Nazaré / Lisboa

 昨夜は0時過ぎに眠ったが、何処かでカラオケパーティでもやっているのか、喧しかった。08:30に起床。浴槽があるなどいい宿とは思うが、いかんせん海辺からの登り坂がきつい。自分の旅とは相性が合っていなかった。09:30にチェックアウト。
 今日は13:25発のバスでリスボンへ向かうので、約4時間ほどナザレを楽しむ時間があるが、この荷物を背負っているのであまり歩き回ることは出来そうにない。さすがに空腹なので、朝食を摂るために、偶然目についた "Cafe Flamingo" に入り、トースト半分・オレンジジュース・エスプレッソを注文した。トーストは何ということもないバターを塗っただけのものだが、とりあえず空腹を満たすことはできた。オレンジジュースが爽やかだ。4.2ユーロを支払った。海辺のベンチなどに座って海や空を眺めつつ風に吹かれて時間を過ごす。陽射しは暖かく、風はひんやりとしてまさに極楽。ナザレに来て本当によかった。(

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 11:30になったので早めに昼食を摂りたいが、まだ開いていない店も多い。海に面した店は何となく惹かれない。と、一つ路地を入ったところでよさそうなレストラン
"Rosa Dos Ventos"
を見つけた。ちょうど開店したところで、店員さんの雰囲気もいいのでここで食べることにした。まずは
本日のスープ
、いろいろな野菜が溶け込んだクリームスープだ。昨日に比べるとやや控えめな味わいで美味しい。メインには、勧められた
魚のグリル
。白身魚のグリルで、予想外に大きい。しかもじゃがいもやサラダまでついている。白身魚の正体はわからないが、骨が多いものの脂も乗っていてとても美味しい。何か味つけをしてあるのだろう。厚みはさほどでもなかったので食べきることが出来た。食べている間にほぼ満席になっている。
プリンとエスプレッソ
も追加した。日本でよくあるプリンなのだが、しっかりと柔らかが両立している見事なプリンだった。26.55ユーロを支払い、12:45に店を出た。大満足の昼食だった。
 名残に海辺を歩きながらバスターミナルに向かう。ナザレは、リゾートと聞いていたが、むしろ「海水浴場」といった雰囲気のいいところだった。13時にバスターミナルに着き、トイレに行こうと思ったら昼休みなのか事務所が閉まっている。あちこち歩き、これまた締める作業をしていた図書館のスタッフに、近くの市場に公衆トイレがあると教えてもらい、無事に用を足した。あとはバスを待つだけだが、定刻になっても来ない。15分遅れの13:40にバスが来た。乗ってしまえば一安心、眠ってしまう。


 15:10にリスボン・オリエンテ駅に着いた。ここから地下鉄で予約したホテル "Local House Lisbon" に向かう。この荷物を背負っての移動もこれが最後になるはずだ。地下鉄を赤ラインから青ラインに乗り換えて、最寄り駅で下車。ここから徒歩10分なのだが、目の前にはとんでもない登り坂。

ケーブルカー
が動いているほどだ。ひたすらに登る。登り切ったところから路地を少し入るとホテルの看板が見えた。呼び鈴もないので予約アプリのメッセージで連絡し、ドアを開けてもらってチェックインした。玄関のドアも部屋のドアも番号を入力して開けるシステムなのだそうな。チェックアウトの手続きもないという、合理性を突き詰めたような経営ではある。部屋に入ってみるとその狭さにまた驚く。ベッド・洗面台・トイレ・シャワーだけで、椅子もテーブルもタンスもない。まぁ必要は満たしていそうだけど、よくもまぁこの狭い空間に…と、ある意味感心してしまう。汗だくになったので部屋で休みながらここまでの記録をつけた。そういえば、今回の旅のホテルは、一軒家を部屋ごとにホテルとして貸しているようなところばかりだった。
 17時に外出。まずはすぐ近くにある展望台へ行った。ドゥロ川と丘にへばりつくようなリスボンの街並みがよく見渡せる。(
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) ここから道を降っていく。狭い道路と歩道に車と人がひしめき合っていて少し怖い。路地も登ったり降ったりと波打つようだ。今回の旅は坂道を上り下りし続ける旅でもある。路面に線路が嵌め込まれているところに来た。この辺りを、リスボン名物の
路面電車
が行き交うのかと思っていたら、いきなりやってきた。なるほど、聞いていたとおり観光客ですし詰めだ。これに乗るのは諦めた方がいいかもしれない。
 この近くにあるカルモ修道院跡を訪れた。1755年のリスボン大地震で半壊してしまい、屋根がなく柱や壁だけが残っている。修復中とのことだったが、どういうふうに修復するのだろう。地震の怖さは古今東西、万国共通のものだ。(
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) この横にも展望台があり、エレベーターで下の通りに降りることもできるようだ。
 さらに降っていくと、大通りに出た。洒落た店やカフェが軒を連ねている。ここに、何かで古き良きカフェであると出ていた "Cafe A Brasileira" がある。行列ができていたのでこの時はそのまま離れた。さらにいくと、ルイス・デ・カモイス広場に出た。「ここに地終わり、海始まる」の一節で有名な詩人の名を冠した広場だ。ベンチには人がいっぱいで座ることができなかった。この広場の傍にも路面電車が走っている。(
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) さらに歩くと、また
ケーブルカー
があった。ここはリスボンの写真でよく紹介されるところで、観光客が記念写真を撮りまくっている。その近くにもまた展望台があった。高いところから街を眺めるには事欠かない。(
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 18:45になったので夕食を考えるが、昼食をたっぷりと食べたので空腹ではない。といって食べないのもよくないので、先ほどの "Café A Brasileira" に行ってみると、今度はすぐに入店できた。まず内装が美しい。こういうカフェがあるっていいなぁ。(
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) メニューを見ると、軽食も本格的な食事も出すことがわかった。サーモンとクリームチーズのサンドイッチにナタ(エッグタルト)、エスプレッソを注文した。15分ほどで運ばれてきた。サンドイッチは予想以上の量に少し驚いたが、食べてみるとすんなりとお腹におさまってしまう。オレンジを挟んであるのがいいアクセントになっている。ナタも甘くて美味しい。16.60ユーロを支払った。明後日の締めの夕食をここにするのもいいな。今日はいい食事に出会うことができた。水1.5リットルを2本買い、坂を登ってホテルに戻る。この近辺にはバーがたくさんあるようで、今宵も賑やかなことだろう。
 明日は終日リスボンを歩く。19:30にレストランを予約してあり、ファドを聴けるのが楽しみだ。

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