昨年の南インドの旅でのアラップーザとコヴァラム・ビーチでの『何もしないひととき』は大きな寛ぎだった。今年の旅を考えたとき、またあのような寛ぎを味わいたくなり、移動を出来るだけ簡便にして、ほぼ全行程を一ヶ所で終えるような旅をしてみたい、と思った。といって、観光の要素も少しは入れておきたい… というわけで、以前からの憧れの風景だったエーゲ海の島、特に、サントリーニ島に行ってみよう、と考えた。
しかし、パック型個人旅行を探してみても、一週間の行程ではどうしても二ヶ所以上を巡る旅となっている。さらに、サントリーニ島のホテルはほとんどがカップル・家族向けで、一人部屋を提供しているホテル自体が非常に少ない。手配を諦めかけたが、何度もbooking.comを探したところ、ちょうど夕景で有名なイアで、手頃な価格で、一人部屋を提供するホテル"Elea Resort"を見つけ、予約した。
サントリーニ島への往復はアテネを拠点にするとしても、アテネを観光する気もなかったので、出来るだけ長くサントリーニ島にいるために、サントリーニ島滞在初日の始発のフライトと、滞在最終日の最終のフライトを確保。アテネへの往復のフライトについては、アブダビ経由のエディハド航空に強く惹かれたものの、結局、価格と乗り継ぎの便利さには勝てず、またもモスクワ経由のアエロフロートとした。初日は22:30頃にアテネ空港に到着し、翌日05:15発のフライトで発つこととなったので、この日はホテルも予約せず、空港で夜明かしすることにした。帰路では、アテネ空港に22:00頃に到着し、翌日13:00発のフライトで発つので、空港直結のソフィテルに一泊することとした。これらの手配を全てネットで行い、スマートフォンで管理できるのだから、旅も変わったものだ。宿泊代は例年に比べて高いものの、移動にかかるコストは例年よりも安いので、結果的にほぼ例年通りの予算に落ち着いた。
また、旅程において使う現金については、今回はユーロの現金をあまり持たず、ソニー銀行のユーロ預金を引き出せるSony Bank Walletを使ってみることにした。現地のATMでユーロを引き出すことになる。
12:00発のSU235でまずはモスクワへ。そういえばアエロフロートも久しぶりだ。ほぼ満席で、以前よりも心持ち狭くなったような気がする。10時間のフライトで、途中頭痛がしてきたので頭痛薬を飲んだ。
16:30(時計が6時間戻る)にモスクワ・シェレメチェヴォ空港に到着。ターミナルDに着くはずがなぜかターミナルFとなった。アテネ行きフライトがターミナルFから出るので私にとっては便利だが、パリ行きなど大半のフライトはターミナルDから出るはずなので多くの客にとっては不便だろう。しかも、ターミナルFの国際線乗り継ぎのパスポートチェックが混雑している。まぁ、パスポートを見せてスタンプをもらい、手荷物のセキュリティチェックを受ければ、20分ほどでゲート側に出られるのだから、以前のキエフやシンフェローポリを訪れた際の経験に比べればずっと良くはなっている。
ターミナルFは以前のシェレメチェヴォII, 一人旅を始めた頃に何度もお世話になった思い出深いところだ。店はさらに増え、雰囲気もやや洗練され、以前ほどカオスな雰囲気はなくなったが、それでも以前の残り香を少しは感じることもできる。ただ、2階にあった土産物店、以前はスポーツユニフォームなど他にない品揃えで、今回も何か手に入るか楽しみにしていったのだが、普通の品揃えになってしまったのが残念だった。ここも、いつか、ターミナルDのような、洗練された(しかし何処にもある普通の)ターミナルになるのだろうか。ちょっと名残惜しい気がする。
18:30発のSU2112でアテネへ。これも満席だ。約4時間ほどのフライトで、機内食も出るらしいので、予約時にFruit Platterを選択しておいた。ちゃんと出れば儲けもの、くらいの気持ちだったのだが、ちゃんとフルーツのセットが出てくれた。量が少ないのも有難い。
22:30にアテネ到着。入国も預け荷物の受け取りもスムーズに完了。ATMがあったので現金の引き出しを試してみるが、これも問題なく完了。いったん到着側に出て、そのまま出発側に向かう。と、既に搭乗予定のA3 350のチェックインゲートが出ていたので行ってみると、チェックインしてあれば荷物の機内預け手続きが出来るようだ。夜明かしには荷物が少ないほうがいいに決まっているので、荷物の機内預けを行い、ついでにボーディングパスを印刷してもらう。これで23:00, あとは搭乗の始まる04:30まで過ごすのみ。フードコートに向かい、ハム・チーズ・目玉焼きのパニーニとカフェラテで腹ごしらえ。ついでに、日本で借りてきたモバイルwi-fiでネット接続を試し、ここまでの日記を書いておく。さすがに眠い。