Firenze

 06:45に起床、8時前に朝食を摂りに行く。今回の旅では初めてのホテルでの朝食だ。スクランブルエッグ・ハム・チーズなど、これぞホテルの朝食というのが何だか嬉しくなる。08:30に観光を開始した。駅からすぐに旧市街で、観光ポイントもまとまっているのが有り難い。今日も暑くなりそうだ。
 5分ほどで

サンタマリアノヴェッラ教会
に着いた。白と黒の外装がモダンですらある。いったん離れて有名なドゥオーモを目指す。この辺りの路地も面白そうだが車には気をつけなければならない。5分ほどでドゥオーモのあるサンタマリアデルフィオーレ教会に着いた。こんなに大きく高いものだったとは。この後これに登るのだが、少々怖気づいてしまった。
 サンタマリアノヴェッラ教会に戻って入場しようとチケットを見せたところ、予約チケットは駅向かい側の入り口から入るらしい。そちらへ戻って入ってみると、予想以上に広い敷地にフレスコ画に彩られた回廊が巡っている。よくわからないままに一巡りして本堂へ。こちらには磔にされたキリストの巨大な絵や立体的な祭壇、ステンドグラスなどがある。美しいのだけど、なぜかあまり印象には残らなかった。(
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 ドゥオーモを目指す。サンタマリアデルフィオーレ教会の大聖堂の周りには入場するための長い行列が出来ている。ここは無料で入れる代わりにかなり並ばなければならない。ドゥオーモに登るためのチケットで大聖堂を除く他の施設も観光出来るので、まずは洗礼堂に入ろうとすると、バックパックは持ち込み不可と言われたので、少し離れたところにあるクロークに預けて入ってみた。ここは金のモザイクが有名らしいのだが、ほとんど修復中なのが残念だ。残っているところだけでも楽しんだ。(
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 予約時刻が近づいたのでドゥオーモに登るための待ち行列に並ぶ。入場時にパスポートでの本人確認があった。あとはドゥオーモの頂上を目指してひたすら階段を登るだけである。狭いし急だし暑いしきつい… 途中でドゥオーモの天井に描かれた「最後の審判」を間近で見ることができた。(

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) さらに
階段
をひたすら登る。勾配もどんどんキツくなる。ようやく展望台?に出られた。赤い屋根が連なるフィレンツェの街並みは本当に美しい。わずかな日陰に入れば風が心地好く、階段の苦労も吹き飛んだ。フィレンツェに来て本当によかった。(
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) 20分ほどで展望台?を後にして、今度は下りの苦行である。またも「最後の審判」を見る。地獄の描写が生々しく怖い。
 11:20にドゥオーモを出て、バックパックを受け取った。このタイミングで昼食を摂ることにして、ChatGPTが勧めていた
"I' Girone De' Ghiotti"
に行ってみると既に長い行列が出来ている。20分ほど並んでようやく順番が来て、トスカーナハム・ゴルゴンゾーラ・ズッキーニ・トマトのサンドイッチをスモールで注文、さらに10分待ってようやくサンドイッチを受け取り、コカコーラゼロと合わせて8.5ユーロを支払った。この
サンドイッチ
もとても美味しい。ハムの塩気とトマトの水気が合っている。スモールサイズでちょうどよかった。
 食べ終えて、13時のチケットを購入してあるウフィツィ美術館へ向かった。途中、たくさんの彫刻が飾られているシニョーリア広場に出くわした。ここにはミケランジェロのダビデ像(レプリカ)もある。貴重な彫刻を屋外展示とは…(
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 ウフィツィ美術館はここからすぐだったので、13時入場の列に並ぶ。定刻に入場した。ここにはボッティチェリ、ミケランジェロ、ラファエロなどの絵画が展示されている。最初は古い宗教画が中心で、題材も表情も乏しいように思える。ボッティチェリの「春」や「ヴィーナスの誕生」は、あたたかい光と空気が滲み出ているような気がした。そしてミケランジェロとラファエロ、この2人の作品はやはり何か違っていて、人ならざるものが手を貸しているように思えてならない。それはダヴィンチの「受胎告知」にも感じられた。人間ってこれほどの美しいものを作り出せるのだなぁ… 下の階にも多くの作品が展示されているが、カラヴァッジョの作品が有名である。ただ、血や残酷なモチーフの作品が多く、私には合わなかった。「バッカス」の果物の描写は瑞々しさすら感じさせ、これは気に入った。
 14:30にウフィツィ美術館を出た。暑さピークの時間帯だが、あとは街をぶらぶらするだけである。途中でローマで食べたサンドイッチ店の支店を見つけた。ここでも行列が出来ている。サンドイッチの立ち食いが当たり前になりつつあるようだ。周りの店は迷惑だろうな… いったん橋を渡って川の反対側に行き、川沿いを

ヴェッキオ橋
を目指して歩いていると、"Madelene" という何となく良さそうな小さなカフェがあったので入り、焼き菓子と炭酸水で一休み。混雑もせずに休めているのが有り難い。外でジェラートを食べるよりもよほど良かった。5ユーロを支払った。


 15:40に店を出た。川沿いから離れてみようかと思ったがすぐに登りになるのでやめにした。ヴェッキオ橋を渡ってみると、なぜか貴金属店が軒を連ねていた。ここだけイスタンブールのバザールではないか… 

ヴェッキオ橋
は遠くから見るべきものかもしれない。
 路地を何となく歩いてみるのがやはり楽しい。(
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) そういえばまだサンタマリアデルフィオーレ教会をちゃんと見ていない気がしたので戻ってみた。改めてみると、白と緑の外壁にびっしりと彫刻や彫像などが配され絢爛たるものだ。これを完成させるまでどれほどの労力と時間がかかったことか。近くに寄るとドゥオーモの丸屋根は意外に見えないものだ。(
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) 大聖堂を眺めていると、前で絵を並べて売っているやつの絵が風に飛ばされて私のほうに飛んできた。拾って渡すと「端が少し折れている。2ユーロ(?)でどうだ」とかいうのでNO!と言い切ってその場を離れた。あんなもん誰が買うか! 言い掛かりをつけられなかっただけマシだと思うことにしよう。
 夕景を見るために早めに夕食を取ることにして、市場に向かった。途中でレモンなどを素材にした菓子などを売っている店があったので、両親向けにレモンジャム、職場向けにレモンのグミを買った。市場までは革製品の露店が軒を連ねていた。市場の2階がフードコートになっていて、テルミニ駅にあったところとそっくりだった。トマトソースとベーコンのPiciパスタを注文した。この手のパスタはそうそうハズレはない。ペットボトルの水をつけて13ユーロを支払った。店舗のレシートにあるQRコードを使うと無料でトイレを使えるというのが面白い。


 いったんホテルに戻り、先ほどの買い物を置いて、夕景を眺めるためにミケランジェロ広場へ向かう。駅前からC4のバスに乗った。料金をタッチ決済で支払えるのはやはり便利だ。バスを降りて高台の広場を目指して坂を登る。19時に広場に着いた。既に大勢の人たちが夕景を待っているが、あいにくと雲が出ていて夕陽に照らされるという景色ではない。それでもフィレンツェの街並みの美しさを楽しめる。地平線近くは雲が切れている気がするので待ってみる。19:40に雲の下から夕景が現れたが薄い雲がかかっているのか夕光はない。「夕陽に照らされるフィレンツェ」は諦めるしかなさそう。昨日行っておけばよかったかな… 隣の女性2人に少し場所を譲ると「謝謝!」と言われた。また中国語で話しかけられたので「我是日本人」と返すと驚かれた。1人は少し日本語を勉強しているらしく、英語・中国語・日本語で3人で楽しくおしゃべりした。杭州から来たというので、10年以上前に訪れた杭州などの写真を見せるとまた驚いてくれた。ついノリで3人で自撮りまで撮ってしまった。19:45に「一路平安!」といって2人と別れた。夕景に照らされるフィレンツェは見られなかったが、楽しい思い出になった。(

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 同じバス停から同じC4バスに乗った。ところが、往路とは違う道筋をとり始め、駅からも離れていく。かなり焦り、次のバス停で降りた。そこからGoogleマップを頼りにホテルへと歩く。既に陽は沈んでいるがまだ明るさも残っているので、暗くなる前にホテルに戻りたい。と、先ほど降りたC4バスに追い越された。どうやら乗り続けていればよかったらしい。まぁしょうがない。20:30に無事にホテルに戻った。
 明日は、午前中にアカデミア美術館とメディチ家礼拝堂を観光し、午後のフレッチャロッサでヴェネツィアへ向かう。2025年夏の旅も後半に入った。


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