Kanyakumari

 昨夜も2230過ぎに眠り、0545に起床。今日は、列車でインド亜大陸の最南端の街であるカニャクマリまで行く予定である。列車はコタヤムという街から0900に出る予定であるため、シヴァさんと0700に川を渡ったところで待ち合わせている。
 0630にチェックアウト。まずは温かいチャイをいただく。名残は尽きない。いろいろと世話をしてくれた男性が朝食としてトーストとバナナを持たせてくれた。気のいい人だ。(チップとしてINR150を渡した。)船で川を渡ると既にシヴァさんがいてくれた。(船を運転してくれた人にもINR150を渡した。) またここに滞在したいものだ。(


 車に乗り、コタヤムへ向けて走り出す。このバックウォーター地帯の風景は見飽きない。水辺と田圃と椰子の木、家並み、穏やかそのもの。ただし、道路は例外で、ここでも運転は粗い。あんな穏やかな人々がハンドルを握ると豹変するのは何故なのか。しかも道路事情も悪く、舗装ががたがたで酷く揺れるうえに、工事などで車線幅がしょっちゅう変わったり、酷いときには何の案内もなく対面交通になったりで、よく言えばスリルを味わえる。ただ、控えめにいっても、出来ればもうインドの道路は御免蒙りたい。
 0750にコタヤムの駅に到着。初めてのインドの鉄道駅だ。思ったほどには混沌としておらず、ロシアなどの駅を体験した身としてはさほど驚きはない。ただ、自分で列車を探し、切符を買って乗る、となれば話は別なのだろう。乗車予定のカニャクマリ行き”Kanniyakumari Express"は15分遅れの0915出発予定となっている。カニャクマリまでは約6時間とのことで、大幅な遅れがなければ、夕暮れにも間に合う。プラットフォームでシヴァさんと話しながら列車を待つ。プラットフォームにも食堂や売店などがいくつもある。(


 0920に

列車
が入ってきた。これまたえらく長い編成だこと。割り当てられている"AC 2 Tier"の車輛番号A2を探すのも一苦労である。ようやく乗り込むと、エアコンの効いた、いわゆる
一等寝台
の座席だった。0930に出発。あとは、列車に揺られながら、車窓を眺めながら、居眠りしながら時を過ごすのみ。手元に切符もないが、乗車名簿に名前が記録されているらしく、車掌にパスポートを見せるだけで特に問題はなかった。(

 1250に、シヴァさんが
昼食
を買ってきてくれた。白いご飯に、カレー2種、いくつかの付け合わせ、デザートが全てビニール袋に小分けにされているセットだ。さて、ここで、右手での食事を初めて体験した。最初は抵抗があるが、カレーとご飯をじっくりと混ぜ合わせることが出来るので、自分好みの味加減を作っていけるのは悪くない。カレーも美味しかった。
 1300にティルヴァナンタプラム駅に到着。土曜日にこの街の空港から帰路につくことになっている。さらに列車は進む。いつの間にか水辺の風景から、遠くに山が見える風景になった。そして、駅名を表示する文字が変わった。シヴァさんの故郷、タミル・ナードゥ州の言葉だそうな。カニャクマリに近づいているということだ。車窓の風景を撮影していると、走行中なのにシヴァさんが列車のドアを開けてくれた。確かに撮影し易いが、それでいいのか…(


 1445にナーガルコイル駅に到着。カニャクマリまで行かず、ここを終点とする列車も多いらしい。ここで15分ほど停車し、再び動き出した後に、1515にカニャクマリ駅に到着した。天気は晴れ、少し暑い。この駅がインド最南端で、この先に線路はない。乗っていた車両を振り返ると、名簿のようなものが剥がれかかっている。乗客の名簿を貼り出して走っていたのだそうな。ちょうど私の名前が残っていたので記念に撮影した。(


 駅から車に乗り、すぐに本日の宿である”Hotel Singaa International”にチェックイン。これまでの旅行でも最も多く泊まったタイプのホテルだ。ロビーだけ妙に豪華で、部屋の内装は数段落ちるというパターンもお馴染み。ただ、朝食だけでなく夕食もついているというのは予想外だった。1730にホテルのロビーで待ち合わせることにして、いったんとシヴァさんと別れ、部屋で一休み。ここまでの日記をつけておいた。


 1730に再びシヴァさんと合流し、車で海沿いのサンセットポイントへ。西からの風が強く、岩場ということもあり波しぶきが荒い。家族連れなどが楽しそうに過ごしている。雲が多く太陽も隠れてしまっていたのだが、日が傾くにつれて雲の切れ間から太陽が出てきた。雲も夕陽に赤く染まり、とても美しい。しかも、小さいながらも虹も出ていた。インド最南端から見る夕陽、少し感傷的にもなる。地平線に近づくと、太陽が丸く見えるようになった。これを手に乗せたような形で写真を撮って商売にしている人たちもいる。今は雨の多い季節で、今日も朝から何度も雨が降ったり止んだりして心配だったが、夕陽を眺めることが出来たのは幸運だった。(


 再び車に乗り、両替商に立ち寄ってもらい、USD90をINR5,580に替えてもらった。シヴァさんへのお礼も含め、これで足りるといいのだが。1900にホテルに戻った。2000にロビーでシヴァさんと待ち合わせて、明日の予定を決めることとし、部屋に戻ってここまでの日記をつけておいた。


 2000にロビーで再度シヴァさんに会い、このホテルの地下にあるレストランへ。チェックインの際にもらった夕食券を出すと、3パターンのセットの中からどれかを選ぶ形式だった。何だかよくわからないので、Option1にしておく。スープはトマトを選択、これが意外に美味しかった。その他、チキンをローストしたようなもの、カレー、野菜などを使った米料理などが出た。どれも、(失礼ながら、このホテルのレベルから予想したよりははるかに)美味しかった。
 明日は、まず日の出を海辺で見るために0545にホテルのロビーで待ち合わせ、その後にいったんホテルに戻って朝食を摂り、チェックアウトして0845に再度ホテルのロビーで待ち合わせとなった。その後、カニャクマリの観光ポイントを観て回り、そのまま車でコヴァラム・ビーチのホテルまで約2時間半のドライブとなる。
 2015年夏の旅もはや後半戦、今回も楽しく充実した旅となっているのは有難い限り。


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