07:15に起床。身支度を整えて07:45に朝食を摂り、いったん部屋に戻る。今日は、まずベツレヘムへの半日ツアーに参加し、午後はエルサレムの新市街を散策する予定である。
ベツレヘムはイエスの生誕地とされ、特にイエスが生まれたとされる洞窟の真上に『聖誕教会』が建てられている。しかし、ベツレヘムはパレスチナ自治区(ヨルダン川西岸地区)に含まれており、個人で訪れるのも何かと面倒そうなので、事前にテマサトラベルさんに探してもらった現地のツアー(英語でのガイド付き)に参加することにしていた。
09:00-09:20にホテルのロビーにピックアップが来るということだったが、08:45に来てしまったらしく、電話で呼び出されたので慌てて出発。(カメラを忘れそうになった。) 担当者に会うと、バスは別のところに来るというので、まずは車に乗る。独立公園で5分ほど待つとワンボックスカーがやってきた。先客が2名いる。さらに、『シオンの丘』で家族連れ3名が乗ってきた。先客はポルトガル人、家族連れはイギリス人だそうな。私を含め、この6名がこのツアーの参加者ということになる。
10分ほど走ると検問所が見えてきた。両側には高さ数メートルはあるコンクリートのフェンス。この先がパレスチナ自治区だ。ベルリンの壁を思い出して何となく嫌な気分になった。パレスチナ側の壁面に自由を求める落書きがたくさんあることも共通している。5分ほど走ると、本日のガイドさんが乗り込んできた。いま走っているところがベツレヘムのメインストリートだそうな。何ということもない普通の街にみえるが、イスラエルの国旗もヘブライ語もユダヤ教徒の姿もない。自動車のナンバープレートもパレスチナ自治区のものになっている。イスラエルのナンバープレートをつけた車は、許可がない限りパレスチナ自治区に入れないのだそうな。壁というのは、こんなにも暮らしを変えてしまうものなのだなぁ。
さらに10分ほど走って車が停まり、降りる。階段を昇ると広場に出た。その前の建物が
だ。外観には派手さはないが、が印象的。広場の右手、道路を挟んだところにはがある。教会の前には早くも観光客が列をつくり始めている。ガイドさんが交渉したのか、すぐに入ることが出来るようだ。入り口は身を屈めなければ入れないほどに小さい。というらしい。
中に入ると、いきなりになっており、両側に柱が並び、中央には金属製のランプ(あるいは香炉)がたくさん下がっている。床の一部には穴が開いており、が見える。
この教会も、聖墳墓教会と同じく、ローマ帝国の聖ヘレナが325年に最初に建てたものだそうな。そもそも、この地をイエス生誕の地としたのも彼女ということだ。床に見えるモザイクは建造時のオリジナルのものらしい。
広間の正面には大きな
がある。ギリシア正教会の祭壇だそうで、なるほどイコンなどの装飾が正教会でみたものに似ている。そして、上部の窓から入る陽光が十字架によって分かたれ、光の筋となって降り注ぐ。さらに、どこからかパイプオルガンの音色が微かに聴こえる。まさに神の光臨を想起させるような、素晴らしい効果だ。キリスト教徒でもないのに奇蹟を感じることが出来た。しばし見とれてしまう。このガイドさんは急かすこともなく時間を確保してくれるので有り難い。
祭壇の地下にイエスの生まれた洞窟があるということだが、まずは左手にある別のへ。ここはローマカトリックの管理する教会らしい。クリスマスイブのミサが行われているのはここだそうな。パイプオルガンはここで演奏されていた。シンプルな教会だが、祭壇の上部にはイエスの生誕を描いた。パイプオルガンが本当に素晴らしかった。
教会の外には、ヘブライ語の聖書をラテン語に翻訳したが建っている。髑髏を足元に置いているが、これは翻訳を手伝ったパウラという人の死後も骨を側に置いて翻訳を続けたことを記念しているそうな。
先ほどの広間に戻ると、地下の洞窟へ入るための長い行列が出来ている。少々のんびりし過ぎたか…? ガイドさんが係員に訊ねると、掃除中なのだそうな。掃除が終わったところで、本来は出口になっているところから2人一組で入れることになった。このガイドさん、『やり手』だ。
10分ほど待ち、いよいよ地下へ。階段を降りてすぐのところに、窪みのようになっているところがある。ここが、だ。がはめ込まれており、その中央には土が岩が露出している。この星は、東方の三賢者を導いた星を象っているらしい。聖墳墓教会にある十字架が立てられた場所と同じく、信者たちは身を屈めて、星の中央の露出した岩に口づけする。イエスの墓と異なり、周囲にもやや空間があるので、収容能力もあるのだが、何しろ暑い! 外に出るとほっとした。
ここでイエスが生まれたという根拠が希薄であることも前もって知っていたが、それでもこの聖誕教会を訪れて本当に好かった。この地も、疑いなく聖地だった。今後、クリスマスを少し違った気持ちで過ごすことになるのかもしれない。
聖誕教会を出て階段を降りると、ちょうどこの辺りが丘の上になっているようで、
を眺めることが出来る。右手に広がるのが聖書に出てくるだそうな。
再び車に乗り、5分ほどで今度は土産物屋の前で降ろされた。まぁお約束だが、ここで何かを買うのも悪くなかろう。最初に薦められたのは、銀製の精巧な首飾り。値札を見るとUSD1,300って、2桁(あるいは3桁)違いますな。結局、聖地の土(って、メッカだったら大笑いだが)を入れたロザリオ(店員いわく"hand made in Bethlehem, not chinese...")、ヨルダン川の聖水、オリーブ製の5つの十字架を象ったシンボルを購入、USD51を支払った。他のツアー客もそれぞれに何か買ったようだ。ここでガイドさんとはお別れ。融通の利くいい人だった。がベツレヘムのメインストリートらしい。
今度は壁沿いのガソリンスタンドで停まった。ここも観光客にとっての撮影ポイントらしい。何だか後ろめたい気にはなるが、それでも撮影してしまうのが悲しい性である。(・) 再び出発すると、すぐに検問所へ。エルサレムへ入る際の検査は厳しいと聞いていたが、乗客の顔を一瞥しただけであっさりと終了。15分ほどで、ヤッフォ門のところで降ろしてもらった。
ここから、
という、新しく出来たらしいショッピング街を歩いてみた。ブランドショップやコスメ、カフェなどが並ぶ、アメリカそのもののショッピングストリートだ。安心ではあるが、何か物足りない。さて、アディダスもナイキも店を構えていたが、どちらもエルサレムのチームのユニフォームを売っていなかった。(ハイファのチームのものは扱っていたが…)
マミラ・モールを抜けて、この近くにある、LPで紹介されているフレンチ・ビストロで昼食を摂ることにした。いかにも私好みの内装、混雑していることも期待を高める。サーモンのブルスケッタ、モカコーヒー、アップルパイを注文した。もっとも、モカコーヒーは勘違いで、やたら甘い飲み物が出てしまった。しかし、サーモンのブルスケッタは生臭さもなく、サーモンとフランスパンのバランスがよろしく、本当に美味かった。付け合せのサラダのドレッシングも絶妙。アップルパイは、むしろタルトに近く、こちらも甘かったが美味。計75NIS(別にチップ10NIS)と値段も高いが、それだけの満足感がある。
時刻は13時、ここからはイスラエルを代表する博物館というイスラエル博物館を訪れることにした。LPによれば、まずセントラルバスステーションに行き、そこで17番のバスに乗れば行けるらしい。近くにあるLRTの停留所に行き、切符を買おうとするが、紙幣を受け付けてくれない。仕方がないので小銭で買った。
で降り、周囲にあるバスの停留所を片っ端から調べてみるが、どこにも17番の表示がない! バスの路線が変わってしまったのかもしれない。ここからイスラエル博物館に行くことは難しそうなので、予定を変更して08/09(thu)のティベリヤへの移動の下調べをすることにした。
まず、ステーションに入るための手荷物検査が少々大変そうだ。もっとも、少し離れたところにもう1つ入り口があるようで、こちらは空いていた。中に入るとフードコートがある。コシェルのマクドナルド(看板が青い)という、とてつもなく魅力なものが… 1つ上の階にバスのチケット売り場があるので、ついでに買ってしまうことにした。窓口のおばさんに訊いてみると、座席の予約などというものはないらしい。42NISでバスチケットを1枚購入。これで、当日に待たされてバスを逃すということはなくなるであろうが、LPには45NISと書いてあるのがちと気になる。順序が逆になってしまったが、Informationでティベリヤ行きの時刻表をもらった。08/09は、午前8時から午前11時までは20分おきに出ている。それでも、少しでも早い便に乗るに越したことはなさそうだ。
再びLRTに乗るためにチケットを買おうとするが、ここでも紙幣を受け付けてくれない。と、側にいたおばさんが『20NIS紙幣しか受け付けないよ。』と教えてくれた。んなこといったって、紙幣のイラストには50も100も200もあるではないか… 近くの店で水を買って紙幣を崩す。750ml入りが6NISだった。これが標準かな。ようやくLRTの切符を買うことが出来た。ちなみに、買った切符は当日使わないと無効になるらしいので、買いだめも出来やしない。15分ほど待って、ようやくに乗ることが出来た。便利なようで意外に不便だなぁ…
ここからは、土産物の物色も兼ねて、市場やショッピング街を中心に、新市街を歩くことにした。まずはLRTでマハネー・イェフダー市場へ。エルサレム市民の台所を支えるということで、野菜や肉類、魚などが並ぶ、まさに日常の光景。それらに混じって、香辛料やお菓子も売られている。このお菓子がきちんと包装されるならば土産にしたいのだが、そんなこともなさそうなので諦める。物が豊富なのはいいとして、どこか整然としているのが不思議だった。(
・)
この近くにクラルショッピングセンターというのがあったので入ってみたが、ほとんどの店が閉めてしまっていてゴーストタウンの様相。すぐに出て、ヤッフォ通りを旧市街方面へ戻る。整然とした清潔な街だ。(・)
歩行者天国となっているベン・イェフダー通りを歩いてみた。ここも、観光客相手の土産物店やカフェが多いところだ。しかし、どの店を見ても品揃えが似たり寄ったり。土産として買いたいオリーブオイルを売っているところがない。(・)
歩いているうちにマミラ・モールまで戻ってきたので、そのまま突っ切ってヤッフォ門へ出て、本日初めての旧市街の
へ。そのままカルドへ出て、昨日見つけたTシャツ屋さんで、エルサレムのチームユニフォームの在庫を尋ねると、売っているという! Tシャツが40NISであることを考えると、120NISは高くない。これで私のイスラエル土産は(多分)完了。ついでにオリーブオイルを売っている店を訊ねると、『スーパーマーケットで…』 こちらは頼りなかった。(スーパーマーケットの場所を教えてくれたが…)
17時に近いので、嘆きの壁近くに行き、を眺める。何処からかアザーンが流れてくる。なかなかに感傷的な光景だった。
さて、今日も夕食の時刻なのだが、特に空腹でもない。迷った挙句、この近くの店でファラフェルをピタに挟んだサンドイッチを食べることにした。もっとも、ファラフェルだけでなく、サラダやフレンチフライがこれでもかと入り、かなりのボリューム。これで18NISならば安いと思う。ダイエットコーラをつけて計28NIS(別にチップ3NIS)を支払った。ファラフェルにあまり豆の味がせずポテトコロッケのようだったが、サラダが美味しかったので満足。
ヤッフォ門に戻り、みたびマミラ・モールを抜けて、先ほど教えてもらったスーパーへ。しかし、ここで売っているオリーブオイルでは土産にならんだろ… LRTに乗って、18:30にホテルに戻った。
明日は、再び06:30に起きて、朝イチでオリーブ山に行き、その周辺の教会などを観光する予定。その後は、イスラエル博物館に行くか、それとも旧市街をぶらつくか…
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