Malta

 07:00起床。この時間であれば、利用者が少ないのかwi-fiもまだましだったので、明日搭乗するフライトのオンラインチェックインを無事に完了できた。朝食を摂り、08:30に観光を開始。今日は、紀元前3000年以上前の遺跡であるハジャーイム神殿と、ムディーナの市街を観光するつもり。
 まずはバスでバレッタのバスターミナルに行き、ハジャーイム神殿行きのバスを探すが、1時間に1本しかなく、次のバスが09:40ということで30分以上も待たされる羽目になった。ようやくバスに乗ると、このバスは観光客が多いのかあっという間に満員に。バレットを離れると、住宅街のような街になり、やがて野原になった、途中、大きな教会、いくつもの大きな旗、真新しいが人気のない住宅街という街を過ぎたのが気になった。10:10過ぎにハジャーイム神殿最寄りの停留所に到着。戻りのバスの時刻を確かめて、神殿に向かった。この周囲も岩の多い土地で家などもなく、遠くに海が見える。今日の陽射しは一段と暑い。
 ハジャーイム神殿は紀元前3000年以上前の巨石で造られた神殿の遺跡だ。EUR10を支払い入場。まずは簡単な紹介フィルムを見せられた後に、神殿跡へ。一部が修復されており、建物の中の通路を歩くこともできる。といっても大きなものではなく、すぐに一周できてしまう。(


 さらに500mほど海のほうに
を下ると、もう一つの遺跡であるイムナイドラ神殿に行くことが出来る。復路は登り坂となるのだが、行くしかあるまい。海からわずかに吹く風が心地好い。何処までも青い空と深い青を湛えた海、そして岩だらけの小島が好い。ちょうど観光客が絶えたときで人の声もせず、風の音を存分に楽しんだ。イムナイドラ神殿も同様の遺跡で、修復されたところを歩いたり登ったりすることが出来る。スケール感には乏しいかもしれないが、5,000年以上前の人々に思いを馳せながら遺跡と海を見るのはとても印象的なひとときだった。(

 復路の登り坂をひたすら歩く。ガリラヤ湖での山登りを思い出したが、あの時と違って風が涼しいのではるかにましだ。これでここの観光を終えたので、土産物店で水を買って一息で飲み干し、バスの時間まで一休み。時刻表の10分前にバス停に戻った。周囲に何もなく、これまたタブハでのバス待ちを思い出した。もっとも、あの時と違ってここには時刻表がある。定刻通りにバレッタ行きのバスが来た。約40分ほどでバレッタに戻った。


 昼食を摂ることにして、昨日も訪れたフードコートへ。今回はシーフード料理店で

シーフードリゾット
を注文した。10分以上も待たされたが、出てきた料理はかなり本格的なものだった。シーフードの旨みが凝縮されていて本当に美味しい。量も多く、これでEUR12というのは良心的といえる。
 バスターミナルに戻り、13:40にムディーナ行きのバスに乗った。運転手にムディーナに行くことを確かめたのだが、これが良くなかったのかもしれない。バスに乗ってすぐに居眠りしてしまい、目が覚めるとラバトという大きな停留所だった。地図を見るとラバトの停留所からムディーナまで少し歩く必要があるように思えたので、ここで降りずにムディーナのバス停まで行くつもりで乗り続けたが、どんどん離れていく。乗客もほとんどいなくなってしまった。どこかのバス停に長く停まったときに再度運転手に訊くと「ムディーナは過ぎたよ。またムディーナに行くからこのまま乗ってればよい。」という。つまり、ここは終点で、これからバレッタに戻るバスになってしまったのだ。再び出発し、10分ほどで先ほどのラバトのバスターミナルで「ここだよ。」といわれたので降りた。結局、30分以上も無駄にしてしまったが、まぁ座って休めたからよし、と思うことにしよう。
 運転手に教えてもらった方角に歩き出した。入り組んだ街並みはなかなか面白い。大きな教会もあり、ここがムディーナなのかと思ったが、どうも地図と合わない。30分近く歩いて何だかわからないので、いったんバスターミナルに戻ると、反対側に城壁に囲まれた街がある。こっちがムディーナだった! あの運転手、嘘ばかり言いやがって… いや、こちらの訊き方が悪かったのかも…


 ムディーナという街の名前からはアラビア語、そしてイスラーム文化の香りを感じるが、街の中には大聖堂をはじめいくつも教会があり、れっきとしたカトリックの街である。綺麗に再整備されたものか、統一の取れた、しかも入り組んだ街並みが美しい。月夜にはいっそう映えるのではないか。多くの家や店が植えている花もいいコントラストになっている。大聖堂が併設している博物館にEUR5を支払って入場した。大聖堂にまつわる銀製の道具や絵画、文書などが展示されているが、ここの歴史にも西洋絵画史にも詳しいわけではないので今一つわからない。そのまま大聖堂に入った。この規模の街にしては壮麗な内装の大聖堂だった。ハジャーイム神殿はじめマルタには長い人間の記録があるが、中でもカトリックの影響を強く感じる。なかなかに興味深い土地だ。(


 バレッタに戻るためにバスターミナルに戻ったが、バスがなかなか来ない。待っている客もどんどん増えている。とにかく暑いのでみな木陰にいる。ようやく来たバスはあっという間に満員に。上手く座れてよかった… ところがこのバス、とにかくあちこちを廻って時間がかかる。途中から、このバスの路線番号が出ていない停留所に停まるようになった。もう何が何だかわからない… ようやくバレッタに戻ったら既に17時を過ぎていた。今日はバスにツキのない一日だ。


 とにかく暑いので、共和国通り沿いで人だかりのしていたジェラート屋で、レモンとオレンジのジェラート(小)をEUR3.6で買って食べた。これもあっさりしていて、ジェラートというよりはシャーベットに近く、むしろ好みに合う。こういうのが最近の流行なのだろうか? そのまま「騎士団長の宮殿」前の広場に行くと、木陰のベンチが空いていたのでそのまま寝ころんだ。青空がとても美しい。そのまま少し微睡んだ。
 18時を過ぎたので、軽めの夕食を摂ることにした。マルタのパンをつかった

フティーラ
というサンドイッチを食べてみたくなったので、ちょうど近くにあった "67 Kapitali" へ。店員さんのお勧めはスモークサーモンとのことなのでそれと炭酸水を注文した。トーストしたマルタのパンでスモークサーモンやクレッソンなどをはさみ、岩塩をかけたもので、食べたかった夕食にぴったりだった。付け合わせのポテトチップも、油・塩ともに控えめでとても好い。EUR8.6を支払った。
 バレッタからの最後の移動となるので、対岸のスリーマまでのフェリーを使うことにした。城壁の上の通りまで出たが、フェリーの乗船場のある海岸に降りる道を探すのに右往左往した。ようやく乗船場に行くと既に何組もの客が待っている。15分おきに出るらしく、次は19:15の予定だ。この次の船からは夜間料金が適用されるらしい。バスに乗るためのICカード乗車券は使えないとのことなので、EUR1.5を支払って船に乗った。バレッタの街を見ていたかったので、あえて進行方向とは反対側の席に座った。船が出発すると、徐々にバレッタの街並みが見えてくる。城壁と街並みと教会のドームがとても美しい、ちょうど夕陽に照らされていてタイミングもベストだった。時々大砲を打つ音が響き、煙が上がるのも好い。最後にバレッタで最も印象的な光景に出逢うことが出来た。10分ほどでスリーマの乗船場に着いた。ここからバレッタに行くための客がたくさん待っている。近くのバス停からバスに乗り、19:30にホテルに戻った。(
)


 明日は、13:00にホテルのロビーでドライバーさんと待ち合わせ、空港に向かう。15:30発のEK110で約7時間かけてドバイへ、1時間40分の乗り継ぎでEK318で成田へ戻る旅程だ。エミレーツ航空だからまぁ大きなトラブルはあるまい…と思いたい。午前中は、洗練された雰囲気のカフェやレストランなどがあるらしい、ホテル近くのセントジュリアンの街を歩いてみるつもりだ。毎年思うが、旅行の一週間は本当にあっという間に過ぎてゆく。


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