Seville

今朝は07:30頃まで寝ていて好いというのに、やはり5時過ぎには目が覚めてしまう。この早朝覚醒にも困ったものだ。せめて起きだすことはせずにぐだぐだする。8時に朝食を摂りに行った。そういえば、今回の旅で初のホテルでの朝食だ。いかにもホテルの朝食という品揃えで、焼きリンゴ・ラタトゥイユ・ソーセージ・フルーツなどを摂った。08:45に観光を開始。
 今日は、まずセビリアのもう一つの見どころであるアルカサルを観光する。これのチケットも購入済みで、その中にある Cuarto Real Alto というところを観光する時刻が10:00と指定されている。アルカサルの開場が09:30なので、ゆるゆると歩きながら向かう。この時刻の空気は爽やかだ。9時過ぎにアルカサルに着いたが、既に入場待ちの列が出来ている。チケットを購入済みの人も列をなしているので、とりあえず並んで待つ。09:30に開場、スムーズに入ることが出来た。(


 まずは Cuarto Real Alto へ。アルカサルは昔の宮殿なのだが、一部は現代の王族の宮殿としても使われており、それがCuarto Real Altoらしい。30分ごとに区切られたグループで入場することになっていた。英語の解説を流してくれる解説機を借りて、手荷物を検査機に通したうえでロッカーに保管する。ここには手荷物もカメラもスマートフォンも持ち込めない。12人ほどのグループとなり、セキュリティを伴って中に入った。いくつもの小部屋があり、それぞれの内装や調度品、王族のどなたが何のために使っている部屋なのかを解説してくれる。イスラーム風の内装が基本なのだが、ダイニングルームなどは完全に欧風の内装となっているのが面白い。離宮ということもあってかこじんまりとしてはいるがやはり壮麗だ。30分ほどで観光を終えた。
 アルカサル内に戻り、観光を続ける。イスラーム風の幾何学模様の装飾やタイル細工が美しい。最大の見どころは「大使の間」(
)。王に謁見する大使が待たされた部屋なのだそうな。イランやウズベキスタンで見た美に勝るとも劣らない美しさだ。天井まで見上げて、その幾何学模様に眩暈を覚えるのも好い。その横にある
「乙女の中庭」
は、中央に水路を配した中庭を取り囲む回廊とアーチが美しい。その他の部屋も、色とりどりの幾何学模様やクルアーンの文字、タイル細工などで彩られている。そして、その上に大航海時代やキリスト教の説話などを描いたタペストリーや絵画がかかっているのが面白い。イスラーム文化とキリスト教文化の融合というところか。
 あちこち歩きまわっていると裏手の庭園に出た。時刻は11:30をまわり、徐々に暑くなってきたので、庭園はざっと歩くだけにした。カフェテリアでタルトとコーヒーで一休み。12:00にアルカサルを出た。明後日に訪れる予定のアルハンブラ宮殿がますます楽しみになった。(


 セビリアで見たいところはあと2ヶ所。まずは昔の

タバコ工場
。ここは、あのオペラ「カルメン」で主人公のカルメンが働いていたところだ。帰国後、ニューヨーク滞在中に買った「カルメン」のCDを聴いてみよう。そこからさらに10分ほど歩き、スペイン広場に行った。もともとはセビリア万博の施設だった、半円形の大きな建物がある公園で、この建物は「スター・ウォーズ」などのロケで登場したこともあるらしい。…どのシーンだか思い出せなかったが。(

 13時を過ぎて暑さも厳しくなりはじめ、空腹も覚えたので、サンタ・クルス街あたりで昼食を摂ることとし、来た道を戻る。タパスを出す店もたくさんあり、入りたくなるような店を探してふらふら歩く。(
) 何となく好いような気がした "Antiquedades Bar" に入った。日本語のメニューもあり、「当店のおすすめ」の中から、魚介類のパエリア・生ハムのコロッケ・スペイン風野菜の煮込みのタパスを注文。スペイン風野菜の煮込みは要するにラタトゥイユだったが美味しい。パエリアもむしろあっさりめで、小皿ということもありスムーズに食べられる。生ハムのコロッケは、クリームの中に生ハムのきれっぱしが入った親指大のコロッケ3つで、これはちと外れ。水とエスプレッソをつけてEUR13.20なら満足。14:30に店を出た。


 これでセビリアの観光プランは一通り完了。あとは旧市街を夕刻までぶらぶらする。いろいろな表情があって面白い。その後は、いったん駅からのバスを降りたところに戻った。ここに古めかしいつくりの菓子店があり、何となく覗いてみると、立ち食いで食べることもできるらしい。 何となく目についた Cervantinos という菓子を食べてみた。シロップに漬けたタルトの生地のようなものを小麦粉の皮で包んだようなもので、とにかく甘い! 味は悪くないので何とか完食できたが… EUR2.7を支払った。
 この近くで、セビリアのサッカークラブであるレアル・ベティスのグッズを扱っている店を見つけた。「ベティス万歳、たとえ敗れようとも!」(Viva Betis manquepierda!) などというフレーズがあるようなクラブとあれば応援せずにはおられぬ。アウトレットで安くなっていたTシャツを買った。
 17時に近くなっても、今日は曇りがちで、気温も昨日ほどには上がらず、それなりに過ごしやすい。カテドラル近くまで戻り、木陰のベンチでうたた寝した。風に吹かれながら屋外でうたた寝するのは旅の醍醐味である。本当に心地好かった。
 18時近くになり、明朝の移動を考えるとそろそろ軽めの夕食を摂ってホテルに戻る頃合いだ。昨夜も訪れた "Bar Estrella" に行き、今日のタパスを注文した。出てきたのは牛肉の煮込みだった。ほろほろと崩れるような肉で美味しい。今日の夕食は子のタパス一皿で十分だろう。水をつけてEUR5.5を支払った。これでセビリアの観光を手仕舞いとし、18:30にホテルに戻った。


 明日は、08:15発のバスで今回の旅の最後の訪問地であるグラナダへ向かう。約3時間の旅程だ。07:15にはホテルをチェックアウトするつもりなので明朝の朝食を摂れないのが残念ではある。


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