヴェリ駅へ行き、近くのカフェ

"Chocolate"
で、バクラヴァとカプチーノを注文して休む。何とか早く回復させたいが… バクラヴァもカプチーノもなかなかに美味。コーラも追加し、1.5時間ほど休んで、計GEL8を支払った。
 ルスタヴェリ通りを歩く。本当に歩き易い通りだ。気品があり、高級ショッピング街という印象である。そのまま旧市街へ戻り、トビリシの名残にスィオニ教会をぼーっと眺める。通る人のほとんどが十字を切っていく。ここまで敬虔な信徒が多い国も珍しいように思う。(

 結局、体調は全快しなかったので、夕食を摂らないこととし、代わりにポカリスウェットを1.5L分作っておく。また、翌朝に飲むためにオレンジジュースも買っておいた。


 19:30にMarikoさんが来てくれたので、駅へ向かう。駅の内部は綺麗に改装されたらしく、お洒落なカフェや店が何軒もある。駅で列車を待つが、予想通り(?)遅れている。Marikoさんといろいろ話した。本当に仕事熱心で夢があってチャーミングな方だ。若いっていいなぁ。トビリシの他にも、カズベキ・メスティアなど魅力的なところがあるだけに、またグルジアを訪れたくなった。ドライバーさんも、無口だが優しい笑顔が印象的な男性だった。隣に座っていた見知らぬ爺さんも旅の無事を祈ってくれる。いい人が多い。
 さらに、Marikoさんが一人旅の女性が駅を歩いているのを見かけた。同じく列車でエレヴァンへ向かうところだそうな。大学生とのことだが、若いうちにこういう旅をしておくことは後々大きな財産になると思う。若さが本当に羨ましい。


 21:10にようやく列車がやってきた。プラットフォームに照明がほとんどなく真っ暗で、10号車を探すのも一苦労。端のほうは路面もがたがた。駅舎だけでなく、こういうところも改装してほしいところだ。10号車の入り口で、名残惜しいがMarikoさん&ドライバーさんと別れた。何となく寂しくなった。
 さて、一等車ということで、一つの

コンパートメント
に2つの寝台があるが、もう一つは空きだったので、個室で使えたのは幸運だった。荷物を寝台の下に収め、頭上から掛け布団と枕を取り出す。乗務員の女性が、お菓子・水、そして歯磨きセットをくれた。なかなかいいサービスである。
 定刻より約1時間遅れの21:30に列車が動き出した。さらばトビリシ、また来る日まで。グルジアの係官がパスポートを集め、すぐに出国印が捺されて返却された。続いて、アルメニアへの入国書類が配られたので記入する。街を外れると車窓が真っ暗闇になった。人工的な明かりが全くない景色が続くが、突然十字架がライトアップされていたのが印象的だった。寝心地は十分に快適。


 うとうとしていると、23:50に乗務員の女性に呼び出されて『パスポートと書類を持って端の車両に行け』といわれた。いよいよアルメニアの入国審査があるらしい。端の車輌に行くと、同じくパスポートを持った男性に『ここで待て』といわれた。
 00:10に車輌が停まり、アルメニアの入国審査官と思しき制服を着た男女が扉を開けて降りるようにいう。降りてみるとプラットフォームは真っ暗、駅舎のような建物の照明だけが点っている。パスポートと、日本で用意されたアルメニアのビザ(のカラーコピー)と先ほど記入した書類を係官に渡すと、パスポートとビザだけを持っていった。ビザがあれば書類の記入は不要だったらしい。
 まず、全員が建物に案内された。隣室の日本人の男性はビザが切れていたらしく、ビザ取得手数料としてUSD10を請求されていた。先ほどの女性もビザがなく、財布も列車内に置いてきてしまったとのことだったので、立て替えておいた。後で返しに来るといってくれるが、深夜に車内を移動するのも大変だろうし、その気持ちだけで十分である。私を含め数名が隣の部屋に呼ばれ、係官が何やらPCを操作した後に、パスポートにアルメニアの入国印が捺された。日本人3名ともに問題なく入国出来て一安心。空を見上げると、星空がきらきらと瞬いていて本当に綺麗だった。00:25にコンパートメントに戻った。00:40に再び発車、後は眠るのみ。


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