06:45起床。今日は、午前中にブハラの主要な見どころを廻り、午後は部屋で休んで、夕方には再びミナレットの夕景を楽しもう、という算段である。ごく普通の朝食を多めに摂り、08:00に観光を開始。
まずは、少々外れたところにあるチョール・ミナールを目指す。4つの小さな青い塔をいただく建物らしい。旧市街外れの住宅地の中にあり、そこまでの正確な道筋もわからない。何となくその方角を目指して住宅地を歩いていると、おしゃべりしていたおばさんがこちらを見て『あっちだよ』というように身振りで教えてくれた。お礼を言い、教えてもらった方角に行くと、すぐにチョール・ミナールに辿り着いた。旅が出来るのは現地の方の親切のおかげです。チョール・ミナールは小さな公園の中にある小さな建物で、改修工事中だった。青い4つの塔が青空に映えて美しい。(
・)
チョール・ミナールを後にしてへ戻る。通り沿いにはたくさんのホテルがある。こんなに多くの観光客が訪れるものだろうか…? ラビ・ハウズの横には、周囲の地面よりも低いところにある、がある。モンゴル帝国の襲来によりブハラの街が破壊された時も埋もれていたので破壊されなかった古い建物だそうな。煉瓦を組み合わせた陰影が何とも美しい。
タキを通り、ミナルへ。午前の太陽の光を浴びて明るく輝くミナルも美しい。タキの反対側にあるウルグベク・メドレセへ。これまで見たメドレセに比べればシンプルな外装だが、賢者として名高かったというウルグベクには相応しいようにも思われる。今日も路面工事中なうえに、だんだんと風も強くなってきて砂埃が舞う。気温もどんどん上昇していく。暑い…(・・)
ミナルへ戻り、さらに先へ歩くと、右手に大きな
が見えてきた。ブハラを治めたハンの居城だったアルクだ。入場料に加えて撮影料で計26,000スムも取られた。中はハンが治めていた頃のモスクや謁見の間、当時の品物を展示する小さな博物館などがいくつかあるが、謁見の間といっても何もないうえに絨毯屋と化しているし、博物館といってもそもそもブハラの歴史に詳しいわけでもないのでよく分からない。小部屋なども全て土産物屋と化していて、商店街に入るために26,000スムも支払わされたのか、という気分になってくる。ただ、ジャーメ・モスクだけは、珍しく木材を用いた建築でなかなか面白かった。また、高いところからは、現代のブハラを眺めることが出来たのがせめてもの救いだった。(・・・・・)
アルク城の向かい側は、道路を挟んで公園になっており、そこにも木材を用いたつくりのボラハウズ・モスクがある。現役のモスクにもかかわらず入場できるらしく、履物を脱いで入ってみた。中は現代的な内装の祈りの間で、冷房も効いていて一休みにもちょうどよい。正面にミフラーブがあるのでそちらに深く礼をし、水を飲みつつしばし休む。任意の寄附を求めていたので、5,000スムを置いてきた。(・)
最後のみどころを目指し、近くにある別の公園の中を歩く。遊園地になっているらしく、個人で勝手にやっているような遊具や観覧車などがある。その外れに、目指すイスマーイール・サーマーニー廟がある。この廟は9世紀の終わり頃に建てられ、ブハラのほとんどを破壊しつくしたモンゴルの襲来を生き残ったもので、中央アジアでも最古のイスラーム建築なのだそうな。そんな貴重なものを野ざらしでいいのだろうか… やはり煉瓦を組み合わせていろいろな模様をつくりだす様式で、何も塗っていないはずなのに何故か表情が豊かに見える。(・)
11時を過ぎ、ますます暑くなってきた。吹き付ける風もますます強くなり、もはや熱風だ。これでブハラで見たいところは一通り廻ったので、昼食を摂ることにし、旧市街へ戻って、昨日も訪れた"Minzifa"に入った。今日はベジタブル・プロフとパン、紅茶を注文。料理がすぐに運ばれてきた。プロフはあっさりとしていて油も浮いておらず美味しい。レーズンの味がアクセントになっていて、コヴァラム・ビーチで食べたあのカレーを思い出した。紅茶をゆっくりと楽しみ、計16,000スムを支払って、13:00に店を出た。
部屋へ戻る前に、ラビ・ハウズの傍の日陰で少し休みたくなった。売店で1.5リットルと1リットルの水を計3,500スムで買い、水辺の木陰の席で休む。熱風も、日陰では暖かく心地好い風だ。インターネットにつないで天気をチェックしてみると、やはり40℃を超えていた。まぁ、ガリラヤ湖畔で体験したあの蒸し暑さに比べれば天と地ほどの違いだ。眠気すら覚えるが、ここで眠ってしまうと脱水症状を起こすような気がするので、眠らないようにする。
14時近くになり、さすがに熱さと眠気が耐え難くなってきたので部屋に戻り、シャワーを浴びて、冷房を効かせてひと眠り。ところで、明後日のヒヴァでは12時までにチェックアウトしなければならず、この手が使えない。どうやって午後の酷暑を乗り切ろうか…
16時まで眠り、17時に再度外出。まだ暑さは収まっていない。またも
の木陰で暖かい風に吹かれながらぼーっと過ごす。この時間にバスで到着する観光客もたくさんいるようだ。傾き始めた陽の光の中で子どもたちが元気に駆け回っている。この辺りはリニューアルを終えているようで、路面も整備されているし、綺麗なホテルやレストラン、カフェなども開業している。いずれ、ブハラの旧市街全体がこんな感じになるのだろうか。
18時を過ぎたが、やはり空腹にならないので、今日も昨日のカフェでコーヒーとアップルパイ。19時近くまで過ごし、16,000スムを支払った。
ブハラ観光の締めは、昨日と同じくミナルの夕景を眺めながら、としたい。8,000スムを支払って入場し、夕景のドーム・門・ミナルのアンサンブルを楽しむ。人影もなく、感傷的な、しかし美しい光景だ。ブハラに来て本当に好かった。この夕暮は忘れられないひとときとなった。(
・・)
19:30になり、陽光も弱まったので、ミナルを後にしてホテルに戻った。暗くなり始めたラビ・ハウズ周辺では、カフェなどが賑やかになっている。観光と旅情の両立は難しいものだが、ブハラはどのような道を辿るのだろう。
明日は、今回の旅における(事実上)最後の訪問地であるヒヴァまで約400kmのドライブである。08:00にドライバーが迎えに来てくれることになっている。朝食を多めに摂ったうえで、念のため、水1.5リットル、塩飴、カロリーメイト、冷えぴたなどを準備しておこう。
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