Granada

 昨夜も22時に就寝したのに1時過ぎに目が覚めてしまい、その後も何度か目が覚めて、05:30頃には完全に目が覚めてしまった。どうしようもないのでのろのろと身支度を整えて07:10にチェックアウト。フロントや内装設備がお洒落なのはともかく、部屋のつくりが使いづらいので、一人旅としてはやや割高なホテルだった。
 今日は08:15発のバスでグラナダへ向かう。夜明け前のセビリアの街を荷を運びながら歩く。30分ほどでバスターミナルに着いた。プラットフォーム番号が掲示されていないのでインフォメーションに訊ねると「26番か27番」とのこと。忙しそうなカフェテリアでクロワッサン・オレンジジュース・エスプレッソを注文、EUR5.6を支払った。こちらのクロワッサンは日本のそれの2倍以上の大きさがあるので、半分足らずを食べるだけにしておく。エスカレーターを降りて26番のプラットフォームに行くと既にバスが停まっており、係員に訊ねるとこれがグラナダ行きだと確認できた。と、スペイン人と思しきばぁさんに話しかけられた。セビリア行きの列車で近くに座っていたのだそうな。同じバスでグラナダへ向かうというのも偶然ではある。次々と乗客が乗り込み、ほぼ満席に。定刻通り08:15に出発、これから3時間ほどの行程である。すぐに高速道路に入り、スムーズに進んでいく。うたた寝しながら時をやり過ごす。
 11:15にグラナダに到着。ここから33番のバスに乗り、15分ほどでカテドラル近くのバス停で降りた。ここから15分ほど歩き、グラナダでのホテルである "Hotel Palacio de Santa Ines" にチェックインした。昔ながらの風情を残したような凝ったつくりだ。(

) 部屋も広いし、バスタブもある。荷物を置いて12:30に観光を開始。


 まずは昼食を摂りたい。グラナダ観光の中心となるヌエバ広場近くの ”Leon” に入り、タパスで鹿肉のマリネとマッシュルームの炒め物を注文。サービスで小皿のパエリアを出してくれたのは嬉しかった。鹿肉もマッシュルームも美味しく適量だった。水とコーヒーをつけてEUR15.90を支払った。
 グラナダの観光は、明日訪れるアルハンブラ宮殿以外にカテドラルや隣接する王室礼拝堂、アルバイシン地区などがある。まずは王室礼拝堂に行ってみた。ここはレコンキスタを成し遂げた二人の王の墓があるらしい。EUR5を支払って入場すると日本語のオーディオガイドを貸してくれた…のはいいのだが、解説が詳しすぎて何を対象として話しているのか分からなくなるので、かえって集中できない。大きな大理石でできた二人の王の墓碑に注目するだけでよかったような気がする。続いてカテドラルへ、ここでもEUR5で日本語のオーディオガイドを貸してくれるが、これも全く同じ。主祭壇やパイプオルガンなどに集中したほうがよかった。この2つはともにカトリック一色で、イスラームの影響が全くないのが興味深かった。(


 外に出ると15時を廻っていて、気温も37℃を超えかなり暑い。さすがに耐えられないので近くのスターバックスに入りアイスコーヒーで一休みした。


 再び歩き始めて、ホテルのあるアルバイシン地区を散策した。イスラーム支配下に築かれた古い街並みで迷路のようになっている。斜面に築かれた白壁の家と狭い石畳の路地が最高の雰囲気だ。汗だくになりながら坂を登り、角を曲がるだけでいろいろな表情に出会うことが出来てとても楽しい。ここまで来て本当に好かった。振り返ると、路地の合間からアルハンブラ宮殿の姿が見えるのもよい。(


 サン・ニコラス展望台に出た。ちょうど木陰のベンチが空いていたので座り、アルハンブラ宮殿を眺めながら、暖かい風に吹かれながらうたた寝する。旅の醍醐味だ。周囲には世界中から観光客がいるが、やはり中国人と韓国人が多い。一方で、この旅程を通じてあまり日本人を見ていない。昔は何処でも日本人の団体観光客がいたものだけどなぁ… 1時間ほどここで過ごした。(


 坂を適当に降りながら散策する。(

) 街角に座って
ギターを演奏している男性
がいた。いい演奏だったのでEUR1ほどを置いた。ヌエバ広場まで戻ったところで18時、夕食を摂るために近くの "Kasbah" に入った。ここはイスラーム風のティーハウスらしいのだが、看板を見ると食事も出すとのことなので、「今日の一皿」から野菜のクスクスを注文した。野菜やドライフルーツに彩られたクスクスが美味しい。この旅の間中、肉料理ばかり食べていたからなぁ…って、昔は肉料理ばかり食べていたものだけど。EUR9を支払った。


 アンダルシアの文化といえばフラメンコだろう。この近くにある "Casa De Arte Framenco" の19:30からのショウのチケットを購入していたので、19時に入った。30人くらい座席が用意されていて、入りは4割くらいだろうか。男性のギターと歌い手が一人ずつ、それに男女のダンサーという構成だ。哀切と情感に訴える演奏と歌声は何か心を打つものがある。ダンスはとにかく激しい。拍手や足踏みだけでなく、体中からリズムに乗せて音を出すのだなぁ。ただ、空調の効いた近代的な部屋の中よりも、もともとフラメンコが生まれた洞窟のようなところのほうが味わい深いかもしれない。1時間のショウでEUR20, 観光としてのフラメンコと考えればコスパはいいのではないだろうか。


 明日でこの旅の観光も最終日。最大の目的であるアルハンブラ宮殿を観光する。…ところで、上階で子どもが暴れていてやかましい。


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