Roma

 昨夜は23時にベッドに入った。5時頃に目が覚めるがそのままダラダラして6時に身支度を始めた。右脹脛の違和感が残っているのが気がかり。昨日は18kmも歩いたようで、その影響だろう。若くないとわかっているはずなのに、つい心まかせに体を使ってしまう。
 午前中はボルゲーゼ美術館に行くので展示品などを予習する。ボルゲーゼ美術館はとても厳格な事前予約制を採っており、この予約で館内にいられるのは9時から11時まで、さらに30分前には到着して全ての荷物を預けておくことが推奨されている。7時に外出、近くのカフェでカプチーノとクロワッサンの朝食を摂り、3.6ユーロを支払った。ここから徒歩7分ほどのバス停から360番バスに乗ると、10分足らずでボルゲーゼ美術館最寄りの停留所に着いた。
 7:30と予定よりもかなり早く着いたので、美術館の周りにあるボルゲーゼ公園を散策する。緑が多く、朝の空気も心地よい公園だ。バスで早めに着いて正解だった。8時前には予約していると思しき人々が集まってくる。

美術館
前のベンチで、のんびりと開館を待つ。なんともいい気分だ。アジア系と思しき観光客が閉まっている扉の前でたむろしているが、そんなに焦らなくともよかろうに。8時半に開館、並んでいると係員から「チケットを持っている人は並ばずに手荷物を預けて中で待ってください」という。この行列は当日券を求める人たちだった。そりゃ早くから並ぶわな。荷物を預けて、中のカフェでカフェインレスのエスプレッソを立ち飲みして一休み。
 9時に入場、最初の部屋で度肝を抜かれた。中央にベルニーニの有名な「プロセルピナの略奪」が置かれて、その周りにもたくさんの美しい彫刻が配され、それらを豪華な内装が引き立てる。ベルニーニの彫刻やカラヴァッジョの絵画などの有名な美術品がさりげなく展示されている。上の階には絵画が展示され、こちらはラファエロの作品があるが、やはり彫刻のほうに見どころがあるように思えた。中でも「アポロとダフネ」に最も惹かれた。ダフネの表情が大理石とは思えないほどに美しい。写真を撮ることもできるので一通りは撮ったが、どうせこの美しさを映し取ることなど叶わないので、目と心で見ることに集中した。指定された11時に美術館を後にした。本当に素晴らしいひとときだった。(
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 ここからバスでナヴォーナ広場に向かうことにした。Googleマップに指示された最初のバス停で待っていたが10分経ってもやってこない。別のルートを検索しそちらで待つ。定刻から5分遅れでバスが来た。やれやれ。バスは繁華街を通っていく。Googleマップが提示したバス停で降りてナヴォーナ広場へと歩き出した。この辺りは路地が入り組んだ旧市街のようで面白い。
 行列の出来ているサンドイッチ店

"All'antivo Vinao"
に行き当たった。ちょうど12時なのでここで昼食を摂ることにした。並んでいる間に英語のメニューを見て、夏限定の
Estiva
という、ハム・クリームチーズ・ミニトマトのサンドを選んだ。10分ほどで私の番になり、注文してコカコーラゼロと合わせて11.50ユーロを支払った。とても大きなサンドイッチで驚いたが、具材の味わいが軽く爽やかでスッと食べられる。これで正解だった。目の前の広場で日陰を探しながらの立ち食いである。さすがに少し残してしまったが大満足の昼食だった。最初のバスに乗っていたらこの店に行きあうこともなかったので、こういう偶然の出会いも一人旅の楽しみだ。
 ナヴォーナ広場へ歩き始めると、すぐに
パンテオン
に行き当たった。ここも古代ローマの遺跡の一つだが、今回の旅では入らずに外観を眺めるだけだ。ここからすぐにナヴォーナ広場に着いた。四大河の噴水という大きな噴水が美しい。ただ、ちょうど暑さの真っ盛りで、この広場には日陰もほとんどないのできつい。(
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) さすがに参ったので、10分弱歩いて有名なジェラート店
"Giolitti"
へ。ここでも店内には座れそうもないので、オレンジとシャンパンの小カップの
ジェラート
を3.8ユーロで買って立ち食いした。爽やかで美味しいがすぐに溶けてくるので手がベタつく。パンテオンに戻って日陰に座って休んだ。


 15時にトラステヴェレ地区を目指して歩き始めた。路地に上手く日陰ができているのが有り難い。(

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) 15分ほどで川を渡り、トラステヴェレ地区に入った。ここは庶民的な下町で、路地裏散歩が面白いとのことだった。確かに迷路のような路地が張り巡らされているが、どういうわけか「この先に何があるだろう?」という好奇心をそそられない。サンタマリアイントラステヴェレ教会に行き当たったので入ってみた。内部は薄暗く、金色のモザイクで装飾された祭壇が美しい。少し蒸し暑いが、15分ほどうたた寝し、おかげで気持ちがスッキリした。再び路地を歩き回るが、どこもレストランかジェラート屋ばかりで、座ってゆっくり休めそうな手頃なカフェが見つからない。(
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 トラステヴェレ地区を諦めて、
ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世記念堂
に行ってみることにし、8番のトラムに乗った。終点からすぐにヴィットーリオ・エマヌエーレ2世記念堂に着いた。これまたとてつもなく大きな建物で、上の方に登ろうか迷っていると、予め入場券を買っておく必要があったようで、そもそも登ることなど出来なかった。


 17時に近くなった。なんだか雲行きが少し怪しい。そういえば今朝から蒸し暑かった。天気アプリは雷雨の予報など出していないが少々気になる。早朝から動き回って疲れてきたので、早めに何処かで夕食を摂って休みたい。ただ、ここからテルミニ駅に戻るには不便なので、トレビの泉を経由して地下鉄の駅まで歩くことにした。トレビの泉の近くで、路上でパスタを食べている人が何人もいる。この近くに持ち帰り可能なパスタ店があった。店内で食べることもできるようだ。ここを候補にして、とりあえずトレビの泉へ行ってみると、昨日とは比較にならぬ大混雑。世界的観光地を甘くみてはいけない。と、雷鳴が聞こえてきた。これは降ってくるかもしれない。先ほどのパスタ店を諦めて急いで地下鉄の駅に行った。ところが、来た列車にエアコンが入っておらず、客も混んでいて悪夢のような蒸し暑さ。わずか2駅だがきつかった。
 ところで、今日の午後はトイレに行っていない。立ち食いばかりでお店のトイレにも入れず、公衆トイレも見つからなかった。特に困っていなかったが、さすがにテルミニ駅では食事の前に用を足しておきたいと思い、探してみると2階にあるという。このトイレ、使用料がなんと1.2ユーロもかかる。トイレチップも随分と高くなったなぁ。この2階にもファストフード店などがあるが、特に気を引くところもなかったので昨夜のフードコートに行ってみた。ちょうど18時になったところで、ちょいとしたものなら食べられそうだ。サラダボウルにしようかとも思ったが、さすがに物足りない気がしたので、バジルのペンネパスタにクリームチーズやミニトマト、アプリコットを混ぜ込んだ冷製パスタを注文し、12.5ユーロを支払った。これも爽やかな味で食べやすい。ただ完食できそうにないので、付け合わせを優先して食べておき、ペンネは1/3ほど残した。
 駅を出ると路面や車が濡れていた。やはり雨が降ったのだ。もう止んでいたので、上手く雨をやり過ごすことができた。明日以降も雷雨があるようなので、ポンチョや傘を持ったほうがよさそうだ。18時40分にホテルに戻った。早いようで、ほぼ12時間も行動していたことになる。約13kmほど歩いた。
 明日は午前中にバチカン美術館を訪れて、夕方の特急列車でフィレンツェへ向かう。


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