Kutná Hora

 5時頃に目が覚めてしまったが、6時過ぎまでダラダラする。今日は、プラハを離れて列車でクトナー・ホラへ、その後にテルチへ行く予定である。バックパックにかなり詰め込んだが、苦労せず納めることが出来た。今日はともかく、明日以降の天気予報が良くないのが心配ではある。
 朝食をとってそのままチェックアウト。9番のトラムで8時にプラハ本駅に着いた。

駅の中
も随分明るくなった。最上階にあるアール・ヌーボー様式の
カフェ
も美しい。しかし、乗車を予定している08:42に発車するはずのR887のプラットフォームがなかなか発表されず、とうとう10分遅れと表示された。途中駅であるKolínでOs5909に乗り換えるのだが、この列車の発車予定時刻は09:36なので乗り換えには10分もない。これは困ったことになった。さらに15分遅れと表示されたが、直後に
プラットフォーム
が4Sと表示されたので急いで向かうと、すぐに列車が入ってきた。9時ちょうどに出発。途中何回か徐行したりして遅れを取り戻せそうにはない。Kolínからクトナー・ホラへの列車は、乗ってしまえば10分程度なのだが、1時間に1本しかないし、バスなどもない。観光する時間も限られているので、最悪の場合はタクシーを使うしかないかもしれない。
 09:45にKolínに着いた。降りたところにいた駅員に訊いてもわからないらしいので切符売り場に行く。やはり1時間後の列車の切符を売ろうとするし、タクシーの相場を訊いてもわからないという。ふと駅員の端末を見ると、乗る予定だったOs5909が10分遅れと表示されている! 5番プラットフォームからまもなく出るとのことなので慌てて走った。階段を降り、走り、階段を登るとまだ列車が少し先にいる! ここで走りだそうとして転倒してしまい、左頬と右の掌を打ってしまった。それでもまた走り、何とか乗ることが出来た。こんな重い荷物を背負って走ればバランスを崩すのも当然ではある。
 10時に
クトナー・ホラ駅
に到着した。ここで観光のためにバックパックを預けようとするが、14時までしか窓口を開けていないとかで断られた。1時間早い列車の切符を買おうとしても「何を言っているのかわからない」と取りつく島もなく、時間がきたのか目の前で窓口を閉じられた。酷い対応だ。仕方がないので、ナップサックの荷物も全てバックパックに詰め、この大荷物を背負って観光するしかない。どうやらクトナー・ホラには嫌われたようなので、観光も適当に切り上げて早く去ることにしたほうがいいような気がしてきた。


 10分ほど歩いて

セドレツ納骨堂
に着いた。この内部はたくさんの人骨で装飾?されていて、さながらシャンデリアのようになっているものもある。数年前に撮影禁止になったとのことで拝観するだけだ。ゴルゴダの土を撒いたことから埋葬されることを希望する人が増えたとかで、ここには数万人分の人骨が納められているのだそうな。この人たちは死後に自分の骨がこんなふうに使われると知っていたのだろうか? 正直に言って、受け止めきれないものもあったが、否応なしに死について向き合うことを余儀なくされるひとときでもあった。
 バスに乗り、20分ほどで旧市街に着いた。まずは
聖バルボラ大聖堂
に入った。祭壇もステンドグラスも立派なもので、銀鉱山で栄えた歴史の賜物だろう。ただ、残念ながら先ほどからのトラブルと今後のことが頭を占めていて、この風景が心に入ってこない。(

 既に切符を買ってあるのは15:58発のR985と、Havlíčkův Brodで乗り換えて17:03に発車するSp1919だが、この乗り換えも6分しかないので、テルチへの到着予定時刻である18:31よりも遅くなってしまう可能性が高い。結局、1時間ほど早く出発するR983と、Sp1917の切符を買うことにした。この乗り換えも6分しかないが、間に合わなければもともと持っている切符で1時間後のSp1919列車に乗ればいい。少なくとも18:31にはテルチに到着できるだろう。この切符をチェコ国鉄のアプリで買おうとしたが処理が進まないので、ChromeアプリからWebサイトで買った。PDFのチケットが届いたので何とかなるだろう。もともと持っていたチケットの返金処理もしたかったのだが、処理が進みそうになく1,000円程度でもあるので已む無く諦めた。
 後は適当に街をぶらぶら。小さい街だが起伏があり、この荷を背負って歩くのはつらい。12時になったので何か食べようと周辺を見るが、何故かピザ屋ばかり。1/4サイズで売ってくれる店で食べた。14時にこの広場を出て20分で駅に着くバスに乗ることにして、残り時間を適当に散策。街そのものはなかなかいいところで、こんな状態で来たくはなかったが、いずれまた来るかというと…(

 打ちつけた頬が痛いが、赤黒くなっているものの血が出ているわけではなく、どうやら擦り剥いただけのようだ。手指の消毒液で消毒するとものすごく滲みて痛かったが、どうやら骨や歯には問題なさそうなのが不幸中の幸いか。右手の親指の付け根のところがアザになりそう。


 14時にバスに乗り、20分ほどで駅に着いた。先ほど買った新しい切符で14:58発のR983列車に乗りクトナー・ホラを出発。メールで届いたPDFファイルのQRコードを車掌に見せて検札もクリアできた。列車の中で日記を書く。到着予定の16:57になってもまだのんびり走っていて遅れ確定。1時間早く出発しておいてよかった…
 16:07にHavlíčkův Brodに到着した。何となく端のプラットフォームに行って見ると、16:03発のSp1917と表示された列車が停まっている! 立っている駅員さんに切符を見せるとこの列車で良いというので乗った。この列車も10分遅れらしい… 16:13に発車した。いったい何なんだ… 最新型なのかスムーズに走る。単線なのに今日乗った中で最速だ。Googleマップの目視で見る限り、20分ほどで半分まで来ているように見える。ようやく落ち着いて車窓の風景を眺める気持ちになった。森が多く、その中を川が流れていて心地よさそうな景色が続く。と、途中駅に停まったあと、逆方向に走り出した! 本当に大丈夫なんだろうか…と心配したが、Googleマップを見ると確かにテルチに向かっている。いくつか小さな駅に停車した後、17:36に

テルチ駅
に到着した。予定通りに無事に到着できて本当に良かった…


 今夜の宿は、テルチの最大の見どころであるザハリアーシュ広場に隣接するHotel Celerinを予約してあるので、そちらに向かって歩く。しかし、人どおりもほとんどなく、店も全部閉まっている。静かといえばそうなのだが… 10分ほどで旧市街に着いた。ホテルの扉を開けようとするが鍵がかかっている。ドアをノックしても誰も出てこない。同時にチェックインしようとしていたおっさん二人組が電話し、オーナーらしき男性が出てきてやっとチェックインできた。鍵を3つ渡される。このホテルは19時以降誰もいなくなるので、通りに面した扉・中扉・自分の部屋の扉を、それぞれの鍵を使って自分で開けなければならないのだそうな。24時間誰かがフロントにいる、というのはもう時代遅れなのだろうか。ともかく、何とか今夜の宿にたどり着いた。
 ちょうど夕暮れ時で天気も良いし、明日の予報は雨なので、今のうちに広場を観光しておくことにした。さまざまな色合いの建物がずらっと並ぶ広場は壮観だ。人も少なく、飛び交うツバメの鳴き声が響く。これはなかなかによいひとときだ。建物の多くは観光客を相手にする店になっているようだが、ほとんど営業を終了している。随分と夜が早い街なのだなぁ。のんびりと夕景を楽しんでいたが、水を買える店もないことに気づいた。幸い、営業終了間際のケバブ店で買うことができた。(


 19時になったので、今日くらいは美味しいものを食べたい気になったので、広場の隅にあるレストラン "Švejk Restaurant Telč" に入った。
マスのグリル(バターソース)のマッシュポテト添え
とハニーケーキを注文。マスは濃いめに味つけられていて疲れた体には美味しい。ハニーケーキも素直な甘さでよかった。ただ、外の席に案内されて、明かりもないので、せっかくの料理をよく見ることができなかった。354コルナを支払った。
 すっかり日も暮れて夜の暗さに。てっきりライトアップでもしてるのかと思ったら、オレンジの街灯を灯しているだけ。これはこれで風情があるけど、建物の明るい色合いは活かせない。20時にホテルに戻った。


 明日は、午前中はテルチを観光し、午後のバスでチェスキー・クルムロフに向かう。ただ、明日から天気が崩れる予報だし、今日はいろいろトラブって疲れたし、ギリギリまで寝ていようかな。明日は運が好転しますように。


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