Santorini

 今日も8時起床、9時に朝食。このホテルの朝食は美味しいのだが、いかんせん量が多すぎる。食べ物を残すことに心理的な負担を覚える。それと、ケーキ類が甘すぎる。シロップ漬けにしたうえにホイップクリームを死ぬほどかけるとか…
 ここまではここ数日と同じだが、ここからは違う。今日はチェックアウトしサントリーニを離れなければならない。気が進まない…などといっても詮無きことなので、気持ちを切り替えてきちんと荷造りをする。荷造りを終えて、1時間ほど転寝した。今回の旅は寝てばかりだ。


 11時になったのでレセプションへ行きチェックアウト。空港へのトランスファーが19時であることを再確認する。レセプションの人も暇だったのか、お喋りにつき合わされた。この人もいずれ日本を旅してみたいのだとか。お世辞半分かもしれないが、訪れたいと思ってくれる日本でありたいと思う。
 19時までは、イアの名残を惜しみつつ歩き回る。もう見慣れたメインストリートとも今日で当分お別れだ。素通りしていたブティックやジュエリーショップ、土産物店などを冷やかしつつ要塞跡へ。今日も海と空が青く美しい。今日の風も少しひんやりとしていて、風に当たっていれば汗をかかないほど。丹念にイアの街を歩き回る。
 13時になったので、"Roka"に行ってみるが、今日も休み。もう一度あの料理を味わってみたかった。"PitoGyro"へ行き、ポーク・スーブラキを注文。炭火焼の香ばしい豚肉とポテト・トマトなどをピタのようなパンで包んだロールサンドだ。これもとても美味しい。これは日本で出してもそれなりに流行るような気がする。


 メインストリートへ戻り、反対側の端にある教会を目指して歩く。さらに、教会を過ぎて、いったん道路へ出てさらに歩く。すると、また崖沿いに小さな集落があった。ここはスーパーマーケットくらいしか店がなく、ほとんどがリゾートになっているようだ。 歩いている観光客もおらず、リゾート内で寛いでいる人とスタッフしかいない。中心部から少し離れるが、静かに過ごしたいならばこの辺りもいいかもしれない。丘の上の教会の鐘まで歩き、そこから引き返した。
 メインストリート端の教会まで戻り、日陰のベンチで一休み。15時ともなると日陰で昼寝している人も多い。旅だからと言ってあちこち見て回ったり遊び回ったりするだけではなく、こんな過ごし方もあっていいはずだ。エーゲ海の太陽と風の中で昼寝するなど、そうそう体験できるものではない。


 メインストリートをゆるゆると戻り、"Skiza Cafe"へ。テラスの端の席を上手く取ることが出来た。海を見晴らしながら、ギリシア風のスイーツとレモネード。パイ生地の中にアプリコットやナッツなどを詰めたもので、ほどほどの甘さで美味しい。何よりも、海を見晴らしながらゆっくり休めるのがいい。高級レストランには行かなかったのでこういうロケーションを楽しめることは期待していなかっただけに満足感もひとしおである。
 17時を過ぎて店を出て、名残を惜しむために要塞跡へ、陽も傾きはじめ、海も陽光を反射して眩しく輝いている。座っている人は、早くもサンセットを見るための場所を確保しているのだろうか。眼下の海岸からは、クルーズを楽しんだ人たちがロバの背に乗って階段を登っている。夏の間中、こんな光景が繰り返されているのだろう。
 18時になった。そろそろ切り上げ時である。要塞跡を出て、観光客でごった返すメインストリートをゆっくりと戻る。広場に出て、最後にもう一度海を見て、海を背にバスターミナルへ。そこから急な坂を下り、ホテルへ戻った。
 まずはバックパックの荷を整理し、トイレを借りて汗を始末し、シャツを替えた。あと20分。レセプションの人が水とおしぼりをくれた。しかし、19時になってもトランスファーが来ない。確認してもらうと、渋滞のため10分遅れるとのこと。結局、トランスファーが着いたのは19:30だった。出発予定時刻は20:55だし、国内線だし、空港まで30-40分くらいなのでまだ大丈夫とは思うが… と、TripItがフライトが30分遅れる旨を伝えてきた。レセプションの人が手を振って見送ってくれる。


 隣のホテルで別の観光客を乗せ、空港への道を行く。しかし、フィラの街で渋滞に巻き込まれなかなか進まない。20時を過ぎるとさすがに焦る。なんとか渋滞を抜け、20:10に空港に到着。アテネ行きA3 360のチェックインカウンターには長蛇の列が出来ているが、既にチェックインを終えているので空いている荷物預けカウンターで手続きをすることが出来た。そのままセキュリティチェックを終えると、小さな待合室は大混雑。このサイズの空港で国際線を含め多くのフライトを扱っているが、全て遅れているようだ。アナウンスの英語が酷い訛りでとても聞き取れない。TripITを常にONにしておくと、さらにフライトが遅れ、45分遅れとなることを教えてくれた。45分のフライトで45分遅れとは… しかも空港の告知ディスプレイには遅れに関する情報は何も出ていない。この空港は、サントリーニでの素晴らしい思い出の最後に汚点を打つような酷さだ。
 ようやくゲートが開いたが、次は機材までのバスを待つ。目の前を空のバスが過ぎていく。まず隣のフライトを待つ客のところにバスが到着し、半ばやけになったような拍手が起きた。次いでこちらにもバスが到着、乗り込む。機材に案内され、そのまま自分の席に座った。定刻より45分遅れて21:40にようやく離陸、さらばサントリーニ。


 きっちり45分ほどで、22:20にアテネ着。機材がターミナルに近づいていくのでボーディングブリッジを使うのかと思いきや、ボーディングブリッジは機材の直前で止まり、結局バスに乗ることになった。もう笑うしかない。アテネで他のフライトに乗り継ぐ人たちがスタッフにいろいろ言っているが、気持ちはよく分かる。ようやくターミナルの建物に入り、預け荷物を受け取り、空港内の売店で水を買って、空港横のソフィテルにチェックイン。23時にようやく部屋に入ることが出来た。バスタブがあるのは有り難い。wi-fiも使えるので、モスクワ行きSU2111と東京行きSU260へのチェックインを終えておいた。
 明日はこの旅の最終日、午後のフライトでモスクワ経由で東京に戻る。サントリーニで寛いだので疲れはほとんどない。


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