今朝はゆっくり眠れるというのに、いつも通り0700に目が覚めた。朝食は0930なので、0830までぐだぐだする至福の時間を過ごす。身支度を整えて、0900に宿の裏手にある庭を散歩する。柵の外にある景色も美しい。(
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表門に戻り、朝の川の風景を眺めていると、登校中のに声をかけられ、写真を撮ってくれというので撮らせていただいた。デジカメのディスプレイで見せてあげると満足してくれたようで、笑いながら学校に向かっていった。旅で子どもに会ったときはいつも思うのだが、あの子たちの将来の幸せを心から祈らずにはおられぬ。朝日に照らされた川の風景も美しい。(・) 宿に戻ると既にシヴァさんが来ていた。今日の予定であるボートクルーズの開始が1000から1500に変更になったのだそうな。
0930に。ココナッツの粉などを蒸かしたらしいものに、マイルドな豆のカレーをかけたもので、ほのかな甘みがあって美味しい。1000にはが降り始めた。そのままシヴァさんといろいろ話しながら時を過ごす。雨も悪くない(すぐに止んでくれれば、だが)。ところで、今日の1700からボートのレースがあるのだそうな。昨日見た練習は今日のレースのためのものだったようだ。ちょうどその時間はボートクルーズに出ているので応援することは叶わないが、昨日私のところに来てくれたチームの勝利を祈る。
1100過ぎにようやく雨が上がり、シヴァさんと周囲を散策する。なんでも、500年ほど前に創建された寺があるらしいので、そこを目指して川沿いを歩く。雨が降ったばかりで泥濘と水たまりになっており、歩くのも難儀するが、川沿いの景色は美しく、風も気持ちいいので、さほど苦にはならない。(
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40分ほど歩くと左に曲がる舗装道路に行きあたり、そちらを少し行くとお寺があった。意外に真新しいように見える寺だ。寺に入る際には裸足になる必要があるというので靴だけでなく靴下も脱ぐが、石畳はちょっと足裏に痛い。ケーララ様式という寺を一通り見て回った。なお、どの神様を祀っているのかは分からなかった。(・・・・)
再び40分ほどかけて宿まで戻った。(・・・) 1330に昼食をお願いして一休み。ここは、風に吹かれながら景色を静かに見ているだけで極楽だ。には、白いご飯、キュウリとバターミルクのカレー、付け合わせ2品に魚が出た。このカレーは甘いのかと思ったら意外に酸味があって美味しい。には、昨日も出た麺状の何かを黒砂糖で濃い目に味付けしたもの。デザートも温かいものを出すのだなぁ。1500まで船を待ちつつ一休み。浅い眠りに入るのも好い。
1500に船が来てくれた。屋根がついているので雨が降ってきても安心ではある。これから、3時間ほどこの辺りを船でめぐるクルーズだ。大きな川筋、小さな川筋と家々、広く水を湛えたところが次々に現れる。変化がないようで景色が時々に変わり、とても面白い。高い椰子の木々の葉を風が揺らすのはまさに南国の安らぎである。水辺では、釣りをする人、洗濯する人、体を洗う人、飛び込んで遊んでいる子供など。この水は、ここの人たちにとっては『生活の全て』なのだろうなぁ。意外なことには、キリスト教の教会や学校もいくつもある。この辺りではクリスチャンが多いのだろうか。
大きなハウスボートと呼ばれる船とも何度も行き交った。キッチンや宿泊施設を備えたもので、観光客にも人気がある。今はシーズンオフと聞いていたが、それでも需要はあるらしい。ここまで好天に恵まれていたが、1730に雨が降り始めた。まぁ、昨日の予定通り1000に開始していたらほとんどの行程が雨の中だったわけで、幸運といえるだろう。1800に宿に戻った。(チップとしてINR100を支払った。)(
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シヴァさんと宿の人を交えて明日の予定を決める。明日は、0630にチェックアウトし、宿の人が船で昨日車を降りたところまで連れて行ってくれる。そこでシヴァさんと待ち合わせ、コタヤムという街まで約1時間ほど車で行き、0900発の列車に乗る予定だ。目的地のカニャクマリ到着が1530頃になるらしく、列車が予定通り運航して、天気にも恵まれれば、夕陽を眺めることが出来るかもしれない。ここでシヴァさんと別れる。
雨も上がり、雲も抜けて、夕焼けを眺めることが出来た。嗚呼、本当に美しくて穏やかなひと時だ。(
・・・) 1930過ぎに、フランス人と思しき家族がやってきて一気に賑やかになった。昨夜、この宿を独占できたのもまた得難い幸運といえよう。夕食の時間まで日記をつけておいた。
2050に夕食、今日は外で食べる。先ほど到着した団体さんとは別のフランス人のご夫妻と話しながら食事をいただく。まずはチキンのカレーとチャパティ、少しスパイシーだが優しい味わいでとても美味しい。次に白いご飯とともに出たものは昼食と同じものだった。美味しいから別にいいけど。デザートには濃厚なアイスクリーム。もっとたくさん食べられる消化器系を持っていない自分が恨めしいほどに、ここの食事はどれも本当に美味しかった。いつかまた食べたいものだ。(
・・) ところで、一週間のインド旅行と言ったところ、『インドの次は何処に行って、何か月後くらいに日本に帰るの?』と訊かれた。ええ、出来るものならそうしたいところですとも。『アメリカ人の夏休みは3週間と短いのは知っていたけど、日本人の夏休みはそんなに短いの…』だそうな。
2125に食事を終え、互いの旅の無事を祈って部屋に戻る。今夜は、団体客のお子さんのはしゃぐ声や、何処からか聞こえる歌声でちょっと賑やか。昨夜のうちに、虫と蛙の声だけという静かな夜を過ごすことが出来て幸運だった。
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