そのままカフェで03:00頃まで居眠りする。空港に関する口コミでは、アテネの空港は寝るには不便、とあったが、2時間ほどでも眠ることが出来てよかった。サントリーニ行きのフライトが出るゾーンAへ、ボーディングパスを見せて入る。免税店街となっているようだが、さすがにこの時間では一部の店しか開いていない。早朝のフライトもいくつかあるせいか、旅客は意外に多い。
さて、搭乗開始予定時刻は04:35なのだが、手荷物検査に長い行列が出ているので、03:40には並ぶこととした。その後、カウンターがいくつか開き、意外にスムーズに手荷物検査を終えることが出来た。手荷物検査を終えると店などはほとんどない。サントリーニ行きA3 350のゲートは30番と出ていたのでそちらに向かう。30番ゲートの前もけっこう人が多い。向かいに座っていた中国人の女性2人と(英語で)少し話した。親子かと思ったが、先生と生徒で、生徒さんが中学を卒業した記念に1ヶ月ほどヨーロッパを廻っているのだそうな。英語も完璧だし、もしかするとものすごく上流階級の人たちだったのかもしれない。それにしても、中国はどうなっていくのだろう。
04:40に搭乗開始、バスで機材まで運ばれる。わずか45分という、これまでで最も短いフライトだ。05:20に離陸、海上を飛んでいく。06:05にサントリーニ島の空港に到着。ここがこの旅の目的地である。預け荷物を受け取り、私の名前を出してくれていたドライバーと合流し、ホテルに向かった。
いくつかの街を抜けていくが、どこも大した規模の街ではない。街と街の間は意外に急峻な斜面の荒れ地となっていて、その斜面を縫うように道路が造られている。ようやくに夜が明けてきた。30分ほどで、今回の宿である”Elea Resort”に到着。このトランスファーもホテルに頼んでいたので、料金もホテルに支払えばいいらしい。
さて、まだ7時で、当然にチェックイン時間(14:00)前なのだが、朝食こそついていないものの、なんと部屋を使わせてくれるらしい。てっきり荷物を預けて14時まで何処かをうろつかなければならないと考えていたので、これは有り難い。部屋は一人用の、ベッドと小さなテーブルがついているだけのつくりだが、イアに一人部屋があるだけで十分だ。ホテルは広い敷地をぜいたくに使っていて、建物は2階建てくらいの高さしかない。プールが2つあるうえ、小さいながらプライベートプールを備えた部屋まである。とにかく手足を伸ばしてひと眠り。
11時過ぎに目が覚めたので、憧れだったイアの街を歩いてみることにする。このホテルは街外れにあり、中心部までは急な坂を上って10分ほど歩かなければならない。暑さはさほどでもないが、とにかく陽射しが強く、日焼け止めとサングラスが必須である。バスターミナルを兼ねた広場に出ると途端にたくさんの店と人出。その横の道を行くと、正教の教会前の広場に出た。広場は海に面している。青い空とドームと海、白壁の教会の鐘、まさしくサントリーニのイメージそのものの風景だ。広場を横切る道がメインストリートのようで、レストラン・カフェ・土産物店が軒を連ねている。ところどころに小道があり、それを行くと斜面を下って、崖に面したイアの街を見ることが出来る。ここはもともと火山のカルデラになっていて、急峻な斜面に家並みが造られていったらしい。それらの家々は、いまや多くが高級リゾートとなっているが、それも納得の美しさ。何処にカメラを向けてもシャッターを切りたくなる。
メインストリートを行くと、小さな要塞跡のようなところに出た。ここは、『世界で最も有名な夕陽』ともいわれるイアのサンセットを見るために、夕方ともなれば大勢の人が集まるらしい。イアの街は右手へと続き、風車などもある。海を背に少し路地へ入ると途端に人通りが少なくなった。小さな教会がある。祭壇やイコンも整備されていて、観光用ではない現役の教会と思えた。
昼食時になったので、メインストリート沿いの"Thalassia"というレストランに入り、サントリーニ風パスタ・アーモンドと蜂蜜をかけたヨーグルト・レモネードを注文。パスタは、要するにトマトパスタでそこそこ。ヨーグルトは酸味があまりなく、すいすいと食べられる。EUR24は少し高いが、観光地価格としてはこんなものだろう。
眠気を覚えたので、写真を撮りながらホテルへ戻る。バスターミナルでスーパーを見つけたので水を購入し、13時にホテルへ戻った。そういえば今日は2時間しか寝ていない。15時まで転寝する。目が覚めた後はプールへ行ってみた。大きな銭湯の浴槽くらいの広さで、泳ぐというよりは水浴びをして、プールサイドのベッドで日光浴を楽しむためのものだろう。日光と風が本当に心地好い。滞在中、午後のひとときはこうやって過ごそう。(ホテル代も決して安いものではないし) 部屋に戻ってまた転寝。
『世界で最も有名な夕陽』を見るために18:30に再度外出。夕食は、TripAdvisorで評判がよく、安そうな"PitoGyro"でポークジロとコーラ。炭火焼の豚肉の切り落としにトマトなどを混ぜてヨーグルトをかけ、パンで巻いたロールサンドだ。炭火焼の焦げ目も香ばしく、とても美味しい。これでEUR4.6はかなり良心的。
メインストリートに戻る。ただでさえ狭い通りに、夕陽を見るためにすさまじい人出で、すれ違うのも一苦労。有名なスポットである要塞跡は既に人で埋め尽くされていて、壁や塀の上に座る人も。足を滑らせたら海へ真っ逆さま、なんだけど… どうにか一人分のスペースを確保し、傾き始めた夕陽を眺める。穏やかで、ロマンチックな夕陽だ。ただ、場所がよくないのか、夕陽がイアの白壁を赤く染める、ということはなかった。オレンジとピンクがない交ぜになったような空にイアの街が包まれているというのは幻想的で好い。やはりここまで来た甲斐があった。水平線近くに雲があったようで、海面に沈む夕日を眺めることはできなかった。陽が沈むとあちこちから拍手が上がった。
陽が沈み、帰路につく観光客で街は大混雑。レストランやカフェは夜間営業に入るようだ。深夜まで賑やかなことだろう。20:45にホテルに戻った。シャワーを浴びると眠気が襲ってきたので、この日記を途中までつけて、22:30には眠ってしまった。