Coimbra

 昨夜も22時に眠った。何度か目を覚ました後、予定より早いが05:50に起床し、荷造りを始めた。今日は08:45にカンパニャンのバスターミナルから出発するバスでコインブラへ向かうので、サンベント駅から列車でカンパニャン駅へ行かねばならない。乗ってしまえばわずか4分なのだが、07:50発を逃すと次が08:20とギリギリになってしまうので、余裕をみて07:30発に乗っておきたい。
 7時にチェックアウトした。ロケーションは最高、設備も特に不満のない、いいところだった。陽が昇ったばかりのポルトの名残を惜しむ。いい街だった。10分ほどで

サンベント駅
に着いた。このアズレージョも見納めだ。07:25発の列車に乗ることにした。これも andante カードで乗れる。定刻に発車し、4分後に問題なくカンパニャン駅に着いた。ここで降りる人も多い。
 バスターミナルのピクトグラムにしたがってプラットホームの端へと歩いていくが、そこまで行くと、さらに左前方にいくつもプラットホームが現れた。いちばん端のプラットホームに行き、ピクトグラムの指示にしたがって進む。と、エスカレーターで降りるよう指示された。降りてみるとがらんとした空間で、これを右手に進む。つまり、来た方向に戻っている。他のプラットホームからここに降りるエスカレーターは全て閉鎖されていたので、選択を誤ったらとんだ無駄足になるところだ。端まで行くと今度はエスカレーターで昇る。そこにはバスの乗客のための待合所があった。乗り場はここからエスカレーターで降りたところにもあった。やはり時間の余裕をみておいてよかった。同じカンパニャン駅とはいえ、この距離感はJR京葉線の東京駅を連想させる。
 待合所のカフェでコーヒーと小さな揚げパン一つの朝食を摂る。3.2ユーロを支払った。あとは08:45の発車時刻を待つだけだ。朝日が眩しい。周囲は真新しい家がいくつかあるくらいで何もない。08:45に出発。ほぼ満席だ。すぐに高速道路に乗り、うたた寝しながら車窓を眺める。


 定刻の10:05にコインブラに着いた。といってもここは街外れなので、予約したホテル "Casa São Bento" まで2kmほど歩かねばならない。この辺りの

街並み
も東欧の普通の街のようだ。途中で明日出発するバスのターミナルを見つけた。何だかわかりにくいつくりだ。Googleマップを片手にひたすらホテルを目指す。徐々に登り坂になってきた。それとともに、
街並み
も瀟洒になってきた。これはいいところ…なのだが、さすがにきつい。ひたすらに坂を登り、ようやく
ホテル
に着いた。ポルトの宿と同じような、大きな一軒家を改装したような建物だ。まだチェックイン時刻になっていないので荷物だけ預かってもらうつもりなのだが、誰もいなかったり断られたりしたらどうしよう…と思ったが、ドアを開けてフロントに行くと、荷物の預かりを快諾してくれた。ついでに水も飲ませてくれたので生き返った。今日は祝日なのようなものらしい。どうりで多くの店が閉まっているわけだ。
 11時に観光を開始、まずはコインブラ大学へ向かった。
長い階段
を登り切ると、大学のキャンパスだ。ここはヨーロッパ最古の大学の一つらしい。こんなところで役に立ちそうもない研究を続けて生涯を過ごしたら楽しいだろうなぁ。(
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) 内部の見どころを観光するための予めチケットを買ってあったので、まずはサン・ミゲル礼拝堂へ。小さな空間ではあるが、いわゆる「礼拝」のイメージとは少し異なる、華やかな色彩が眩しいくらいに美しい。(
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) 続いて Royal palace へ行ったが、これは薄暗いせいかよくわからなかった。(
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) 最大の見どころともいわれるジョアン図書館に入れるのは16:20なので、いったん大学を出た。
 狭い路地を降っていく。(
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) 
大聖堂
の前はちょっとした広場になっていて、お店も営業している。予め目をつけていた店に行ってみたが休みなのか見つけられなかった。
サンタクルーズ教会
に行き、隣りのカフェでビファーナ(豚肉のハンバーガーのようなもの)・オレンジジュース・エスプレッソ・スイーツ(ショーケースで指差したので名前がわからない。小さなタルトのようなものだった)で
昼食
を摂った。なかなかに美味しく、10.50ユーロを支払った。そのまま教会に入る。伽藍(
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)に入るだけなら無料だが、4ユーロを支払ってさらに内部に入ってみた。カテドラルや初代国王の墓などを見られるが、やはり基礎知識がないとよくわからなかった。(
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 教会の横の賑やかな通りが

メインストリート
らしく、カフェ・レストランや土産物屋が多い。行き当たりが
広場
で、たくさんの人々がくつろいでいる。ここにある "Brisoa" というパティスリーで Pasteis de tentugal というコインブラのお菓子とカフェ・オ・レで一休み。ここでは金平糖のようなお菓子も売っているが、缶入りではなく割れてしまいそうなので土産にするのは諦めた。14:30まで休んだ。
 そろそろホテルにチェックインすることにし、再び坂を登っていく。荷が軽いのでさっきよりはマシだがやはりきつい。(
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) 大学構内に入り、階段を降りたところにあるカフェで今夜のための水を買って15時にホテルに戻りチェックインした。明日の朝食を追加し、9ユーロを支払った。お洒落で、しかも広々としたつくりで、キッチンもある。館内にはサントリーニ島を連想させるような装飾が置いてある。気持ちよさそうなテラスもある。
 再び大学に戻り、新カテドラルに行った。ここには、はるか昔にザビエルに教えを受けてキリスト教に帰依しヨーロッパへ行った日本人「鹿児島のベルナルド」が眠っているのだそうな。すごい人生ではある。16:20に近くなったので、ジョアン図書館の入り口へ。最大の見どころだけあって多くの人か集まっている。牢獄などを見た後にいよいよジョアン図書館に入った。いきなり圧倒された。撮影禁止なのが残念な限り。壮麗というか何というか。「美女と野獣」のモチーフになったともいわれるが、そもそもそれを見ていないので比較は出来ないものの、そんなことは関係なくただ見入ってしまった。20分ほどで広場に戻った。
 これで主だった観光は終わり。また道を降りていく。(
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) 階段の多い道筋に店がたくさんあって賑やかなのでそちらを行くと、先程のメインストリートに出た。サンタクルーズ教会の前でまた休む。


 18時になったので夕食をどうしようか考える。メインストリート沿いには賑やかなレストランが幾つもあるが、どうもこれという感じがしない。一本裏通りに入ったところにもレストランがいくつかあり、その中の一つ "A Taberninha" がスープ・メイン(肉か魚)・飲み物・コーヒーで13.50ユーロという看板を出していた。誰も客がいないのが気になったが、じいさんの熱心な呼び込みに負けた形でここで食べることにした。スープは野菜などが入ったクリーム色のスープで、温かい塩味が美味しい。メインは魚を選んだ。30分ほどで供されたのは、大きなツナのグリルだった。こちらも塩をベースにした簡単な味付けで、正直そんなに美味しいとは思えず、とても食べきれず4分の1ほど残してしまったが、まぁそれなりには満足できる一皿だった。エスプレッソをもらう頃には、家族連れなどが何組か入ってきた。支払いを終えて19時に店を出た。頑張って欲しいものである。
 再び階段を昇り、コインブラ大学へ。この広場も見納めだ。19:45にホテルに戻った。急遽行くことにしたコインブラだったが、こちらにしてよかったと思えるほど楽しめた。(坂の上り下りを除けば)
 明日は10:30発のバスでナザレに向かう。バスターミナルに10時前には着いておきたいとしても、9時過ぎに歩き出せば十分間に合うので、明朝はゆっくりできる。


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