Tel Aviv

 06:15起床。窓から

朝焼けのガリラヤ湖
が見えた。今日は、今回の旅行における最後の移動となる、テルアビブへの移動日。そして何よりも、金曜日である。イスラエルでは、金曜の夕方からはシャバットに入ってしまう。シャバットとはユダヤ教の安息日のことで、金曜の夕方から土曜の夕方までは一切の仕事をしてはならない、と定められているらしい。このため、公共交通機関はもとより、ほとんどの店が休んでしまうという。というわけで、とにかく早めに移動を終えてホテルにチェックインしてしまいたい。
 07:00にチェックアウトし、軽く朝食を摂って、07:10にホテルを出発。延々と続く降り坂を、旅行カバンの残っている片方の車輪を気にしながら降りると考えるだけで憂鬱だったが、歩き始めてすぐに、またもタクシーに呼び止められた。バスターミナルまで20NIS, 少々高いとは思ったが、カバンが気になるので乗った。
 バスターミナルに着くと、まだバスはおろか係員も待っている乗客もいない。と、
シェルート
と呼ばれる乗り合いマイクロバスに『40NISで行くよ。』と声をかけられた。バスよりも2NISほど安く、しかも早く出発できるので、これで行くことにする。(このような、その時々の状況に応じての即断が旅の難しさであり、面白さでもある。) 07:40に出発、乗客は私含めて5名。…と思ったら、ところどころのバス停で客を乗せたり降ろしたり。こちらもバスの合間を埋めるようなビジネスなのだなぁ。乗り心地はバスよりは悪い。冷房が効いているので、十分に我慢の範囲内だが。テルアビブに近づくにつれ、まるでカリフォルニアにあるような近代的なオフィスビルが軒を連ねるようになり、景色が大都会となっていく。(

 09:30にテルアビブに到着。バスターミナルまで、ということだったが、他に客もいなくなったせいか、『ホテルまで追加で50NISでどうだ?』という。さすがに高いので迷ったが、今日は何より時間が惜しいし、バスターミナルでバスやタクシーを探す面倒(しかもぼられる)を考慮し、承諾する。09:45に本日の宿である"Golden Beach"に到着。計画よりも約2時間ほど早く到着できた。


 チェックインするが、まだ部屋の準備が出来ていないということで、旅行カバンをフロントに預けて10時に外出。ホテルが面している海沿いのHerbert Samuel通りを歩く。青い海と青い空と白い砂浜のコントラストが本当に美しい。アメリカかヨーロッパのビーチリゾートにいるようだ。生涯初の地中海にしばし見とれる。いつの日か、私の旅もこういうリゾート滞在型になるのだろうか?(


 
Frishman通り
から街の中心部へ向かった。住んだらさぞ心地好い暮らしを送れるだろう、と思わせる街並み。この街でも、アラビア語も兵士の姿もほとんど見ない。その代わりというわけでもなかろうが、ロシア語を多く見かける。ロシアからの移民が多いのだろうか?
 通り沿いにある有名なオリーブ油製品店"Olia"に立ち寄る。ここのオリーブオイルが世界的にも高い評価を受けている、と聞いていたので、出発前から土産にと考えていた。ただ、シャバットのため金曜は閉店が早いので、早めにテルアビブに到着したかったのである。無事に両親向けのオリーブオイルを購入。ついでに自分用のも買った。フランスパンに添えて食べる、というような優雅なことをやってみよう。


 11時を過ぎたので昼食を摂ることにする。といっても、テルアビブは普通の都会で、何でもありそうで、特に食べたいものも思い浮かばない。LPで紹介されている、この近くのラビン広場近くにある"Brasserie M&R"へ。これまた私好みのパリのカフェのような内装だ。混み合っている中を、何とか1人分の席を確保し、ブランチメニューからパンケーキとカフェオレを注文。カフェオレがボウルに入ってきて、その量に驚く。しかも美味い。パンケーキもなかなかに美味い。56NIS(別にチップ7NIS)を支払った。
 気温は30℃をとうに超えているだろう。オリーブオイルを持っていることもあり、いったんホテルに戻ることにした。(

) 12:30にホテルに戻り、部屋に入ってみると、…狭さに驚く。まぁ、このシーズンにこのロケーションでこの値段ならこうなるのでしょうね。机すらない… といいつつ、冷房をつけて休んでいると、これまでの疲れが出たのか眠気を覚える。まぁ、テルアビブで大きな見どころも特にないし、そのまま昼寝する。


 15:30に目が覚めた。何となく、海に入りたくなったので、本来はティベリヤの温泉用にと持参した水着に着替えて外出。砂浜が焼けている。海水も暖かいが、心地好い。遊泳は禁止されているので、波打ち際でしばし波に洗われた。
 いったん部屋に戻って再び着替え外出。Allenby通りを歩く。ここは庶民的な街なのか、飲み屋などを含めていろいろな店がある。そのままカルメン市場に入った。ここの市場は雑然としており、市場らしい活気がある。シャバットが近いので店仕舞を始めているところも多い。レモネードを2NISで飲んだ。冷えていてとても美味い。特に買いたい物があるわけでもないが、市場歩きはなかなか楽しい。
 17時に近くなったので夕食を考える。ホテルのフロントで偶々カードが置いてあったフムスの店"Abu Zaki"に行ってみることにした。Ben Yehuda通りを歩く。多くの店がもう閉まっている。といっても、まだ開いている店もあり、もしかするとテルアビブはさほど厳格ではないのかもしれない。20分ほど歩くと、予想外にモダンな店構えの"Abu Zaki"を見つけた。メニューを見ると、フムス・ファラフェル・サラダ・レモネードのセットがあるのでそれを注文。ここの

フムス
はとてもマイルド、ただヒヨコマメが乗っていないのが惜しい。ファラフェルはちゃんとマメの味がしてよい。ピタも2枚あり、十分に満腹。25NIS(別にチップ5NIS)を支払った。
 海沿いの道をホテルへ戻る。大都会のすぐ側にこんな砂浜があるというのも羨ましいことだ。道を行く人も皆笑顔。ここは本当に平和だ。18:40にホテルに戻った。


 明日はいよいよ帰国日。18:30に空港へのトランスファーがホテルのロビーに来ることになっているが、午前中にチェックアウトしなければならない。一方、街はシャバットなので、暑い中をぶらぶら歩きながら、早めにロビーに戻っておこう。
 イスラエル出国に際しては、名高い(?)セキュリティチェックが控えている。旅程をスムーズに答えられるよう、また荷物検査をスムーズにクリアできるよう、今夜と明朝で準備せねばならない。23:00発のKE958でインチョンへ、さらに、08/12(sun)のKE705で成田へ戻る予定。


…といっても、ここまで、これまでにないほどに自然に『旅をしている自分』になっており、帰国するという実感がまるでない。恐らく、感傷に浸ることもなく空港に向かうような気がする。実のところ、帰国して仕事に戻る自分が全く想像できない。


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